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【TOR】前半戦総括&後半戦展望

(トップ画像はSportsnetより引用)

随分と前回の公式から月日が経ってしまいました。駆け足になりますが、前半戦総括と後半戦の展望についてまとめました。

前半戦総括

ブルージェイズは後半戦で幸先よくARIをスウィープすることに成功。現在は53勝41敗で貯金の地区3位、ワイルドカードの2番手の位置に付けています。決して悲観するような成績ではないのですが、首位と5.5ゲーム、2位と4.5ゲーム離されていることもあり、手放しで喜べる成績に到底及ばないという状況でもあります。特に、他地区相手には46勝21敗と圧倒しているのに対して、同地区には7勝20敗と絶望的に弱いです。ア・リーグ東地区は最下位でも貯金5という異常事態となっていますが、これはひとえにブルージェイズの貢献(?)があってこそと言えます。

ここまで極端な対戦結果はなかなかお目にかかれないことでしょう…。

投打別に見ると、投手fWARは30球団中8位、野手fWARは6位と投打のバランスはよく、選手層の厚さが強みというシーズン前の予想通りではあるものの、共にもう一押しが足りない状況です。

投手陣では懸案事項だったベリオスがソリッドなイニングイーターとして復活し、菊池も制球難がかなり改善されてローテ投手に定着しました。ゴーズマンもサイヤング賞候補の一角であり、バシットも春先はやや制球難に苦しみましたが、ベテランらしくまとまった成績を残しています。
しかし、エースのマノアが大不振に陥ったのは大誤算。13先発で58回 防御率6.36 42与四球と深刻な制球難に陥り、平均イニング数も4回を割る散々な成績で、6月6日には屈辱のルーキーリーグへ降格となりました。
その後もルーキーリーグで10失点、今季は残りの大半の時間を調整に費やすことも覚悟していましたが、2Aでのマイナー2試合目に好投するとDET戦でメジャーに復帰。そこでは6回を無四球8奪三振と、久々にエースに相応しい投球を披露してくれました。後半戦の巻き返しにあたってはマノアの復調が大きなカギとなります。

救援陣は概ね順調で、抑えのロマノに加え、テオスカーのトレードで加入したスワンソンは昨年ほどの成績でないものの要所を締めています。また左腕メイザは防御率1.17と完璧な数字を残しています。昨年と比べても、マルチイニングを投げられるリチャーズが復調し、未完の大器と化していたピアソンもブルペンに定着して、選手層がかなり厚くなりました。現在はシンバー、ポップ、グリーンが故障者リスト入りしていますが、それを感じさせません。

野手ではベテラン陣がチームを牽引しています。チャップマン、メリフィールド、キアマイヤー、ベルトと2021年オフから2022年オフに敢行したベテラン選手の補強は皆成功と言えそうで、全員がFAとなるオフシーズンが心配になるくらいです。
一方で、今後数年保有できる若手選手はやや不調。ビシェットは春先から好調を維持していますが、バーショとカークはOPS.700を割っており、これではグリエルとモレノをキープしていたおいたほうが良かったのではないかと揶揄されても仕方ない状況です。
また、そのバーショとカークと似たり寄ったりのfWARに留まっているゲレーロもその期待値からすれば物足りない評価にならざるを得ません。スタッドキャストの指標ではとても優秀で、ホームダービーにも優勝して心機一転後半戦の大暴れに期待したいところです。

トレードデッドラインの動向

上記のとおり、後半戦の巻き返しにあたっては、投手であればマノア、野手であればゲレーロらの復調にかかる期待が大きいです。
オフにFAのベテランが不振により穴となっているポジションがあれば、ベテラン選手をリリースして、代わりに補強することで戦力の底上げが望めます。しかしながら、ブルージェイズはベテラン選手のリプレースによる上積みはほぼ望めません。加えて、他球団が欲しがりそうな有望株もあまりいない状況で、買い手に回って大型補強を行う蓋然性は低いと言えます。

一方で、一昨年においてパニックを放出してシンバー、ディッカーソンを、テレズを放出してリチャーズ、フランシスを獲得したトレードのように、余剰気味の戦力をトレード要員としてロスターの再構築を実施する可能性は相応にあると思われます。
特に動向が気になるのはTJから復帰する柳の扱い。TJ手術からの復帰を目指し、現在既にマイナーで3試合に先発しています。直近の登板では3Aで5回1失点と好投しています。トレードデッドラインまでにローテで故障者や不調となる選手が出てくるかにもよりますが、実績豊富で今季サラリーが20Mの柳をローテの控えに置くのは勿体ないとしか言いようがないので、先発を欲するチームにトレードする可能性はありえます。
また、チャド・グリーンも同じく7月末くらいにTJ手術から復帰の可能性があり、中継ぎもやや余剰人員気味。オプション切れのホワイトあたりは、先発デプスを欲するチームに出してあげたほうが本人にとっても良い気がします。需要がないかもしれませんが。

まとめ

7月は好調で例年通り夏場にかけてエンジンがかかってきたブルージェイズ。上位とはややゲーム差がありますが、既存戦力の復調次第で捲るチャンスは十分にあります。
今後のスケジュールにおいては、7月末よりBALとの4連戦を含む17連戦があり、ここで少しでも上位との差を縮められるかがひとつの山場です。観客動員では前年比で1試合約5,600人の大幅増となっており、ファンの熱意も高いシーズン。地区優勝争いに加わり、そして追い抜く後半戦とすることに期待です。

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