正義感

私は運転免許を二回失効して三回取得したはなしはつとに知られていることでありますが、そのなかでも毎回謎の心理テストてきなものをやらされるわけで、一回目と二回目は普通に、私にとっての普通というのはたぶん一般の人から見たらクソ真面目なレベルで本気なのですがいずれにしても普通に受験して、特定の図を連続で描けとか特定のシチュエーションについて判断せよとかそういったものも含めて最高得点をきちんと出してご満悦で講評を聞くといずれも心理テスト的な意味では最低の扱いをされるのです。まずは反射神経が良すぎて普通の人とテンポをあわせて行動ができないという意味で事故を起こしがちな傾向があるらしく、さらに、私は正義感が人並外れて強すぎてそれが原因で事故を起こす典型的なタイプなのだそうです。わかるわ。法的に直進して良くて保険会社に判断させてもお金が無駄になりそうもないのだったら直進したら悪者たちが自業自得で死ぬかもしれないとわかっててもなお直進しがちな本性を抱えているし、違法で危険な運転をする人には躊躇なくクラクションを鳴らすし、そもそも世間にあふれかえっている違法運転を見るたびに心が鳴門海峡の如くざわめくのを感じるししかもそのざわめきは実際の苦痛となっているので、むしろ正義感が強すぎて事故が起きるタイプらしい。あれか、違法な運転をトロトロとするご老人の大衆エコカーとかは周囲がよけるので事故らない敵なあれか。

三回目の試験ではわざとろとろと作業してたぶんこれが一般的な図形描画速度だろうというものを完璧に演じ、この程度の邪悪さが一般的な正義感だろうというところで適度に違法な回答をし、見事に理想的なドライバーの地位を勝ち取ったのでした。

普通の一般的な正義感や価値観に寄せて生きることは当然可能ですし普通にそのように生きておりますが、本性としては悪いものは悪いとして生きているので、同僚に本物の泥棒がいたりするととても辛くて苦痛なわけです。人生。犯罪者がのさばるのは許せないと思い続けているとむしろ隣にそんな人が来るかもしれないカルマの影に怯えるわけです。3回目の心理テストにパーフェクト合格したことによっていいかんじに解脱できたことを祈ります。

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