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2019.3.1 台湾プロ野球合同トライアウトの話(上)

 2016年の夏ごろ、何気なくTwitterのタイムラインを眺めていた時に「台湾プロ野球が初めての合同トライアウトを行う」という内容の文章をタイムラインで発見した。

 その時は「プロ入りのチャンスが広がりそうだよな」という漠然とした感想しか抱かなかった。後期シーズンを終え、総合優勝を果たしてグラチャンまで進んだ。

 群馬に2連勝のあと3連敗で日本一は逃したが、グラチャン最終戦日→愛媛へ移動日→宮崎への移動日という慌ただしい時間を過ごしていた。

 宮崎フェニックスリーグの四国アイランドリーグ選抜の2次メンバーに選出されていたからだ。1次から3次までの選手入れ替わりがある。 

 第2次メンバーの試合は4試合のみ。次の入れ替えでドラフト候補選手は所属チームの本拠地へ戻る。が、僕は宮崎に残ったままだった。つまりドラフト指名はない。

 結果はそれなりに残していたし、四国をメインで観ているライターさんには評価をしていただいたようでドラフト直前号にも名前や写真も掲載された。

 しかしドラフトのチャンスがないのは自分が1番わかっていた。26歳という年齢もあるし、仕方のないこと。「四国ILでは成績を残したがドラフトにかからない」という中途半端な選手になってしまっていた。

 この年、愛媛は調査書が来ていた選手が複数名いたが結局ドラフトで名前を呼ばれる選手はいなかった。

 ドラフト会議が終わり来期に向けた契約更改を迎える。元々NPBへ行くためにはどうあがいても今年がラストだろうと思っていたので、自由契約となった。

 自分のなかでは1年間先発、中継ぎをフルにこなして数字もそれなりのものだったので、もう少し野球で上のレベルに挑戦する環境が欲しかった。

 そこで夏ごろのTwitterを思い出し、台湾のプロ野球(CPBL)の合同トライアウトを受ける事を決意。

 この時11月上旬で試験は12月20日。残された時間は1か月ほど。シーズンを終えているため給料はない。

 知人の紹介で、正月用の門松に関わるアルバイトをさせてもらうことになった。そのバイトを土日に行い、平日はグランドを借りて練習する事にした。

トライアウト前後のスケジュールは

18日夜 愛媛から大阪へ移動。ビジネスホテルで宿泊

19日朝 関西国際空港から台北へ。バスを使ってホテルまで

20日  トライアウト当日

20日夜 トライアウトの終了時間が不明だったので最終便を予約

21日朝 成田空港→松山空港へ乗り継ぎ、愛媛へ戻る

2泊4日のプチツアーである。

このトライアウトに関わる費用についても書いておこう。

トライアウトの試験料として4000元、当時のレートで約1.5万円前後。

往復分の交通費が約6万円(国内の鉄道なども含む)

宿泊費が大阪と台湾での2泊で1.2万円ほど

雑費で0.3万円

 合計で9万円。可能な限り費用を抑えるために大阪のホテルは素泊まりで台湾初夜もコンビニご飯。それでもこれだけの費用が掛かる。だが台湾でプロ契約を狙えるチャンスなのだから、これぐらいの投資は仕方がない。むしろお金をケチって野球をあきらめる事の方がつらかった。

 門松に関わるアルバイトで稼いだお金も約9万円だった。

 経緯を書いていくだけで意外と文章が長くなってしまったので、次回は台湾へ渡ってからどのように過ごしていたか、実際のテストがどのようなものだったかを書いていきたい。

続く

2019.3.3 台湾プロ野球合同トライアウトの話(下)|伴和馬/ばんかずま @22kazuma224 #note https://note.com/bk20impression/n/nda0c7e7ad8e7

皆様のお気持ちを少しだけ。