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戦争と貿易

今の暮らしの中で大きなウェイトを占めているいくつかのこと。奇妙なUSAの会社での仕事のこと。トレーニング、読書、そして音楽…。

それぞれのテーマについて、まずは一度は書いてみよう!と思いながら、ウーンウン唸っています。

やっぱり、一番書きたくて一番難しいのは、仕事のことです。同業の方にあるあると共感していただけたり、はたまたこれから外資や貿易の世界に入ってみたい!と思っている方にとって少しでも役立つものを書けたら良いなあと妄想するのですが、その一方で、叶うなら全然違う仕事に就かれている方が読んでも新鮮で退屈でないネタを書きたいものです。

はあ、しかしそんなことは私の筆圧では難しいので、まずはそう気負わず、ふと思い出したことをちょこちょこ書いてみたいと思います。


今日ふと思い出したことは、私が入社して一年目のできごとでした。

私は海外のベンダー・サプライヤーから製品を輸入し、主に日系企業に販売する仕事をしています。ざっくり言えば、各国の安全基準を満たしたメカニックな製品です。

そうして日本で購入された製品は、日系のお客さんがまた更に大きなマシーンに組み込んで加工した上で再輸出したり、そのまま各国のプラントに輸出されて利用されているようなのですが…。

入社一年目のその時、私は本社はアメリカにあるメーカーの、中国オフィスから製品を購入すべくやりとりをしていました。(めんどくさいですよねwでも、実際は大体こんな感じ。つまり、世界はその国にとっての「外資」だらけなんだな~!!)

しかし、なんでも今回の製品の最終納品先が「ロシア」だというのです。これが、まずかった。

2018年頃の話ですが、その時でさえ、「絶対に武器に転用しない」「できない」ということを証明するために、えらい大仰な書類の提出をメーカーから求められたんですね。その時は、「まさか戦争なんてするかいな~」「何言ってんだっぺよ~」「普段あんなに雑なのにこんな細けぇこと要求すんのけ~」と、悠長に構えていたものです。当時は確かアメリカ・ロシア・中国三国の関係はあーでこーで、だから…となにやら説明された気がするのですが…

思えば、国や企業の上部はより深く事情に精通しており、当時から警戒していたのでしょう。


あれから数年。そのまさか、は本当のことになってしまいました。辛いニュースをジムで唖然と眺めていた日のことを思い出します。悠長に笑っていた自分の平和ボケした危機感のなさを恥ずかしく思います。

これは最近知ったことですが、昔日本の大手企業が開発した製品をある国に納品した結果、それが本当に武器に転用されてしまったのだそうです。カンカンになったのはアメリカ、US Militaryだったそう。具体的なことは存じませんが、相当な制裁と圧力をかけられたそうです。もう本当に色々な意味でやりきれない恐ろしい話です。

私は昨年までMilitary関連の仕事に就いていて、その仕事はいやで、いやで、いやで大嫌いで仕方がありませんでした。(社会信条的な理由だけではなく、まずは地獄のような仕事だったという意味でも…。)

二年間ほど一人で沖縄に通って、大方の軍をフェンス越しにすべて見ました。私は自分が一体何をしているのか、どこにいるのか、自分の仕事の是非、意味…結局、最後まで分かりませんでした。いや、何かは分かったでしょ?と言われそうですが、あれだけ通っても、なんにも分からなかったね。一回退職届だしたくらいだし。

沖縄とのことは、いつか、別途ゆっくり書きたいです!

この仕事に就いて思うのですが、「今自分はあの施設に関わっている!」「あの製品を取り扱っている!」とどんなに繰り返し自分に言い聞かせようとしても、実感がわかないことがほとんどです。日々の「製品」は、やはり、業務のなかでは情報・文字なのです。どうしても。いつしかそれもやっぱりつまならくて、嫌になってしまったんだけど。(笑)

けれど、自分がやっていることの意味にはこれからも鈍感になりたくないものです。


「上が言うから知らずに売ったら、武器でした」なんてことは、嫌だから。


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