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JILSANDERの魅力・評価される理由

今回はJIL SANDERについて、述べていこうと思います。

Heidemarie Jiline Sander 1943年11月27日ドイツ出身のデザイナー。
クレフェルト・スクール・オブ・テキスタイル専門学校を卒業したその後、渡米し、カリフォルニア大学に2年間留学。ニューヨークの出版社に就職し「マッコールズ(McCall's)」、「コンスタンス(Constance)」など女性専用のファッションジャーナリストとして、活躍。その後1965年帰国後、1968年にハンブルクにブティックを開設。当初は主に、「ソニア・リキエル」などを取扱う、セレクトショップの形態店舗であった。

セレクトショップを経営していく中で、自身でデザインしたブランドを発売していき、1973年パリ・プレタポルテに進出します。ですが、デザインが当時の流行に合わず、1980年に撤退することになります。
70s〜80sのパリ・コレクションは煌びやかなデザインや体のライン露出するようなものが多く、JIL SANDER特有のシンプルで無駄を削ぎ落としたデザインはあまり好まれませんでした。

(鉄の女と呼ばれたJIL SANDER)

JIL SANDER転機

1985年拠点をミラノに移し、再出発をします。
ミラノ・コレクションは、素材や着心地を重視したどちらかというと大人むけのコレクション。(あくまで個人的な意見ですが。。)
1987年にはミラノ・コレクションに参加し、そこで脚光を浴び、一気にトップブランドの仲間入りを果たします。
1987-98AWシーズンからは、メンズウェアラインをスタートさせます。

ここでようやくJIL SANDERの魅力が世界に広がっていきます。
ブランド最大の特徴としては、高品質な素材・精度の高いカッティング、無駄を全て削ぎ落としたミニマルなデザイン。
先ほども、述べたように時代の流れは、派手な装飾やデザインが好まれていましたが、80年代後半になるとファッション業界のカウンターカルチャーからシンプルやミニマルなデザインが求めれるようになり、JIL SANDERのブランドコンセプトとマッチし始めたことが、最大の要因だと思われます。

JIL SANDER退任

ブランド絶頂期の中、1999年にプラダグループが株式の全体75%を取得する形で買収することなり、プラダ系列のブランドとなります。(ブランドの更なる経営パートナーを必要としたことが主な原因とされています。)
その後、JIL SANDERは、経営方針について、プラダグループと何度も衝突することがあり、2000年のコレクションを持って退任することになります。
プラダ側は素材コストの削減を提案、JIL SANDERは当初から貫いてきたスタイルを曲げることを許さなかったため、退任したと考えられています。
JIL SANDERは、服作りに対してとても厳しく「鉄の女」と呼ばれるほど素材ひとつひとつに拘り、製法や人材にもこだわるほどでした。

その後のJIL SANDERについて

JIL SANDERが退任後、
2001aw〜2003awミラン・ヴィクミロビッチ
パリの有名セレクトショップ(コレット)のバイヤーを務め、グッチのデザイナーを経て、就任。

2006aw〜2012awラフ・シモンズ
カラーや機能性で高い評価を受けそれまでのブランドになかった独特の曲線的なカッティングにより生み出されるシルエットが評価を得ていた。
中でも、最後の2012awのコレクションは、高い評価を受けており、現在もarchiveで高額で取引されている。

フェイクレザーを多用した名作の多い、2012aw

2015ss〜2017awロドルフォ・パリアルンガ
モード色の強いデザインが特徴。PRADAに10年在籍しており、シルクやアルパカなど高級感のある生地を多用するのが印象的。

2018ss現在はメイヤー夫妻
直線的な、デザインを重視しながらも、カラーや生地は風合いのあるものを使用し、独特の世界観を反映している。
また、これまで、JIL SANDERではあまり活用されなかったナイロン生地を活用し、ストリート寄りのデザインも近年は見られるようになった。

JIL SANDERに惹かれるポイント

ここでは、私個人的な目線で、JIL SANDERに引かれた理由を述べて締めようと思います。
まず、JIL SANDERの時代と逆光したデザインに惹かれます。というのは、ブランドで成果をあげたい、売上を伸ばしたいと考えると、流行やトレンドを意識して生み出すというのが、一般的だと思いますが、そんなことは気にもせず、自分のやりたいように、追求する姿勢。男でも惚れます。
次に、大企業と衝突しても、譲らなかった素材の品質やクオリティ。コスト面を土返ししても、拘るスタイル。そういった逸話やエピソードがあるとブランドに対する信頼感みたいなのが、生まれると思うんです。
JIL SANDER本人期の商品を手に取ってもらうとわかるのですが、生地がものすごく丈夫なんです。ハイブランドはデリケートな生地を使うイメージがあり、ペラペラな印象をお持ちの方多いと思います。
しかし、JIL SANDERは違って、スラックスひとつ取っても、そのまま立てれるんじゃないと思うくらい、生地が丈夫。それにカッティングが素晴らしく、どの角度から見ても、シルエットが美しく見えるようになっています。
洋服のグラフィックやデザインを重視するのではなく、シンプル・ミニマルなシルエットで高級感を演出することができる。ハイブランド界でも、唯一無二な存在なのではないかと思います。

2000年初期 JiL SANDER

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