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たゆたう酔生夢死

片隅の世界が、

いつもと変わらず風と時を止めて、

辺境を守りの霧で満たすんです


ずっと思い出は残って下さい…

謳われるままにずっと、

思い出も主人を思い出しながら


帰れない新緑を

初めに生まれた場所へ祈りながら


錆色の永遠の秋の中で

一つの滴も一羽の蝶も無い静謐に抱かれ


飾り物の優しい夕焼け空に鎮められ

影も明かりも無い異世界に収められ


届かなかった星をつかみ

割れた鏡の破片をくっつけて


告げる者無き慈愛を宙に放し

充足を語る死


誰も笑わず死なず

何も壊れず生まれず


届く 代わりに 漫然と

叶う 代わりに 湯水のように


時間に侵食されない天幕の魔法で

みんな宝石になってしまえ




そんな辺境で一晩でも過ごせたら

「此処」を 両腕で 仰げる

溶け出せると




でも糸を引く緑色の血が、

私を

風のある場所にまだ引き留めるんですよね



赦されるとそこで終わってしまいかねないけど

まだ此処にいます

そんな辺境を理想郷にしてしまう人形を

人間に正す為にも、まだ此処に

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