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青磁〜世界を魅了したやきもの@出光美術館


暖かな関東地方。
天気予報は12月というのに最高気温21度予報。

週末、友達と美術館からのランチを予定していた。

出光美術館に寄る前に、KITTEに寄り、友達に誕生日プレゼントのお礼のハガキと自分宛に風景印で出してきた。
切手は東京駅舎の図案でハガキもセットのものを買った。

KITTE界隈
KITTE
東京中央郵便局前のぽすくま


それから出光美術館へ。

出光美術館

見に行った展覧会
青磁@出光美術館


帝国劇場の隣にある。

エレベーターの扉も凝っている

来年の12月で建て替えの為一度閉館するらしい。
帝国ホテルの吉兆と同じだわ。
6年近くかかるらしく、アラ還になってしまう。

出光美術館からの眺め
この場所はお気に入り
この日もいい景色が見えた

ここの美術館はとても好きなので、建て替え前にもなるべく通いたい。

そして今風になり過ぎないことを切に願う。

青磁〜世界を魅了したやきもの

重要文化財を含む116点の作品が並ぶ。

ほとんどが出光美術館所蔵だが、一部根津美術館や東京国立博物館や愛知県の徳川美術館の所蔵作品もあった。

日本には本場中国を超える中国産の青磁の名品が今日まで伝わっています。本展では出光コレクションにある重要文化財の「青磁下蕪瓶」「青磁袴腰香炉」をはじめ、同じく重要文化財の「青磁筒形瓶 銘 大内筒」「青磁筍形瓶」(根津美術館)、「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆」「青磁琮形瓶」(東京国立博物館)の重文6点や、尾張徳川家に伝わってきた「大名物 青磁香炉 銘 千鳥」「青磁香炉 銘 白菊」(徳川美術館)など、茶の湯の世界でもよく知られた作品を含む約120件をご覧いただきます。

https://idemitsu-museum.or.jp/

展覧会の構成

引用は全て出光美術館のサイトから転載。

第Ⅰ章
青いやきものの始まりー灰釉陶器

薪によって発生する灰や窯中の温度の変化が起こり、人類は偶然にも釉薬を発見したのです。人為的ではないことから自然釉とも称されます。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

釉薬(ゆうやく・うわぐすり)は、
素焼きの段階の陶磁器の表面に塗っておく薬品で、焼成(しょうせい)によってガラス質となり、水の浸透を防ぎ、つやが出る。
このくらいは知っていたけれど、上記解説を読み、「偶然に発見された」釉薬=自然釉なるものを改めてすごいなと感じる。

どうして、そうなったんだろう?ってすぐに分かったのだろうか?

この章での作品は「自然釉」の特色をじっくり鑑賞した。
上の方は「自然釉」がかかっても、下まで行き渡らず、陶器の下の方がそのままの器もあり、まだまだ後半の「青磁」の青色が出ていない時代。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/
これは想像上の生き物らしい
背鰭みたいなものがついている


第Ⅱ章
本格化する青磁の時代ー三国時代から唐・五代を中心に

薪、また出来あがったやきものの輸送に適した水運に恵まれた中国南方の浙江地域を中心に、青磁の生産が盛んになります。南北朝時代には中国国内で流行していた仏教とも関連するような蓮弁のデザインなどもうつわの形や文様に採用されたことで、南方産の青磁は華北地域でも受容されるとともに、華北でも青磁の焼造が始まり、中国陶磁史においてますます青磁の生産が本格化していきます。ここでは三国時代から唐時代(618~907)、五代(907~960)の青磁をご紹介します。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

この辺りから、中国の歴史をさらってこなかったことを後悔する。
Sは詳しかったから、居てくれたら解説してくれただろう・・・。
三国時代ってまだ日本はどんな?
元寇の頃が鎌倉時代だから、まだまだもっと昔だ。
(途中、相対年表が壁面にあって美術館の「親切」がありがたい。)

以下ネットで検索したものを掲載。
日本は、弥生時代の後半から古墳時代を経て飛鳥・奈良時代そして平安時代の初頭くらいだろうか。

https://www.eonet.ne.jp/~libell/tyuunitikan.htm


特集1
ユニークな造形・越州窯青磁のいきものたち

青磁の生産が本格化し、瞬く間に成熟した青磁を生み出した西晋(265~316)、東晋(317~420)時代に入ると、越州窯では、極めて装飾性や意匠性豊かな陶磁器がつくられます。型押し、堆塑、彫塑などの技法を駆使し、仏像、瑞鳥神獣、人物(胡人を含む)、鳥、家畜、動物、建築物の意匠が型づくりされます。それらの多くは死後の世界の豊かな生活を祈願してつくられています。それぞれの動物や人物などの意匠から、当時の人々の思想や文化交流の一端を見ていきます。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

今回、単眼鏡を借りたので(無料)、細かい部分を見ることができた。
ここでは、「青磁神亭壺 越州窯系 中国 西晋時代」がHPにも掲載されているが、単眼鏡を使って見てみたが、本当に細かく人や動物が配置されていて、どうやって作ったんだろう・・・と思う。
そしてこういう作品が今、時代を超えて目の前にあることが不思議だ。
きっとたくさんの人の手を経ながらも貴重なものとして伝えられてきたんだろう・・・。

第Ⅲ章
揺るぎない美への追求とその展開ー宋・元時代の青磁

この辺りから、いわゆる「青磁」のイメージの作品になってくる。
色も土の色から、青味を帯びたものに変化して、洗練されてきている。
日本はようやく鎌倉時代に突入。

私が思う「青磁」もこの時代以降の展示品だった。

龍泉窯(りゅうせんよう)の作品が多かった。
日本に最も多く輸入された「青磁」。


展覧会のパンフレットにも掲載されていた作品
https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/
これは想像よりずっと大きかった。
そして写真よりは青味がかって
いるように見えた


特集2 官窯 —皇帝のうつわ

宋代末期、皇帝・宮廷用のうつわの生産が、宮廷の官吏のもとで行われます。官窯の誕生です。そこでは最高級の素材、技術、職人により採算を度外視して、皇帝・宮廷が考える美が追求され、体現されました。その技術は流出しないように厳しい管理も行われています。また明時代前期(14世紀末~15世紀前半)には宮廷における陶磁器の需要を満たすために、景徳鎮官窯だけでなく、龍泉大窯でも皇帝・宮廷向けに青磁(龍泉官器)づくりが行われていたことが近年明らかにされました。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

解説の通り、「美」が追求されたことが分かる陶器だった。
第Ⅰ章の「自然釉」の素朴さはすっかりなくなり、艶やかで格調高い風情を漂わせている。

今までの流れで「青磁」の変遷と技術が進化していく過程がよく分かる展示になっている。構成を考えてくれた方のおかげだ。

第Ⅳ章
青磁の魅力とその後ー明・清時代の青磁

時代は明・清時代へ。日本は室町時代に。

元時代(1271~1368)になると青花(染付)が出現し、明時代(1368~1644)には宮廷・民間で広く青花磁が主流となります。一方で、16世紀頃までは青磁も引き続き中国国内外で嗜好され、明時代前期(14世紀末~15世紀前半)には国家間の交流における貴重品として用いられました。景徳鎮窯においても龍泉窯青磁を模倣した青磁が明・成化年間(1464~87)頃からつくられ、清時代(1644~1912)においても乾隆帝(在位期間:1735~95)などにより宋元明時代の古典の青磁の美に対する畏敬の念が表されて、新たな青磁づくりが行われました。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

この辺りで疲れてきて、記憶が曖昧。
なので作品の説明を読むのを程々にして、見るほうに集中していた。

友達とも話していたが、「心が落ち着くね」・・・

特集3 儀礼と茶の湯と青磁

17世紀頃になると同時代につくられた龍泉窯青磁は、日本にはほとんど舶来しなくなります。しかしそれまで日本に伝わっていたアンティークとしての龍泉窯青磁が将軍の御成の際における武家儀礼の飾りの道具として、また茶の湯の道具としても珍重されました。ここでは大名家や高名な茶人により嗜好・所持された青磁を取り上げながら、日本において唐物の青磁をどのように受容していたのか、その一端をご紹介します。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/


ここで特に気になったのは、
「青磁香炉 銘 白菊」(徳川美術館蔵)。
とても美しかった。

もう少し大きい「青磁香炉 銘 千鳥」(徳川美術館蔵)は展示替えで今回は展示がなく残念。
こちらは「大名物」なのだ。
本物見たいが展示期間中に行けるだろうか・・・(無理かな)
年末年始なら行けるのに残念ながら休館である。

白菊には蓋がない(でも香炉自体はそっくり)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/85763

あとはこちらが「重要文化財」

https://www.fujibi.or.jp/our-collection/profile-of-works.html?work_id=1510

この章の展示品も良かった。
ただ疲れてきており、やはり元気な時に行きたい。
じっくり見たつもりだが、もう一度見たい気もする。

今回の企画展の出品作品リスト
https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/pdf/seiji.pdf

87番の「珠光青磁茶碗」は茶の湯の開祖「村田珠光」が、上手で、きれいな砧青磁よりは、下手で、枯淡なこの類の青磁のほうが、茶には適していると愛でた茶碗だそう。

https://turuta.jp/story/archives/29430
美術館の中で見た実物は
やはり趣があった

第Ⅴ章
青磁をもとめてー高麗、日本、東南アジア

中国で創出された青磁は朝鮮半島、日本、東南アジア、また西アジアへも流通します。中国産の青磁は各地で高級なものとして愛好されますが、それを使用するだけでなく、実際に各地でそれらをベースに青磁づくりが行われます。多くの地域で憧れの中国産青磁の模倣が始まりますが、材料や自然環境の違い、そして美意識の違いから徐々に独自の青磁を生み出していきます。ここでは高麗、日本の青磁を中心に、東南アジアの青磁も含めて展観します。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

ここには朝鮮半島の作品もあったのだが、私が好きだったのはなんといっても「鍋島藩」の作品。

「日本」だなあ・・・とこう安心するような作品。
色使いや繊細さがやっぱり「日本」な気がする。

今も鍋島青磁は継承されているけれども、やっぱり昔の作品はいいなと思う。

葉書になると雰囲気が違うので今回は絵葉書を買わなかったのだけれど、今思えば買えばよかった・・・。

特集4 継承される青磁の美 —波山の青磁

我が国では近代に入り個人の美意識や考えを表現する一つの手段として陶芸の分野が深化していきますが、その礎を築いた作家の一人に板谷波山(1862 - 1963)がいます。やきもの産地の出身でない波山は、美術学校で彫刻を学び、また欧米の芸術様式の動向を注視しながら、陶芸の新たな表現を試みます。一方で日本人が愛してやまない青磁づくりにも力を注ぎます。古典を学び、その様式やフォルムを継承しながら、模倣ではない独自の表現を目指した波山の青磁は、その後の日本の陶芸にも大きな影響を及ぼしたのです。

https://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

ここには3点の作品があったのだが、どれも洗練されて美しい形と色をした作品だった。

古い時代の鍋島青磁の方が好みだが、この板谷波山の記念館も行ってみたい。


現代の作品とはいっても、
1963年に亡くなっているのでもう60年以上前の作家さんだ。

出光美術館の移転

先にも書いたが、出光美術館は再整備の為に、2025年を目処に一度閉館してしまう。

「今回の再整備にあたっては、開館以来、ご来館いただいた皆様とともに培った当館らしさは継承しつつも、心潤う都会のオアシスへと、新たな進化を目指します。芸術・文化を取り巻く社会動向が大きな転換期を迎えている今。未来の変化にもしなやかに応じる事のできる美術館として、関係各位とも協力しながら本計画に取り組んで参る所存です」(プレスリリースより抜粋)。

https://bijutsutecho.com/

なるべく、今の風情をそのまま残してもらえたらいいなと思う。

静嘉堂文庫も移転したが、今より昔の方が好きだった。

そして、出光美術館にあったいろんなチラシで見た他の美術館の企画展が多々あるけれど、すでに予定も埋まり行けそうにない。

残念。。。

これは行きたい。
なんとかどこかに組み込めないだろうか。

ともあれ、今日の出光美術館も楽しめた。

来年もまた1月から、美術館は行く予定。

楽しみである。。。

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