もうすぐ課税事業者に

こんにちは。
来月からインボイス制度が始まりますね。
私は会社員でもあり法人を持つ身でもあるので、両方の立場を経験させて頂く貴重な機会に恵まれています。
最近は個人事業主の方に対してインボイス制度についてお話する機会があったので、折角なら記事にしようかなと思いました。

※あくまで税制に詳しくない人にイメージしやすさを重視してお話してた内容なので、正確性には欠ける部分もあるかもしれません。
そこだけご了承ください。

まず、インボイス制度とはそもそも何か。
インボイス制度とは、仕入税額控除の手続きに一定の項目が記載された適格請求書(インボイス)が必要になる消費税法上の制度です。
つまり、消費税に関する制度です。
さらにポイントなのが、仕入税額控除の手続きに条件が付けられたこと。
課税事業者は仮受消費税(収入に対する消費税)から仮払消費税(支出に対する消費税)を差し引いた金額が消費税納付額になります。(マイナスになれば還付)。
つまり仮払消費税が多くなる=支出が多くなれば、消費税の納付額が減り、さらには還付が受けられるようになります。
※簡易課税制度は一旦考えないことにします。
この仮受消費税から仮払消費税を差し引くことを、仕入税額控除といいます。

であれば当然、課税事業者としては仕入税額控除にどれだけ計上できるか、という点が消費税の納付において大事なポイントとなります。
上で書いた通り、仕入税額控除に金額を多く計上できれば、消費税の納付額が抑えられるからです。

が、ここにインボイス制度が関わってきます。
仕入税額控除に入れたければ、インボイスが必要だという制度に変わるのです。
つまり、仕入や販管費の支払をした時、インボイスがなければ仕入税額控除を受けられない=消費税納税額が増えるということになります。
そしてインボイスは消費税の課税事業者にしか発行できません。
そのため、免税事業者への支払については、仕入税額控除の対象とならない、ということになります。(当面は経過措置があります)

となると、免税事業者にとって不遇な制度と言われる理由が見えてきますね。
免税事業者と取引をする相手は、免税事業者への支払した金額の消費税分を仕入税額控除に入れられなくなる=取引先にとって消費税の納付額が増えるため、取引を打ち切られる可能性があります。

今回の制度策定の裏には、免税事業者の益税を狙っている思惑があるらしい…とか言われています。
今まで消費税の免税事業者であれば、受け取った消費税は納付する必要がなく、自分のキャッシュとすることができました。
インボイス制度では、この本来納付されるはずだったが納付されていない消費税を、免税事業者ではなく課税事業者に納付させる仕組みにすることで、本来納付されるはずだった消費税を納めてもらおうという狙いがあるのです。
更には、課税事業者もこういった負担は負いたくないですから、それなら取引先は課税事業者にしたい、という心理も働きます。
結果、免税事業者との契約の見直しという動きも出てきてしまいますので、免税事業者にとって不利だと言われています。

では今後免税事業者はどうすればいいのか。
ここはそれぞれの事情があるのでどうすべきか、の明言は出来ません。
言えるのは、これを機に自分のビジネスを見直す必要があるということでしょうか。
私はインボイス制度が始まる直前に独立&起業したので、この制度をうまく活用して、これからビジネスをしていこうと思えました。
でも生活がある方はそうも言ってられないかもしれません。

報酬の見直しがあったとしても、生活できる額である&契約を継続してもらえるのであれば、あえて免税事業者であり続けるのも一つの手だと私は考えています。
消費税の納付は申告手続きもいりますし、申告するまでに正確な経理処理も必要です。消費税を納付するには当然キャッシュも必要です。
今まで以上にきちんとした経理処理や知識が求められるでしょう。
事務負担という点では確実に負担が増えます。

課税事業者になることで今後も変わらないお付き合いができたり、新しいビジネス機会を得る可能性もあります。
今後長い目で見れば、課税事業者になっておく方が良いかもしれませんね。

結論、課税事業者になるかは、よく調べた上で決めましょう。
一番よくないのは、制度についてよく分からないまま言われるがままに課税事業者になってしまうことだと思います。
こういった制度をうまく使いながら、楽しくビジネスしていきましょう。

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