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あと桜を何回見られるのだろうか

写真を撮るのが好きだ。

職業としての写真を撮る行為に興味はあまりないが、人の写真を撮り、それを見せたときの喜ぶ姿を見るのは好きだ。人の喜ぶ姿を見るのが性質として好きなのかもしれない。人間自体は嫌いだが。

被写体は何でもよく、花を撮る事もあれば動物を撮ることもある。巧稚の極地についてもどうでもよく、自分の思い描くイメージが撮れれば良い。他社からの評価もあまり気にしていない。よくも悪くも趣味だからであると思う。

被写体の中にはその一瞬しか見ることが出来ないものがある。それは卒業式の瞬間の笑顔であったり、桜が散る瞬間であったりする。そういう瞬間を私はあと何回見て、そのうち何回を写真に収めることが出来るのだろうか。私はまだ世間の中では若いと言われる年齢だがそんな事を考えている。そんな事を考えて生きている。

薬を飲むのは嫌いだ。なぜなら薬を飲むことで生かされている感じがするからだ。私は自然に生き、自然に生かされたい。しかし現実にはそうはいかないことも分かっている。理性的である以上、薬を飲んで生き長らえざるを得ない。そして薬に殺される事を思い描きながら生きなければならない。嫌なものである。だが瞬間をこれからも収めるために私は生きなければならない。

そんな事を考えながら生きているニンゲンの撮る写真でした。少しでもきれいだと想ってもらえればいいなと思う。

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