見出し画像

ドラマチックではなくても、僕等は真面目でクセ強だ。

志賀暁子、現在大学三年生。
大学1,2年をオンライン授業でほとんど過ごし、3年になって、ようやく対面授業へとなり、大学にほぼ毎日通うことになる。対面になってから、大学の友人達と行動を共にすることが増え、休みの日には遊ぶことも増えた。

男女混合の9人組。まあ、バラバラに行動していることも多く、集まっているメンバーの人数はその時々で違うけれど。私ともう一人以外はゼミが一緒で、私ともう一人は別々のゼミに入っている。
(ちなみに、別にゼミにも友人はもちろんいる)
それでも。
私達は仲良しだ。

皆で遊ぶために作ったグループLINEの名前は「クセ強学科」
何かと一癖も二癖もあるメンバーしかいない私達の総称は「クセ強」なのだ。

先日、皆でレンタルルームを借りて、たこ焼きパーティーをした。一日ルームを借りたので、朝8時近くから集まれるメンバーは集まって、課題をして。本当に一日中一緒にいた。
そこでの安心感と言ったら。
志賀にとってはとても心地の良いものだった。
もちろん、一日限りだから成り立つのであって、実際にシェアハウスをするのは大変に決まっているけれども、でも、それでもすごく心地良く感じた。

一日を過ごす中で、カードゲームをした。
はぁって言うゲーム、人狼(人数が少なすぎた上に、プレミが多発し一瞬で終わった)などをして、UNO。
私達がやった地獄のゲームは「ドラマチックUNO」という。
…そんなゲームが実際にあるわけではなくて、やっているうちにテンションが上がりまくって、とにかく演技がけてゲームをやった、というそれだけのことなのだが。

大袈裟に台詞を紡ぎ、勝負を進めていく。「復讐してやる…!」という宣言もむなしく、ボロボロにされていく男性陣。人にたくさんカードを引かせるだけ引かせた挙句、「あーがり!」と無邪気かつ容赦のない宣言を放つ悪魔(ちなみにこいつが私自身である)。そんな悪魔をあがらせてしまった子に注がれる険し気な目線。そんな目線に彼女が「ごめんて…💦」と謝る。で、何気にさらっと一番に上がるかわいい子。運がいい。強い。

たかだかカードゲームの話。でも、これだけの反応があって、楽し気な雰囲気があって、何時間もの時間が一瞬で消えていく。私達のあり方はなんだかクセが強い。

こうして書いているとさも遊んでいるように見えるけど、実際遊んでもいるけれど、所謂「陽キャ」なわけではない。そういう「ドラマチック」な、わざとらしい「遊びだけ」の世界線は生きていない。

私達は根本的に真面目だ。そういう彼らが好きだ。

土曜日、私達は大学の補講があって、朝一限の時間から大学にいた。出席義務はない。来れる人だけ来て、来なくても単位には影響しない。だから、多くの人が休んだ。学科のコースメンバーは全員受ける必修科目なので、本来の受講者は80人くらい。でも、補講に来たのはそのうちの10人程度。二人を除いて、残りは全員私達クセ強学科のメンバー。

私達はほぼフルメンバー。皆来るだろうなあと漠然と思っていたけれど、当然のようにそうなった。強い。なんだかんだと言いつつ、真面目に大学に来て、授業を受けようとするのが、私達クセ強学科の特徴だと思う。課題についてぼやいたり、教授に対してちょっと文句言ったり、愚痴を吐くこともあるし、疲れている時もそれぞれあるけれど、でも、根本的にはちゃんとしていて、良心的で、温かくて、優しい仲間。

私はそんな皆が大好き。

私達は三年生。
就活の話も良く出てくる。「ES書かなきゃ」なんて言葉もたまに出てくる。そういう言葉を聞くと個人的にちょっときつい。寂しくなる。
いつか、私達は卒業する。それぞれ違う会社とか、違う将来に歩いていく。
今だって、私達の内の何人かには恋人さんがいて、その人達と過ごしている時間もある。土曜日、補講の後に何人かで出かけた江の島の旅は恋人が出来るようにという祈願のための旅だった。これからまた、新しくそれぞれに大切な人も出来ていくかもしれない。恋人という存在じゃなくても、それぞれ違う領域を持っている私達には家族や友人、それ以外のいろんな関係の存在がいておかしくない。実際、私は他のメンバーとゼミが違う。ゼミの仲間が彼らにはいるけれど、私はその存在についてよくは知らない。だから、そういう可視化できていない存在は必ずそれぞれにいるのだと思う。というか、いて当然なのだ。あんなに素敵な人達なのだから。私が大好きだと思うのと同じように、彼らを好ましく思う人はきっととても多い。だから、それは当然で、必然で、当たり前のこと。

でも、寂しいのだ。
ちょっとだけ(本当のところはあえて言いたくない)寂しい。
年がら年中、一日も、一時間も欠けることなく一緒にいたいなんてことは言わないし、私は自分が束縛されるのが嫌いなので、そういう関係だったら絶対一緒にいられない。
でも、一緒にいたらやっぱり楽しいし、嬉しいし、そういう時間を大切に思っている。
ノリはいいけれど、ちゃんと羽目を外すあり方とかを心得ていて、ちゃんと気遣いが出来るそういう仲間だから、好きなのだ。愛している。
そういう彼らを美しいと思う。大袈裟じゃなく、美しく、尊いと思う。面と向かっては絶対言わない、言えないけど、本当に大好きだ。大切にすべき、美しき、愛おしき、気高い、宝石だと思う。

私の愛すべき宝石たる友人達。
どうか幸せになってほしい。たくさんの祝福が皆の人生に溢れる事を祈っている。買い出しで行ったスーパーの七夕の短冊のお願いに書くくらいには。
出来れば出来るだけ、長く仲良くしていたい。
難しいことは承知の上で、出来れば大人になっても仲良くしていたいと思っている。
いや、皆がそれを望む限りで構わないから。

ドラマチックではなくても、曖昧で、いろんな美しさを持ち合わせた、真面目な、真摯でかっこいい、本当に素敵な、そんなクセ強の皆を心から愛しているよ。
どうか、これからも仲良くしてください。

追伸。
この文章は読んでほしいような、読んでほしくないような、そんな曖昧な気持ちで書いている。だから、私の実際の友人達は読んだなら、好きなように好きなだけ反応してほしい。私に感想を言う、言わない含めて、自由にしてほしい。
…でも、たぶん言われるとすっごく恥ずかしいから、私本人じゃなくて「志賀暁子」への感想としてくれると嬉しい。

志賀暁子の中身の人間より


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?