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目標を紙に書くと本当に実現するのでしょうか?

あなたは目標を紙に書いているでしょうか?

そして、その目標は達成しているでしょうか?

成功法則では、目標を紙に書いたら達成すると言われます。

この情報のもとになっているのは、おそらくハーバード大学の実験でしょう。

ある教授が学生に目標について質問をしたところ、84%の学生は、目標を持っていない。13%の学生は、目標を持っていたが紙には書いていない。3%の学生は目標を持って、それを紙に書いているという結果が出ました。

それから10年後、教授は調査に参加した学生に追跡の調査を行うと、目標を持っていた13%の人の平均年収は、目標を持っていなかった84%の人たちの約2倍で、目標を紙に書いていた3%の平均年収は、残り97%の人たちの10倍だったというものです。

このデータが、「目標を紙に書くと成功する」という根拠になっているようですが、このデータに因果関係はありません。

かつ、うがった見方をすると、平均年収ですから、3%の中に、特筆するような大金持ちがいれば、金額は跳ね上がります。

もちろん、目標を紙に書くことに意味がないという話でもありません。しかし、目標を紙に書くと自動的に達成されるというような都合もいい話でもなさそうです。

目標を紙に書いて、達成する人としない人に違いはなんでしょう?

なぜ、目標を紙に書くのか?

なぜ、大きく成功した人は、目標を紙に書くのでしょうか?
結論から言えば、私は決意だと思うのです。

目標を達成する人としない人に違いは、決意です。

目標を紙に書く人は、絶対に目標を達成するのだという固い決意を持っていると思われます。だから、「紙に書けば目標を達成できる」というような手法に頼る考え方と真逆なのではないかと思います。

ハーバードの実験でも、目標を10年間もの間、紙に書き続けるというのは強い執念が垣間見えます。

目標を紙に書く効用

目標を紙に書くことの効用は、意識を集中するという点が考えられます。

脳のRAS機能が作動しているのでしょう。

RAS機能とは、脳のフィルター機能のことを言います。

基本的に私たちは「見たいもの」しか見ていません。

たとえば、あなたがいる空間を見渡してください。
次にこの記事に目を留めて、空間の中にある「青いもの」を思い出してください。
思い出したら、もう一度空間を見渡してください。
思い出したもの以外に青いものがあるのではないでしょうか。すると、今度が青いものが気になって仕方がありませんね。

このように、青いものはそこに存在しているのですが、私たちの脳は意識しなければ、それを認識しません。これが、RAS機能です。

欲しい車があれば、その車がやたらと走っているのを見たり、ハワイ旅行に行こうと思えば、ハワイのパンフレットが目に入ります。

目標を紙に書くことで、RAS機能が作動し、目標の達成に必要な情報を集めてくれる。これが目標を紙に書く効用だと考えられます。

どんな目標を書けばいいのか?

目標を紙に書くことで、最も重要なことは何を書くかということです。

たとえば、「内閣総理大臣になる」と書けば、実現するのかというと、おそらく実現しないでしょう。実現するとしたら、あなたが本気で内閣総理大臣を目指した行動をした場合です。

れいわ新選組の山本太郎代表は総理大臣を目指すと断言しています。相当に難しい目標ですし、彼が「総理になる」と紙に書いているかどうかはわかりませんが、本気で目指す以上、可能性はひらけます。

目標を紙に書くと達成するのは、達成を自分が、信じることができることが条件です。絶対に達成すると心に誓う目標です。

成功哲学の大家であるナポレオン・ヒル博士は、「望むことと受け取る準備の間に違いがある」と言っています。

望んだことが実現するように行動をすることで、目標は達成されます。だから、紙に書く目標は、あなたが心底達成したい目標であり、そのための対価(努力とも言います)を提供することが必要になります。

紙に書くという手段は、何を書くのかという目的があってこそ、実現に向かうのです。

目標はどのように書けばいいのか?

実際、目標を書くにあたり、何個書けばいいのか、どのように書けばいいのかと疑問に思うかもしれません。書き方というのも手段なので、さほど影響はないと思いますが、書き方というのもあるようです。

石田久二さんの著書『夢がかなうとき、「なに」が起こっているのか?』(サンマーク出版 2014年)に願望の叶え方が紹介されています。

その方法は、毎日願望を3回ノートに書くというものです。

まず、大きく息を吸って止める。そして、一つ目の願望を3回書く。そして、大きく息を吐く。次に、大きく息を吸って止める。そして二つ目の願望を3回書く。最後も大きく息を吸って止めて3つ目の願望を3回書く。3つの願いを3回書くことがミソらしい。

最後にリラックスして「ありがとうございました。」と1回書く。いつまでにという期限を書いておくことを忘れてはいけません。願いが叶うのは100日以降で、1日でも忘れたらやり直しということになるのでご注意ください。

経営コンサルタントの神田昌典さんは、『非常識な成功法則』(フォレスト出版 2011年)の中で、目標は10個以上でいくつでもいいと書いています。

神田氏は、「私は●●する」というように現在形を推奨しています。

さらに、目標を紙に書いた後にやることがあります。

・紙に書いた目標を毎晩、毎朝、眺めてニタニタする
・カバンに入れて持ち歩く
・「この目標を実現するために、何が必要だろう?」と自分に質問をする
・長期の目標と短期の目標を使い分ける
・SMARTの原則で毎日チェックする
・10個の目標のうち、特に重要なひとつに◯をする
・重要な目標に近づくために、今日できることを書く

SMARTの原則とは、

1:Specific(具体的に)
誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す

2:Measurable(測定可能な)
願望の達成度合いが判断できるように、定量化する

3:Achievable(達成可能な)
願望が達成可能な現実的な内容かどうかを確認する

4:Related(同意した)
願望を達成することに意義がある

5:Time-bound(時間制約がある)
期限を設定する

ということになります。
書くことだけでなく、毎日見ることで、脳のRAS機能が作動します。ただし、くれぐれも書いた目標を信じることが大切です。やはり、目標の達成はあなた次第ということになります。


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