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柳田国男の「木綿以前の事」を読む

柳田国男という人は約100年前の戦前の民俗学と文学の大巨人。著名人として影響力も大きかったらしい。

一番有名なのは岩手の怪談を集めて独自の語り口で書いた「遠野物語」だろう。どうしても怪談集として有名になりがちだけど、読めばわかるが日本を代表する文学作品だ。昭和の多くの文学に大きな影響を与えたのでも有名。

「木綿以前の事」は彼の評論集で、表題のエッセイも数ページの分量で、すぐ読めるが内容は濃い。昔の天才はガチ勢だと言えるだろう。

内容は簡単で木綿が日本でいつぐらいから流行したかを考察したもの。柳田の語り口はどの作品でもそうだが、文学と論説が入り混じっていて、ある意味で味わい深いが、天才過ぎて論説としては枝葉が多すぎる。真面目に読むと疲れる。なのでイージーに読むのがコツである。

木綿は江戸時代で、それ以前は麻だったようだと伝えている。気づかされるのはホコリについてだ。ホコリは木綿以前にはなかった。ホコリは今では木綿に影響を受けたポリエステルからも出るけど、昔はどうやらなかったみたいだ。

それと日本の暑さについての考察だ。とにかく湿気がすごい。熱の放散に問題ありだ。とてもじゃないが体を締めつける綿は日本の夏に不向きだという。なるほどなと思った。ユニクロの柳井に読んでもらいたいと思った。

それと綿は簡単の染められるので日本に日本独特の色合いをもたらしたという。面倒臭いのでここでは書かないが、この辺の描写は柳田の文学的なレトリックを読んで味わうところだろう。我々は日本人だなーと思うところだ。

現代では中国(ウイグル?)でせっせと綿製品を作って世界へ輸出して同じような服を着ている。日本独特のお国柄のようなものが日に日に薄まっていると思う。やはり日本の夏は麻布ではないか?どうだろうか?

おしマイケル。

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