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〈サロメ〉の沼にハマった私

『お前の口に口づけしたよ、ヨカナーン』

オスカー・ワイルドが遺した作品として〈幸福な王子〉〈ドリアン・グレイの肖像〉そして戯曲〈サロメ〉が挙げられる。強烈な存在感、圧倒的なセンスで多くの人を魅了した作品は現在もなお人々を魅了する。

そして、私がその1人だ。

惹かれてやまない理由は主に2つある。
1つ目に、〈サロメ〉は一種のタブーともいうべき危うさを含んだ禁断のストーリーであるからだ。
2つ目に、〈サロメ〉の挿絵を担当した彗星のごとき天才画家オーブリー・ビアズリーの存在である。

こちらで〈サロメ〉の内容を多くは語らないが、足を踏み入れてはいけない物語にあなたは興味をもつことになるだろう。

さて、私はもっぱらここ最近オーブリー・ビアズリーで頭がいっぱいだ。白黒のペン画、圧倒的画力、恐ろしさと美しさ、稀有な天才画家だったのにも関わらず病気のため25歳と若くして亡くなる。男色家であったオスカー・ワイルドとの関係、またビアズリーの姉メイベルとの不穏な関係が噂されているが真実は誰も知る良しもない。ビアズリーの見えていた世界は一体どんな世界だったのだろう。

〈サロメ〉と私が出会ったのは、ふとAmazon primeで見ていたアニメであった。

「麗しき月よ瞳にうつす喜びよ、
汝は夜空の小さき恋、汝は銀色の花、
汝はあどけなくも冷たい、されどいまだに汚される乙女」

アニメ『MARS RED』第1話、冒頭のセリフである。
〈サロメ〉を題材にしたアニメではないが、私は〈サロメ〉に出会ったのだ。そして今は、出会うべきして出会ったのだと思う。日常の中に転がる、様々な事柄。それは人生を大きく動かす、決定的な出来事になり得るかもしれない。

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