日本vsクロアチアレビュー

三笘を活かすためのシステム案

延長後半、クロアチア相手に引き分け。このままいけばPK戦という試合展開で、森保は動かなかった。普通に考えれば、前大会準優勝でFIFAランク的にも格上のクロアチアにPK戦まで持ち込むのだから悪くはない。しかし、個人的に攻守ともに改善できそうなシステム案があったから、それを書いていく。ちなみに今日も友達と見てたから試合中にツイートとかはしてないけど、試合中から考えてたし友達には今から書く内容と同じ話をしていたから後出しじゃんけん的な感じで言ってるではないということは理解してほしい。
結論からいうと冨安を左SB、三笘・伊東の両サイドハーフ、2トップに浅野・南野を並べた4-4-2をみたかった。
この試合、カウンターから三笘が持ち運ぶシーンは何度かあったが、サイドで1対1で三笘が仕掛けられるシーンは少なかった。理由は2つあって、1つは守備の時に日本は5バックになるが、三笘はその5バックの左に入るため、そもそもの三笘のポジションが低い位置からスタートすることになるということ。2つ目は、日本の3-4-2-1のシステムだと左サイドは基本的に三笘1人しかおらず、クロアチアのシステムは4-1-4-1で三笘に対してウイング+サイドバックの2人に加えて中盤の1人がカバーに入るため1対3か、ウイングが戻れてなくても1対2なので流石にドリブル突破は難しかった。
冨安を左SBにした4バックにすれば守備の時でも三笘が高い位置を取りやすくなるし、攻撃時に冨安ももっと高い位置をとって三笘をサポート出来る。所属クラブであるアーセナルの試合を見てても、左SBに入った時の冨安はサイドに張った左ウイングの斜め後ろにポジションをとって相手のウイングを引き付けるが上手く、また左ウイングを後ろから追い越す形でも攻撃参加出来るため、三笘に1対1で仕掛けさせるor三笘と連携して2対2を作ることも可能だったはず。冨安は基本的に三笘の後ろでサポートすることになるし、タイミングを間違えなければ冨安が三笘を追い越す時はシュートor深い位置からのクロスで終われる可能性が高いため、クロアチアのカウンターへのリスクも大して変わらない。フランスvsポーランド戦のエムバペの1点目だって一瞬だけどフリーな状況を作ったからそれをしっかりエムバペが決めたわけだし、2点目だって一瞬の狭いスペースだけど1対1の状況を作ったから圧倒的な個の力を発揮したわけだから、日本も武器である三笘を活かすための状況作りが必要で、とりあえず投入して三笘ヨロシク!はあまりに無策。
また、4-4-2へのシステム変更は非保持の守備面でも改善出来ると思っていて、2トップにすることでクロアチアのCBやアンカーのブロゾビッチにプレッシャーをかけやすくなり、ディフェンスラインを上げられる。日本の失点となったブロックの外からのクロスや、そのこぼれ球からのミドルシュートによるピンチはディフェンスラインが低すぎることが要因の1つであったため、ラインを上げる事でそれらが減らせる。長友を加えた4バックだと高さのところで長友を狙われる可能性があったが、後半途中からは右から酒井・吉田・谷口・冨安で4バックを組めたので高さによるミスマッチも起こらない。唯一、ラインを上げた4バックだとCBとSBから裏に抜けてそこからクロスというモドリッチの1番得意なプレーで崩されるリスクがあるのだが、それを考慮したとしてもせめて、モドリッチが下がった延長後半からは4-4-2へのシステム変更で攻守共に改善できたと思っている。

今大会のまとめと森保の是非

日本が入ったグループは日本視点ではなく一般的に見ればスペイン&ドイツが順当に抜けるグループだったため、メディアが言っている死の組という表現は個人的間違ってると思うのだが(死の組というは一般的に決勝トーナメント進出に相応しいグループが3チーム以上ある場合に使う表現だと思ってる)、決勝トーナメントに進むのが厳しいグループではあったのでドイツ&スペインに勝ってグループリーグを突破出来たことは意外だったし興奮した。特にドイツ&スペイン戦は逆転勝ちだった事もあってめちゃくちゃ面白かった。試合中は叫びながら見てた。
正直言って捨て駒的な扱いだった前田&久保の守備は素晴らしかったし、試合によって波のある選手もいたけど大会通じてパフォーマンスが悪かった選手は1人もいなかったと思う。
森保の良かった点は、大きく2つ。1つは言わずもがな本番まで隠しながら3バックという奇策を用意して、その3バックでドイツ&スペイン相手に逆転したこと。2つ目は多少ではあるが、相手を見てシステム変更や選手投入が出来るようになったこと。ドイツ戦の左サイドバックのラウムの攻撃を封じる3バック(5バック)への変更や、スペイン戦の左サイドバックのアルバ投入に合わせて冨安を入れて右サイドの守備を強化したのがこれに当たる。
悪かった点も2つ。1つはそれでもやっぱり修正力は足りないし遅い。ドイツ戦は失点前から2回ほど同じ形で崩されていたのだから失点前に修正してほしかった。先日のレビューで書いたスペイン戦前半の意思統一やコスタリカ戦の左CBに入った伊藤の立ち位置に関して言えば、森保は結局自身の力では修正出来ていない。2つ目が致命的で、森保が就任からずっと使ってきた4バックが上手く機能した時間帯は結局のところ無かったということ。4バックで挑んだドイツ戦前半はボコボコにされたし、コスタリカ戦も上手くいっていたとは言い難い。これは4年間で使ってきた戦術は全く通用しなかったと言っても過言ではない。3バックの奇策を成功させたのはもちろん素晴らしいが、4バックの成熟度が高ければそもそもドイツ&スペイン戦で先制点を取られる展開にならなかったかもしれないし、クロアチア戦終盤に4バックにシステム変更する選択もできたかもしれない。使える選手を見極めることと相手チームを騙すことだけに4年間を費やしてしまったという印象で、この4年間にw杯で勝つための戦術的な進化って何があったの?という疑問がどうしても残る。

この理由から森保の続投は断固反対。もう少しで良いから修正力があって、選手が意思統一するための決め事を作れて、何より4年間もあるのだから少しでも戦術を成熟させてそれをw杯に活かせる監督を呼んできて欲しい。
↑そんなに難しいことは望んでないと思う。

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