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そうだ、着物を着よう

 お正月、心機一転のまっさらで特別な一日。これまで興味はあったけどできなかった、そんなことを、ちょっとだけしてみませんか。



 そんなことを言っている当人は、新年を迎えた半日後にやっと布団からのそのそ這い出る体たらく。
 しかし!今日この日に着物を着ると決めていた私。いそいそと新年の冷気で冷え切った水道で顔を洗い、乗り遅れた2022年の生活をスタートしました。


 普段から着物を着ている私ですが、もっぱら家ではお洗濯が出来る木綿着物やアウトドアブランドが打ち出したハイテク着物ばかりに手を伸ばしがち。だって使い勝手いいんですもの。それでもやっぱり、皆さんと同じようにお正月はきっちり「お着物」を着たくなるあたり、古くからDNAに刻まれたものがあるのでしょうか。箪笥に仕舞われ置物状態だったお着物を引っ張り出し、長襦袢(ながじゅばん。スーツにおけるシャツのような存在)や角帯(かくおび。スーツにおけるベルト)なども用意して、さながら遠足前の少年のようなわくわくした気持ちで新年の準備をしていました。




 ここで我が藍色家の年末年始について触れておきましょう。昨今の事情により親戚付き合いは難しく、家には両親と私の姉、そして藍色の4人水入らずで一家団欒を楽しみます。母の作ったおせち料理と少し贅沢したお惣菜を食べながら、紅白で知らないアーティストが増えたと父と笑いあい、姉が最新情報を伝授してくれる。新年は残ったおせちと雑煮をつつきながら特番をのんびり観て、気づけば新年が終わる。そんな普通で暖かい、お気に入りの時間なのですが、別に我が家には正月に着物を着る文化はありませんでした。

 

 そう。ただ着物を着たかったから着始めたのです!突然変異ですね。これまで夏祭りも浴衣を着なかった私ですが、不意に目覚めた瞬間、気づけば着物についてネットサーフィンを始めていました。着物を着ていたら何か文句言われるかな~と心配していた家族はなんと無反応。少し悲しかったです・・・。



 特に年末年始なら着物を着ている人も多く、着る理由が明確なので外出しても恥ずかしくありません。むしろ、普段と違う自分になれたような、そんな高揚感がたまりませんでした。テレビで東京事変や他多数のアーティストの素敵な着物姿を過剰摂取した年末年始、「着てみたい」という気持ちが芽生えるのは自然なことです。やった後悔よりやらなかった後悔。新年から小さな挫折を経験する必要はありません。せっかくの正月に、せっかく興味があるのなら、是非一緒に着物で楽しく過ごしましょう。きっと新しい発見があるはずです。

紅白の椎名林檎さんに触発されて、正統派ではなく強めな着こなしになってしまった藍色


終わり

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