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【TOR】デービス・シュナイダーという光明

(画像はYahoo Sportsより引用)

ワイルドカード圏内にありながら、今期のブルージェイズはどこか閉塞感がありました。投打の主力であるゲレーロとマノアがパッとしない上に、好調のビシェットまでIL入りしてしまったことも一因ですが、若手の台頭が見られていないことも大きいように感じます。
昨年はシルバースラッガー賞のカークやオールスター選出のエスピナルら若手の突き上げがありました。しかし、今期はその両者がイマイチなのもあり、野手は特にベテラン頼みという状況。彼らの大半はオフにFAであり、有望株を多く保有するBALやTBとの差は来期以降ますます大きくなってしまうのではないかと懸念してしまいます。

そうした中でマイナーからコールアップされたデービス・シュナイダーが大当たり。BOSとの3連戦では2本の本塁打を含む9安打と打ちまくりました。

これまで対BOS戦は0勝7敗とボロボロでしたが、シュナイダーの活躍もありブルージェイズはスウィープに成功。ワイルドカード争いにおいて、好調SEAとは2.5ゲーム差であり油断できない状況ですが、NYYとは4.5差、BOSとは5差と同地区のライバルに対して優位に立ちました。今回はその目覚ましい活躍を見せたシュナイダーについての投稿です。

キャリア

シュナイダーは2017年の28順目ドラフト指名の24歳。現在はドラフトは20順までしかないので、そういった意味でも珍しい選手と言えそうです。同期のドラフト1順ではピアソンが指名されました。(もう一人1順でされた選手がいたような気がしますが、きっと気のせいでしょう…。)
入団した17年はルーキーリーグながらOPS.764、四球と三振は同数とソリッドな数字を残します。しかしその後はやや伸び悩み、18年、19年もショートシーズン(この言葉も死語ですね)でのプレーとなりました。そして20年はマイナーリーグが休止となり、マイナーのキャリア前半は下位組織に留まったままでした。
しかし、コロナ明けの21年において、それほど多くない打席数ながら1A+でOPS.824とソリッドな成績を残しました。さらに22年はフルシーズン通してプレーし、1A+から一気に3Aまで昇格しました。成績も16本塁打、OPS.823と上々の数値で、オフのMLB公式有望株ランキングでもTop30入り。そして今期は87試合で21本塁打、OPS.969とさらに打ちまくりメジャーデビューとなりました。エリート街道と程遠く、マイナーリーグでもそれほど扱いの良くない立場からのし上がった苦労人タイプと言えます。

選手としての特徴

ブルージェイズの野手有望株は凄まじいパワーで長打を量産するタイプが多いですが、シュナイダーは175cmと小柄なこともあり、マイナーで長打を数多く放っている割に、打球速度が速いタイプではありません。打球方向も反対方向のホームランが多め。しかしながら、打球角度をつけて飛ばす能力に長けた打者で、フライアウトの比率が高い選手。フェンウェイパークのグリーンモンスター超えの2発を放ったのも、打球角度をしっかり上げられるシュナイダーらしい本塁打と言えます。
また、今期はK/BBの数値も1に近く選球眼にも優れています。加えて、昨年マイナーで2桁盗塁をマークしており、決して鈍足なタイプではありません。暫くは下位打線の楽な場面で打たせて良いと思いますが、将来的には上位打線向きの打者と言えそうです。
守備は2B、LFがメインで、たまに1Bや3Bを守ります。それほど肩が強いタイプでもなく、守備でバリューを出すことは難しいかもしれません。レギュラー不在の2Bで何とか及第点レベルの守備をしてくれることに期待したいです。

まとめ

オフにチャップマン、メリフィールド、キアマイヤー、ベルトがFAとなる状況下において、シュナイダーが来期のレギュラーに値する成績を残してくると、将来の見通しもぐっと明るくなります。アプローチに秀で、ソリッドな打球角度で飛ばすタイプの打者はブルージェイズにあまりいなかったので、打線に新たな風を呼び込んでくれることにも期待したいですね。

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