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卒業式に思うこと、その2

先日長男の日本語学校卒業にあたり、少し私の気持ちをここで聞いていただいたのですが、これはその話のspin-offです。

よかったら是非こちらも。

子供達が日本語を学習していく中で、日本語を母国語とする私には目から鱗、みたいな事を何度か子供達に気付かされました。

外国人のお笑いジェイソンが言ってました。漢字の一と十は分かるけど何故百は1の日なの〜?みたいなこと。
ちょっと違うかな?でも言われて確かにと思ってしまう今更の気づきです。

その一つに「しか」の使い方があります。

しかといっても動物の鹿ではありません。これだけしかのしかです。オンリーです。これ、皆さん意識して使ってないと思うのですが、実はすっごく癖のある使い方なんです。

類似語に「だけ」ってありますよね。一個だけとか
りんごだけとか。複数の中で一定のものを限定する時に使う正に英語で言うところのオンリーです。

でも「だけ」はシンプルに使います。例えば

一個だけ見つかった。

とか

1人だけ残った。

など。でもしかは

一個しかない。

とか

1人しか残らなかった。

と否定文にしないといけないんです。実際直訳すると

I have only one.

Only one person stayed.

てな感じで否定文にはならないので、この「しか」が身についてない子供達には訳がわからない。これ意外と難しくて、説明するとその場では子供達も何となくは分かってくれるし、教科書に載っていれば意味は通じます。でも実際に使おうとすると、

お腹空いてなくて半分しか食べたよ。

あれ変だぞ!私の反応を見て気づいた長男慌てて言い換えます。

お腹空いてなくて半分だけ食べたよ。汗

結局しかをことごとく使わないことで私からの指摘を免れてきたのですが。

卒業式の挨拶では何と正しく使うことができたのでした。ステージの上で堂々と挨拶する長男。それだけでも胸がいっぱいなのに、彼の言葉に私は人知れずとても感動していたのでした。

正しく使われた「しか」。

長い間教えてくださった先生方や一緒に学んだ同級生には今感謝の気持ちしかありません。

立派です。正解です。やればなすです。もう私は感無量。ということで、ありきたりかもしれない彼の短い挨拶は私の心をギュッと掴み、忘れられないものになりました。ここまで来るの大変だったなあ。。。涙




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