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北斎の天井画を観に

おととし長野県小布施町を訪れた時に知ってから、ずっと気になっていた『岩松院』。ようやく葛飾北斎が晩年に描いた天井画を観に行くことができました。

小布施駅のホームから一望できる北信五岳をしばし眺めてから改札へ。駅前では紅梅が満開です。

栗の町だけにズラリと並んだ栗菓子店の看板の向こうに左から飯綱、戸隠、黒姫、妙高、そして画面に入りきらなかった斑尾山の山なみ

この日は4月10日の水曜日。小布施の観光スポットを巡るバス『おぶせロマン号』の今シーズンの運行はあさってから開始!というわけで春の日差しを浴びながら、ぶらぶら歩いて向かいます。

通りすがりのお寺の境内で枝垂れ桜が満開!
のどかな住宅街に突然現代建築!?正体は中学校の体育館

田園風景のなかを30分ほど歩くと果樹園の先に山門が見えてきました。

こんもりと可愛らしい山を背にたたずんでいます
山門にはちょっとお茶目な仁王像が


拝観料を払うと「ちょうど解説が始まりますよ」とのこと。本堂の天井画の下に座ってお話を聞きます。

思った以上に大きなその天井画は『八方睨み鳳凰図』。畳21枚分というサイズで大迫力!これを北斎が88歳から89歳にかけて描いたというから恐るべし超人!!

ず〜っと観ていたいけど首が痛いし次の解説タイムが始まりそうなので、後ろ髪を引かれつつ隣の部屋へ退散。

このお寺は戦国武将、福島正則の菩提寺で・・と言われても知らんな〜、なんて思いながら遺品などの展示物を見ていてびっくり。

黒田家の家臣母里太兵衛が酒飲み勝負に勝って名槍『日本号』を手に入れた、その勝負の相手が福島正則だそうで。へぇ〜、わが町福岡と縁もゆかりもあるではないか!経緯は全く知りませんが「その節はどうも」という気持ちになりつつ、本堂を後にしました。

さて、裏手にある庭に回ってひっそりとした古池へ。このなんてことない池は、小林一茶が『やせ蛙まけるな一茶これにあり』の句を詠んだ場所。

今でも産卵期にはアズマヒキガエルのメスを巡る攻防戦が繰り広げられるらしい

北斎と一茶はほぼ同世代だけど、一茶は60代で亡くなっているから天井画は観てないか〜。でも江戸にいた時期もあるからどこかですれ違ったかも・・などと妄想が膨らみます。

パキッとした色と形

北斎の天井画に一茶の池、福島正則公の霊廟など見どころいっぱいの岩松院の後は、栗のスイーツでもいただくとしましょう。小布施、楽しや!


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