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物議を醸す、消費者庁による相次ぐ杜撰な処分(後編)

遵法意識が低い事業者を取り締まり、消費者の安心と安全を守る役割を担う消費者庁。しかし昨今、その消費者庁による杜撰な処分が物議を醸している。消費者保護の現場で今何が起きているのか、消費者庁による「不当処分」被害に遭ってしまった企業の実録をレポートする。

【ケース2 通信販売業者【株式会社LIT】と、その関係者に対する行政処分】

「株式会社LIT」は、ヘアケア用品及びサプリメントを販売する通信販売業者である。消費者庁は同社販売サイト上における、

・「製品購入はいつでもキャンセル・解約可能」としておきながら、初回受注をキャンセル・解約できなくしていた
・製品購入における最終確認画面において、2回目以降の定期購入分にかかる金額を見えにくく表示していた

などの行為が特定商取引法違反であるとして、令和5年6月28日から令和5年12月27日までの6か月間、通信販売に関する業務の一部(広告、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じた。そして同時に、LIT社代表取締役である中村智紀氏に対しても同期間、LIT社に対して業務停止命令により業務の停止を命ずる範囲の業務を新たに開始することの禁止と、特定関係法人である株式会社LIT INNOVATION社においておこなっている、前記業務禁止命令の範囲と同一の業務の停止を、それぞれ命じた。

しかし本件も、ケース1と同様に恣意的な問題指摘がみられるうえ、適正手続を欠いた違法性が高いものであり、対象者に対する不利益処分である旨の提言が、多数の専門家のみならず、本件を報道目的で取材したマスメディアの側からもおこなわれている。具体的な問題としては、次の点が挙げられる。

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