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シェアハウス生活の醍醐味は、なりたい自分になる環境選択を行っていることである

「シェアハウス」という言葉が近年流行ったきっかけは、2012年頃から人気を博したTERRACE HOUSEによるものだったろうか。

私は居住空間のシェアが好きである。これまで、22歳でアメリカ留学してシェアライフを体験してから、新入社員時は会社の寮に入り、60人強のメンバーと共同生活を行った他、20代半ばにはツイッターで出会った友人と15人でシェアハウスを渋谷に作り上げ、日々刺激的な生活をしていた。その後もライフスタイルの変化に伴い、同棲など形を変えてシェア生活を行ってきた。

そもそも家電を筆頭に、自宅にあるもので、自分しか使わないものなどほとんど無いのではないかと考えている。私で言えば、最低限自分のベッドと数日着る服が置ければ十分だ。

こういうと誤解されそうであるが、私は別にミニマリストを推奨しているわけではない。単にモノのシェア・居住空間のシェアは(特に独身者にとっては)何かと便利な暮らしができるのである。


もちろん、シェアするということは、コスパが良いという観点で非常に優れているのだが、それ以外に大きな側面を持っている。

このnoteでは、私が20代に経験したシェア生活を基に、シェアハウスから得られることについて、書いていこうと思う。


まず、新入社員時の2011年、私は千葉県松戸市にある会社の寮へ入った。これはドミトリーと呼ばれるタイプで、各自の小部屋がある以外は、共同の食事・水回りを使うといったスタイルである。

私が新卒入社した企業は福利厚生が素晴らしく、新入社員でも住宅を借りて生活する社員には、全員に少なくない家賃補助が出ていた。そのため、550人いた同期のほとんどが、その選択を取っていた。

一方で、ドミトリータイプの寮を選ぶ人間は少なく、特に勤務地となる東京の出身でこの選択をしていた同期は限りなくゼロに近かった。


それでも私がこの選択をした目的は2つで、一つは、新人社員はおそらくとてもやることが多く、大変だろうから、せめて数人であっても、自分が日常的に関わり、助け合える同期が欲しいと考えたためである。

もう一つは、裏テーマであり、内定者時代に出会った情報工学系出身の面々を筆頭に、同期たちが例外なく優秀であったため、彼らから盗めることがたくさんあると考えていたからである。

両方の点において、寝食を共にし、わざわざ一時間以上掛けて都内に通うにも関わらず、同期と密な繋がりができることは大きいと考えたわけだ。


研修時など、渋谷の街でみんなで飲み明かし、誰かが潰れた誰かを連れて帰っている様、朝起きたら誰かが部屋にいた、など、バカなことをやりながらも、真面目にプログラミングや情報処理の勉強を皆でしたりと、非常に刺激的な環境であった。

一年目の終わりに私は出てしまったが、男々しい集団は最高に楽しくもあった。今でもこの寮のメンバーは大切な同期であり、連絡も取り合っている。



時は流れ、2014年の渋谷である。25歳になり、何を思ったか、もっと社外や世の中で起きていることが知りたいと考えた私は、インターネット業界で活躍しているいけてる(と自分が思う)渋谷・六本木系の起業家のことをネットで調べ、彼らの本を読んだり、直接会いに行ったりしていた。

また、学生の時に一年近くインターンシップを行っていたシンクタンクが、起業家甲子園なるイベントに携わっており、恩師の誘いでこのイベントにも参加。主にVC界隈の方とここでお会いさせていただく。田端大学で後にご一緒させていただく、福本さんとここで繋がっていたのは、今考えたら凄い縁である。

サイバーの藤田さんや20代の若手起業家、多くの人に憧れを持ったが、その中でも特に影響を受けたのが、家入さんで、選挙の応援を手伝ったりしていた。当時盛り上がっていたリバ邸や渋家などのシェアハウスに遊びに行ったことに影響を受け、ツイッターで出会った面々とシェアハウスを渋谷の中心に作ったのである。

この時は、世の中との関わりの薄い、何も価値を提供できておらず、誰にも知られてもいない無名のスキルもない会社員であり、初めに入りたいと考えたシェアハウスに応募するも、入れなかったのである。その時に、私以外にもそこに入りたいという人がいたらしく、一括で届いたお祈りメールから繋がり、それでさらにツイッターでメンバーを募って数カ月後に一緒に住んでいたのだから、今考えたら相当にクレイジーな話である。

ここでは、目的として、自分がこれまでに経験したことがない会社外の生き方がしたい、世の中に対して影響を与えることがしたい、と考え、そういった環境に身を置きたいと考えていたのである。

私以外の14人は、映像のクリエーターやフリーのエンジニア、音楽関係者、起業家、カメラマン、デザイナーなど、本業が会社員であるメンバーはほぼ皆無であったため、せめて自分は代表として組織をリード(会社員で学んだ強みを活かして)、という名目で一緒に住ませてもらったという方が正しい。


ここでは、世の中に対して影響(何かしら関わる)、という青い目的の達成に向け、メディアなどと呼べるたいそうなものではないが、自分のブログを立ち上げたこと(現在6年目)、また、同じ部屋で住んでいた3人でメディア系のサービスを作ったりした。

そのサービスは、たしか月で30万PVくらいまで持っていくことができ、短期間でそれなりに形にはなったと記憶しているが、それ以上に、シェア生活による助け合いや、自分たちの生き方や考え方を毎日ぶつけ合ったことが本当に大きな財産となった。

当時同じ6畳間に住んでいたメンバーは、今ではいけてる映像監督飽くなき才能に溢れる音楽家である。他にも事業売却をしたとか、有名企業で活躍しているとか、独立してちらほら有名になってきている人などが出てきている。

▲分かる人には分かる写真

余談であるが、この頃から自己開示という点でかなりオープンになり、ちょっと何かが変わってきた様な気がしている。


そして時は流れ2018年の11月。またしてもシェア生活を行った。この時は、お子さんが3人もいるご夫婦(通称モンダ邸)の家庭に住ませていただいた。

一ヶ月間であったが、その期間はあまりにも濃厚であった。ここからはその話を少し詳しく書きたいと思う。

門田さんは、NGOの代表として10年以上に渡り、アフリカと日本の橋渡しとして活躍されている女性起業家である。旦那さんもアプリ事業を売却され、現在は民泊事業などを展開されている、バリバリの起業家である。


この時の経緯として、私は当時、独立当初であり、近しい友人の勧めから、イケハヤさんと正田圭さんが運営されている脱社畜サロンに入った。ここでの投稿を見るだけで、8年間会社員をやってきた身からすると、なるほど!と学ぶことがたくさんあったものだ。

サロンに入った初日、ビジネス創出やアイディアについて、非常に面白い投稿を何度もされている方がいらっしゃって、その方が門田ルイコさんであった。すぐに彼女のツイッターをフォローし、投稿を見ていたところ、なんとシェアメイト募集、というツイートをたまたま見つけ、即応募。次の日の夕方から早速住ませていただいていたのである。

この時は、稼ぎ方、会社員とは異なるであろうビジネス感覚を理解することに必死であった。自分のモットーとして、相談ごとは自分が向いたい方向の人にすべし、というものがあり、まさに自分でお金を生み出すことについて、お二人の考え方や生き方に触れたい、と思い、絶好の機会であったと直感的に感じた。

どのようにシェア生活が始まったかは、ルイコさんがご自身のブログでも書いてくださっているので、ぜひそちらもご参照いただきたい。


門田邸のシェア生活は、控えめに言って最高のものだった。

最高であった理由の1つ目に、シェア生活の醍醐味でもある毎日の情報交換である。皆、日中は各々の仕事があり、お二人はお子さんのケアもあるため、早くて3人が集うのは22時頃。

そこから2時間強、その日はどんな日であったか、今の悩みは何であるか、最近話題のあれについてはどう思うか、知り合いにこんなことをやっていてその人の話、などあまりにも濃い情報交換の時間を毎日過ごさせていただいた。私も些か自分が得たことなどを共有させていただいたが、お二人から学ばせていただいたことはとても多かった。


2つ目に、言わすもがなであるのだが、共に生活をしたお二人が最高に素敵であった点である。

ルイコさんは非常に物腰柔らかで、基本的にポジティブで明るく、暖かい。Voicyの音声を聴いているだけでも、暖かい気持ちになるが、話しているだけでも気持ちがかなり明るくなる凄い方なのである。

旦那さんのルイさんは、クールで物凄く優しく、暖かい。全男性はルイさんを目指すべき!と言えるほどの素敵な旦那さんだと私は勝手に思っている。ビジネス面においては、事業売却のご経験やMBAも持たれており、ビジネスセンスやご経験の量が半端ではない。相談すると、めちゃめちゃ的確なアドバイスが返ってくる。

やはり人は共に過ごす人の影響を受ける。お二人と同じ空間に入れたこともあり、私の独立初期は比較的順調にいくことができた。

また、お二人から学んだこととして、お二人とも小さなことを大切にされている。例えば、当時は都内で無料タクシーが出ていた時であり、ルイコさんはその情報をいち早く掴み、積極的に利用し、教えてくれた。その他、お金の使い方がとてもうまく、合理的で、基本的なところをしっかりとされているのだ。なるほど、この辺りがきっちりしていることは欠かせないな、と思ったものだ。そして、情報提供など含め、GIVEの精神がとても大きいことも。


3つ目に、良き家族・夫婦のあり方を学べたことである。

思えば、30歳の独身男性をよく受け入れていただいたと思うが、お子さんが3人いる環境というのはまた学びが多かった。一例を挙げれば、私は新しいアプリやサービスなどを使うのが好きなのだが、歯磨きをして敵を倒すiPad対応のアプリがあるなんて、この時まで想像すらしていなかったのだ。また、子供とは本当に素直で、一つひとつのリアクションから、大切なことをたくさん教えてくれたように思う。私が夜にコンビニに行った後に、彼らは寝て、数日後に「まだSatoshiさんはコンビニにいるの?」と後々聞いた時は、思わず笑ってしまった。

これらは未婚の独身男性からすると、なかなか体験ができず、学びが大きい体験だと思う。(早く結婚したい)


また、お二人ともタイムマネジメントがうまい。ルイコさんは忙しすぎるスケジュールをどうやってマネジメントしているか、はじめは理解不能であった。気になる方は、ぜひVoicyを聴かれたり、質問してみてほしい。

少し書くと、思うに、それは旦那さんであるルイさんの暖かいサポートがあるからだと思う。述べてきた点からも、お二人とも、私が思うベスト夫婦であるといっても過言ではない。


ここまで体験を書いてきたが、シェアハウス生活は、例え家庭を持ち、子育てを行う中でも可能なのである

ちなみにフロリダ出発前の1月にも1泊させていただいた。現在も空いている限り募集されているので、ぜひルイコさんのツイッターをチェックし、ご興味がある方は相談してみてはいかがだろうか。



さて、この記事の纏めに入るが、これまで書いてきたシェアハウス生活で共通して言えることは、どのような人と時間を共にするかの大切さ、である。

私が大好きな起業家のDrew Houston(Dropbox創業者)は、母校であるMITの卒業生に向けたスピーチでこういった。

曰く「自分とは、自分の周囲にいる5人を、足して割ったような存在である

このセリフは私自身にとてもスッと入ってきた。同期とのシェアも、これまで接してこなかったクリエイターたちとのシェアも、起業家たちとのシェアも、これと近しい考えをベースに、その時に自分が行きたい方向に合わせた環境選択であった。

1つ目の選択では、情報系出身の優秀な同期のような、スキルや考え方を身に付けたく、2つ目の選択では、会社に縛られず個人で世の中に対して価値を提供する生き方を身に付けたく、3つ目の選択では、自分で稼ぐ力を身に付けたかった。


自分が向かっている方向に行くという意味では、その道で生きる人の思考や考え方を学ぶことが大切だ。そういった意味では、そういった人が集う環境に身を置くことができるシェア生活は、ある意味で何かしらのスクールに通うであったり、サークルに入ると同じような効果があるだろう。おそらく、Airbnbで現地の暮らしを経験する、ということも同じ様なことだ。


注意点としては2つ。まず、自分がどういった方向に行きたく、どういう人との出会いを求めているかを明確化することだ。

次に、自分が相手に何を提供できるかを考えて行動することである。これなくしては良いシェア生活は成り立たない。


ぜひご自身でこういった体験をされたいという方がいらっしゃったら、私はシェア生活を勧めたい。そして、環境は時に自分でも作ることは不可能ではないし、既存のものを探す手段も(ツイッターなどを中心に)いくらでもあるということもお伝えできれば幸いである。

お読みいただき、ありがとうございました。

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