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千年帳「島根県『太鼓谷稲成神社』の日本で唯一の「稲成」の御朱印」を書かせていただきました

「千年帳」では、四国の職人技を集めてオーダーメイド納経帳・御朱印帳を制作・販売しています。

日本各地のライターが、自分の足で訪れた「御朱印」をご紹介。
神社や寺院の歴史を紐解きます。

私が書かせていただいたのは、「島根県『太鼓谷稲成神社』の日本で唯一の「稲成」の御朱印」です。

私の暮らしている街から車で1時間程度、津和野はどこよりも気軽に訪れられる県外の街です。
11月のお参りは、太鼓谷稲成神社に行こう。
山を越えて約20年ぶりの津和野に出かけました。
千年帳様に提案するつもりで、写真もふんだんに撮影します。

ところが、どうしても記事にできないのです。
太鼓谷稲成神社は、津和野城の一角にある殿様の祈願所でした。
千本鳥居が並ぶ「今の姿」と「過去の歴史」がどうしても結びつかない。

公式サイト、現地の掲示板、どこを探しても私の疑問を解決する情報はありません。

「これは提案できないままお蔵入りかな?」
そんな気持ちで過ごしていた時でした。

執筆は、『知の力』と『言葉の力』で伝える仕事。
ライターとしての本質的なスキルを高めることが何よりも大事。

AI時代のライター像を話されたイベントでの言葉でした。

私には『知の力』が足りないのかもしれない。
これが記事にならなくても、調べてみよう。
そう決心した私は、地元の図書館にある関連する本を片っ端から借りてきたのです。

  • 城下町のことが書かれている本

  • 稲荷信仰について書かれている本

  • 津和野の歴史について書かれている本

図書館で借りられる全ての本を持ち帰り、目を通しました。
今まで知らなかった津和野の歴史や地域のこと、稲荷信仰について、新しい知識を得たのですがやはりまだ書けそうにないのです。

「過去の歴史」と「今の姿」を結ぶ何か?
そんな時、ある記述が目に止まりました。

「鉄道の発展で、津和野に観光客が訪れた」という一文でした。
確かに津和野にはJR山口線が通っています。
山陽側と山陰側を結ぶ鉄道。

山口線のリサーチを始めると、私の疑問を解決する情報が現れました。
新山口から津和野まで鉄道が開通したのは、大正11年。
山口線が山陰本線の益田駅まで開通したのは、大正12年。
神社の公式サイトで紹介されている、北白川宮妃の参拝は大正13年。
私の仮説が裏付けされた瞬間でした。

「これなら書ける。もう一度現地へ行こう」
再度訪れた私に、神様は新しい御朱印の情報をくださいました。

これからもライターとして歩み続けるために、大切なことを教えてくれた記事です。


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