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ライカIIIfでORWO のWOLFEN NC500で撮った話


ORWOというブランドのWOLFEN NC500というフィルムで撮影しました。
結論からいうと、割と散々な撮影体験になりました。

箱つぶれはしょうがない


かわうそ商店のサイトで購入。2023年秋のブラックフライデーで半額。
いろいろな説明を読み解くと、1980年代の映画向けフィルムの乳剤を再現した限定生産品の写真用フィルムで、当時の映画のような柔らかな発色になるらしい。
実際、写真屋さんで現像だけしてもらったら、「発色が鈍いかもしれない」と言われてしまった。
自宅でsilverfastにお任せでスキャンしたのがこちらです。




慣れていない自宅スキャンで埃が入ったりしている。
一方で、セールスポイントの古い映画のような発色は、なかなかいい感じだと思う。
特に1枚目の空の色とか、列に並ぶ旅行客とか、モノクロよりも寒色はとてもいい感じになっていると思う。


ここから失敗写真。

まずなにより、今回、フィルムの送り出しがうまくいかない事象が多発した。いつもと同じようにノブを巻き上げているのに、十分にフィルムが送られず、結果的に二重露光になる写真が連発である。

二重露光その1 右1/3くらいに次の像が映り込んでしまった


二重露光その2 これは見事に丸かぶり。真ん中のドラえもんに、人物がすっぽりかぶってる。右上のラーメン一幻の看板ががまさに幻


さらに、フィルム自体に傷がついているようなものもあった。
↓の写真では、1箇所、横に焦げたような黒い線が入っていて、よくよくネガをみたら傷がついていた。

「絆」と書かれた絵馬の左上の絵馬2枚に、傷がはしっている(さらに二重露光もしている)


送り出しがうまく行っていないことに途中で気がつけばよかったのだけど(確かに、途中でノブが空回りしているような感覚はあった)、本格的に異変を察したのは、フィルムカウンターが36枚を過ぎてもストップがかからないことだ。
気がついたらカウントが39になっていて、それでもまだ巻き上げられるから、カメラの故障を気にして、そこで巻き取ることにした。上記のように途中でダブっているから、未撮影のコマが発生していたようだ。
現像してから枚数を数えると、6〜7枚くらいは撮影できていないコマがあったと思う。
(これらがフィルムの原因かはよくわからない。寒い日に持ち出しているし、そもそもカメラも70年前の機材だし)

さらに(これは完全に自分が悪いのですけど)レンズキャップをつけっぱなしで撮影したものも5枚くらいあって、最終的にまともに撮影できていたのは17〜18枚となってしまった。

なので撮れ高はとても少ないです。
それでも、このフィルムで撮影してよかった、と思える写真も撮れてます。
以下はそういった写真。

どちらも冬の北海道の早朝で、空の色がとても印象的に撮れた。
ベースとなる発色が弱い分、明暗がはっきりして、かつ明の部分の諧調・グラデーションが美しくなったと思う。

前述のとおり、このフィルムはもともと映画用で、実際に撮影された作品では、メリル・ストリープとロバート・レッドフォード主演の「愛と哀しみの果て」(1985年)がある(って、商品説明に書いてある)。
このフィルムを入手してからAmazon Prime videoで視聴してみたけど、序盤のメリル・ストリープが列車で英領東アフリカに向かうシーンが、まさにこんな色調の空の色を写していた。

(いつものことながら)失敗が多くてコスパ的には悪いかもしれないけど、印象深い写真が撮れたし、良しとしたいです。

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