「男性社会」に疲れた全ての人に捧げたい

私は、とある男性社会な業界で働いて8年目になります。

新入社員の時から、若い女性だからという理由で様々な会食の場に帯同させていただく機会が多く、いつでもどこでも愛想を振りまいて、気を配り散らしていたのを今でも覚えています。
この世界で働くみなさん。相手のための思いやりや気配りが、相手にとっていつしか「当たり前」のものになり、搾取されていると感じたことはないでしょうか。

これは、男性社会に溶け込もうと努力することに疲れた私の経験を
記録として残しておきたく書いた文章です。

新入社員研修を終えて、私は地方の支店に配属となりました。
今でこそ総合職の女性もいらっしゃるようですが、当時の私は支店で唯一の総合職。
配属初日にスーツで出社すると、「なんで制服じゃないの?」と他の女性から不思議そうな顔をされました。

私が配属された部署の上司や先輩方は、私が成長できるように。と客先との折衝、他部署との調整、会食のセッテイングやマナーなど、他の男性と同じように接してくださいました。

もしかすると私が働いている企業だけかもしれませんが、コロナが流行る前は「突然の飲み会の呼び出し」がしょっちゅうありました。
食事中だろうが、風呂上がりだろうが、ベッドにいようが、電話に出てしまったら行かなくてはならない。がいつしか当たり前のルールになっていました。
地方だったので終電という概念がなく、夜中の2時3時にタクシーで帰ることもしばしば。それでも、「私は総合職だから、他の男の人も参加してるし行かないといけない」と思い、周囲の人は「お前は総合職だから」を枕詞に私を呼び出してきました。

そんな付き合いに心を摩耗しながら参加していると、顔に疲れが出たり、太ったりします。今度は先輩方や上司から「女性なんだから見た目に気を配れ」「それじゃ仕事が取れない」と、今度は女性としての「私」を要求してくるようになりました。「仕事をとるために得意先と寝るくらいの覚悟でいろ。」とセクハラ極まりない言葉を投げかけられたこともあります。

今では都合がいい人たちだなあと心から思えるのですが、まだ入社してから期間が浅く若かった私の自己肯定感は右肩下がりに落ちていきました。

この状況に疲れ果てるとどういうことが起きるでしょうか。いつの間にか、社内での会食の場で涙が止まらなくなりました。その感情は「怒り」からくるものだと思っています。泣く女って、男性からしたらめんどくさいんですよね。
でもこんな都合のいい扱いされて、そこからくる怒りをなるべく抑えようとすると、涙が止まらなくなる。私は好きでこんな状況になっていません。

「じゃあ行かなければいい」という人もいます。事実、私もだんだんと口実をつけて嫌な会食を断るようになりました。すると今度は「あいつ彼氏でもできたんじゃないか」「先輩からの誘いを断るなんで舐めてる」と陰口を叩かれるようになりました。

今思うと、よく休職せずにここまで来れたなと心から思います。
それから少しして、私は他県に転勤が決まりました。

転勤すると同時にコロナが流行り、以前のような会食は無くなりました。
新しい部署の人たちはいい意味で他人に無関心で、快適に働けるようになりました。

転勤して数年後、前の部署の人と会食する機会がありました。
久しぶりだしいいか。と参加したのですが、これが間違いでした。
その席に先に同席していた後輩が、どうやら私の悪口を言っていたようです。
しかし、私の前ではその内容を言わず、ただ男性同士でニヤニヤするだけ。

「いや、何か言いたいことあるなら言えば?」と言ったら、なぜか私が説教されました。

「今俺がいる地方までお前の仕事が伝わってないから、お前は頑張っていない」
「後輩にも気を遣えない」「お前総合職なら酔いのペース合わせろ」
これをパワーハラスメントと言わずして、何をパワハラと言うのでしょうか。

結局、私は先に帰りました。
翌日になっても、後輩からは謝罪の言葉もありませんでした。

自分のことを陥れて笑いを取るような人たちと時間を過ごしてしまった。と後悔しました。同時に、こんな思いをしている人たち(女性・男性含め)はもっといるのではないかと考えました。

男性社会で奮闘する皆さん、都合の良い時だけ「女性らしさ」を求められて疲れていませんか?
「男性と同じ土俵で頑張りたいなら」を枕詞に、セクハラやパワハラを受け入れざるを得ない環境になっていないですか?

もしそんな方にこのnoteが届いたら、「疲れましたね。でも、1人じゃないですよ。」と伝えたいです。
自分を一番愛せるのは自分自身です。私も皆さんも、快適に働く権利があります。

この権利を勝ち取るためにどうすべきか、学び続けたいと思います。

#女性活躍 #男性社会 #男女共同参画社会 #ジェンダーギャップ
#ホモソーシャル

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