藍 着物なミニマリスト

着物で暮らす、多趣味なミニマリスト。 研究職で働きながら、丁寧な暮らしに挑戦中。そんな…

藍 着物なミニマリスト

着物で暮らす、多趣味なミニマリスト。 研究職で働きながら、丁寧な暮らしに挑戦中。そんな日々に感じたことを書き留めて、こつこつ文章をこしらえています。 おもなテーマ:着物、ミニマリズム

最近の記事

夏の着物の最適解

 立春もとうに過ぎ去り、夏の到来を間近に迫った今日この頃。  みなさんは、お祭りや盆踊りなど、夏の楽しみなイベントをスケジュール帳に書き込んだりされているのでしょうか。学生時代、友人と夏祭りに出掛けた折、「みんなで浴衣を着よう」という友人の提案を気恥ずかしさから断ってしまった自分が、今では着物で暮らしているなんて不思議なものです。  今日は、そんな夏にまつわる着物の話です。 夏の着物選びは難しい 着物で暮らし始めて何度目かの、散り桜を眺める時分。  少しずつ着物に慣れ

    • 正しく考えるためにはー思考の断捨離という罠ー

       「無駄な思考を省きましょう」  ミニマリズム系のインフルエンサーは、こんな主張をよくしています。心理学、哲学などの研究論文や著書からの引用、偉人の名言、はたまたご自身の経験からくるのでしょう。SNSでは、そんな主張を称賛する声のなんと多いことか。  思い悩みたくないのになぜだか考え込んでしまう。きっと、こんな風に困っている方が大勢いらっしゃるのではないかな、と感じました。そしてそんな方は、ややもするとミニマリズムに傾倒してしまい、「思考すること自体」を無駄だとみなしてし

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      • 着物はシンプルな方がいい

        前書き  「着物に興味はあるけれど、どう着こなせばいいのか分からない。だからいつまでも挑戦できない」  洋服のような流行もなければ、コーデについて解説したSNSもほぼ見かけない、着物というファッションアイテム。情報が少なすぎて、何が正解なのか分かりません。そんな着物初心者のなんと多いことか。  そんな悩みを抱いた人々に向けて、筆者の経験も交えた「着物のコーディネート」について、本日は書いていこうと思います。  さきにこの文章の結論をお伝えしておきます。ファッションは自由

        • 着物で自転車に乗るコツ

           「いや、それは無理でしょ」  着物で暮らしたいなと思っていた頃、わたしが着物に抱いていたイメージの一つが『動きづらい、活動的ではない』というものでした。しかし、今では着物を日常的に着るようになり、その印象は徐々に薄れていくことになります。着物で旅行もすれば車も運転するし、デイキャンプにも行きました。ただ、着物に慣れてきてもなお、手を出さないことがありました。それは、着物で自転車に乗ること。  だって着物を運転する姿勢がそもそも着物に合ってなさそうでしたもん。かといって、

          お洒落な人は服が少ない

           衣服とは、いったい何でしょうか。  暑さ、寒さをしのぎ快適に過ごすために必要なもの。はたまた、コンプレックスを隠し、補い、なりたい姿にしてくれる布。  つまりは道具です。掃除道具やキッチン用品と変わらない、使うための道具なのだと、ミニマリストな私は考えています(TPOに合わせるという社会的側面は、今回は触れません。他人のためではなく、自分のために心地よく暮らすことについて書いていこうと考えています)。  服をただの道具だとすると、用途ごとにひとつだけあれば十分と考える

          お洒落な人は服が少ない

          『着物を着る価値』が上昇していく理由

           本記事では「わざわざ着物を着るということ」について書いていきます。具体的には、「今後、『着物を着る』という価値は増していく」と仮定し、根拠となる推論を列挙し、そこから現代社会であえて着物を着ることについて思考を深めていく試みになります。  さきに断っておきますと、よく述べられている『伝統、職人技、愛国心、上品に見られる』などといった、さもメリットに聞こえるように曖昧な要素を羅列して、着物を着る動機付けを図る内容にはしていません。そんなシャンプーだかボディソープだかわかんな

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          『着物を着る価値』が上昇していく理由

          ミニマリストが感じた時短家電のデメリット

           「時短家電は、暮らしを無機質に、そして複雑にしてしまう」  ミニマリズムにおいて、時間というものには『豊かさ』というキーワードが密接に関係しています。それはつまり、ミニマリストは『時間の質』を重視するということでしょう。しかし昨今、無駄な時間は省き、タイパ(タイムパフォーマンスの略。費やした時間に対する成果の尺度を表す言葉)を追求すること、つまり『時間の量』を重視する傾向が強まっているように感じます。この文脈にのっとれば、「時間を生み出す」時短家電はそれを助長してしまうで

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          着物に革靴を合わせてみる

           「和服には必ず草履を履かなきゃいけないの?」と問われれば、「いいえ、靴を履いてもいいんです。特に革靴は、着物の足元に合わせると格好いいですよ」とお答えするでしょう。しかし、革靴なら何でも格好良くなるわけではありません。  そこで本日は、着物生活6年目の筆者が考える、着物に合わせるべき革靴の特徴と着こなし方ついて考察していきます。これを読めば、着物に適した革靴選びができるようになります。そして、着物×革靴のコーディネートを楽しめるようになれます。お手持ちの靴を活かすコツにつ

          着物に革靴を合わせてみる

          着物で悪目立ちしない方法

           「着物を着たい。でも街中で浮きたくはない」  着物が気になっているものの、ここで立ち止まり、あきらめる方も多いのではないでしょうか。わたしも常々、『悪目立ちしない』ように服を着ているので、気持ちはよく分かります…。  しかし、今では着物生活年6目。自転車に乗ってスーパーに行きますし、英会話や映画館も着物で行きます(通勤時は洋服です。制服に着替えるロッカールームの床が汚いので、着脱で着物を汚したくないから…)。  そんな風に着物で暮らす中で、視線を感じたことは数知れず。

          着物で悪目立ちしない方法

          ミニマリストと実家の部屋

           それは、実家で暮らしていた頃の話。  ミニマリズムを暮らしに取り入れ、その余白と身軽さに心地よさを感じている自分が、過去の自分の集積と対峙した話です。  とある連休の初日。「せっかくの休み。読書や映画、英語の勉強、おでかけと有意義に使うぞ~」とるんるんしていたのも束の間。ふと、こどもの頃の部屋(現在は家族全員の物置部屋と化した)を片付けたいという衝動に駆られました。  ミニマリストにとって、部屋の片付けはお金をかけず楽しめる一種の遊びです。自分の居住空間は全て整えてし

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          正絹着物は自浄作用があるって本当?

           シルクには自浄作用がある。  この『自浄作用』という言葉、初めて着物を買った古着屋のおじさんから教えてもらいましたし、シルク製品の紹介サイトでも見かけます。洋服を着ていた頃は絹製の服なんて着なかったものですから、「美しい艶や柔らかな手触りだけじゃなく、そんな機能性も備わっているなんて!」と驚きつつ素直に喜んでいました。  着た後に必ずクリーニングに出さないといけない衣服は出費がかさみますし、面倒くさいとも思っていたので、自浄作用がある=クリーニングも不要という可能性は、

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          ミニマリストが着物を着る理由

           「なんで着物着てるの?」  お会いした方の9.5割はそうおっしゃいます。別に茶道の家元の家系でもなければ、落語家でもありません。何故と聞かれれば、着物が好きだから、と答えます。  今回は、着物生活6年目の私が、「着物を着てみたい。普段から着物で生活してみたい」「でも洋服と違って情報も少ないし、あと一歩が踏み出せない」という男性に、着物の魅力を私の経験談を交えてお伝えしていきます。着物に興味のある方の背中をほんの少しだけ押せるような、そんなお話です。 着物との出会い 私

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          もったいなくて使えない、はもったいない

           「いいものを買ったほうが結果的にコスパがいい」。そう思って買ってはみたけれど、もったいなくて使えない、なんてことは、よく起こります。  今回は、ものを大切にするあまり使えなくなってしまう現象について、お気に入りしか持たないミニマリストの視点からお話していきます。  お気に入りのものだけに囲まれて暮らす。そんな生活に、ずっと憧れていました。  朝起きて最初に確認する時計、洗った顔を拭くタオル、白湯をいれるケトルや湯呑、袖を通す衣服。目に、手に触れるすべてが素敵なもの。い

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          のんびりおうち時間 着物を添えて

          年に一度の静かな時間。私も満喫しています。 朝はタイマーをかけておいた暖房の風の音で目を覚まします。 まだ冷えた空気、でもカーテンの隙間からは柔らかな光がかすかに見える。布団の中から頑張って手を伸ばし、カーテンを開けます。 しばし休憩。皮膚に日の光がしっかり染み込んでいくまで目を瞑ります。二度寝じゃないですよ。 体が目覚める合図はトイレに行きたくなる感覚。もう部屋も暖まったし、えいやと布団から飛び出るのです。 最近は朝も昼も食事はしません。一日の始まりは一杯の白湯。

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          そうだ、着物を着よう

           お正月、心機一転のまっさらで特別な一日。これまで興味はあったけどできなかった、そんなことを、ちょっとだけしてみませんか。  そんなことを言っている当人は、新年を迎えた半日後にやっと布団からのそのそ這い出る体たらく。  しかし!今日この日に着物を着ると決めていた私。いそいそと新年の冷気で冷え切った水道で顔を洗い、乗り遅れた2022年の生活をスタートしました。  普段から着物を着ている私ですが、もっぱら家ではお洗濯が出来る木綿着物やアウトドアブランドが打ち出したハイテク着物

          そうだ、着物を着よう

          東京事変と初詣、そして着物

           紅白歌合戦の東京事変のパフォーマンスは、皆さんご覧になりましたか?私は林檎嬢の美声と粋な着物姿にすっかり痺れてしまいました。現在も麻痺状態です・・・。    そこでふと思ったんです。私のように事変のステージに心奪われた人は大勢いて、中には着物を着てみたくなった方もいらっしゃるのではないかと。世はお正月ムード、着物を着るにはちょうどいい雰囲気ですしね。  そこで、「初詣に着物で行きたい」、「だけど行く気なんてなかったから、何も準備してない」なんて方々のために、今からでも間に

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