記事をシェア“ビワ種子の健康茶過剰摂取に注意喚起 シアン化合物で頭痛、めまいの健康被害に”

2018年6月28日 (木)
国民生活センター
その他
 国民生活センターでは、ビワの種子を使用した健康茶などを過剰に摂取しないよう注意を喚起している。ビワ、ウメ、スモモなどの種子や未熟な果実には、アミグダリンなど、体内で分解して青酸を発生するおそれがあるシアン化合物が含まれており、これを多く摂取した場合、頭痛やめまいなどの健康被害を引き起こすこともある。同センターによる調査の結果、ビワの種子を原材料とした健康茶で、飲用量やいれ方によっては健康に悪影響を及ぼす可能性があるとしている。

 果実が成熟すると通常はシアン化合物は消失し、未熟な果実なども適切に加工されることでシアン化合物は減少するため、影響は非常にわずかと考えられている。ところが、種子を乾燥させた粉末の食品などでは高濃度にシアン化合物が含まれている場合があるという。食品衛生法では、天然にシアン化合物を含有することが知られている食品及びその加工品については、青酸換算で10ppmを超えてシアン化合物が検出されるものを規制している。

 2017年にビワの種子を粉末にした食品からシアン化合物が高濃度で検出され、製品が回収される事案が複数発生。一方、アミグダリンについては、「がんに効く」などとうたわれていることがあるが、ヒトにおける安全性・有効性が否定されているばかりではなく、海外ではこれを含むサプリメントの摂取により重篤な健康被害が発生したという報告が複数件あるとしている。そこで、同センターは、ビワ、ウメ、プルーンのみを原材料とした健康食品等から、ビワ(種子もしくは葉)を原材料とした健康茶4銘柄、ウメエキス4銘柄、プルーンエキス2銘柄のシアン化合物(青酸換算)の濃度を調査した。

 その結果、ビワの種子を原材料とした健康茶3銘柄について、飲用する状態では、濃度が1.7-7.3ppmと全ての銘柄で10ppmを下回った。しかし、これらの表示には飲用量に関する目安の記載はなく、一度に多量に飲んだり、使用するティーバッグ数を増やしたり、湯の量を減らし濃くして飲むなど、飲用量やいれ方によっては健康に悪影響を与えない値を超える可能性があると指摘。ビワの種子を原材料とした健康茶等を利用する場合は、安全性について調べられていることを確認した上で、一度に多量に摂取しないように呼びかけている。

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