見出し画像

Good Omensの補足と解説をする#8

こんにちは!
今回は2話の終わりと3話始めあたりの補足と解説をしていきたいと思います。

ベロシペード

アナセマを家まで送ったあと、アジラフェルが自転車のことをベロシペードという、自転車の祖先にあたる乗り物の名前を言います。
スマホをショルダーフォンやポケベル、ガラケーと言うのと同じ感じです。
そこですかさずクロウリーが「自転車だ。」と訂正します。
字幕では「ごく普通の自転車だ」「そうだな」となっていたのですが、
貴重なコントシーンだと思ったので紹介しました。
何千年と生きていますから、時代に追いつけなくても仕方ないですよね。
天使ならではのセリフでした。

ビバップ

the Velvet Undergroundのことをビバップと表現したアジラフェル。
それに対して後にクロウリーが
You know, if you lined up everyone in the whole world and asked them to describe the Velvet Underground, nobody at all would say "bebop".
なぁ、もし世界中の人間を一列に並べて彼らにヴェルヴェット・アンダーグラウンドの説明を頼んだとしても、誰一人としてビバップと答えるやつはいないぞ。
字幕では、「1つ言いたい」「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲をビバップと言う奴はいない」とシンプルでしたが、
クロウリーが、ただただ「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを普通ビバップとは言わない」というわけではなく、「世界中の人間に説明を頼んでも誰もビバップとは言わないぞ」というちょっと皮肉めいた表現をしているところがなんだか好きだったので、紹介しました。
それから、このセリフには人間に説明を「頼んだら」とあります。
説明「させたら」などのように、make someone doなどの、やらせる、させるなどの使役動詞を使わずに、ask someone to doという、
~することを頼むという表現を使っているのです。
仮定の中ですらわざわざ頼む、丁寧なクロウリー。優しさがチラ見えするセリフです。

じゃあ気をつけて

アグネスナッターの本を見つけたアジラフェルが書店に入りながらクロウリーに言った最後のセリフです。
Mind how you go.
じゃあ気をつけて。
字幕では「じゃあ」となっていましたが、気を付けての部分が大事だと思ったので紹介しました。アグネス・ナッターの本に気を取られながらもクロウリーを気にかけるような挨拶をしてったアジラフェル。これじゃあ様子がおかしくてもまぁいっかってなりますよね。

僕たちは友達だ

アグネス・ナッターの預言書を読んでいる最中にクロウリーから電話がかかってきた時にアジラフェルが言ったセリフです。
Any news? Found the missing Antichrist yet?
何かニュースはないか?反キリストはもう見つかったか?
No. No news.
いや、ニュースはない。
Nothing. Nothing at all.
何も。何もない。
If I had anything, I would tell you, obviously.
もし何かあったら僕は君に言うよ。当然だ。
Immediately. We're friends.
すぐにね。僕たちは友達だ。
Why would you even ask?
なぜ聞くんだ?(聞く必要なんてないだろ?)
Oh, there's no news here either.
こっちもニュースはない。
Call me if you find anything.
もし何か見つけたら電話してくれ。
Absolutely. Why would you think I wouldn't?
絶対にするよ。なぜしないと思った?

字幕ではこの「僕たちは友達だ」のセリフが省かれていたので紹介しました。
最初僕は協力できないとか、僕たちは天使と悪魔なんだとか言っていたのに、ここでさらっと僕たちは友達だと言うアジラフェル。
天使と悪魔という立場を気にしていたアジラフェルだからこそこのセリフがなんだか嬉しいですよね。

2話の補足と解説はこれで終わります。
ここからは3話に入ります。

悪魔よりひどい

3話冒頭、神が人類を嵐で一掃するという情報をアジラフェルから聞いたクロウリー。ノアの家族以外無事では済まないと聞き、
Not the kids? You can't kill kids.
子供は殺さないよな?君は子供を殺せない。
とクロウリーはアジラフェルに聞きます。
黙ってうなずくアジラフェル。
子供は殺さないよな?という質問に対して日本語だとここでうなずくと殺さないという意味になりますが、英語だと殺すの意味になります。
Don't you like sushi?
寿司は好きじゃない?
などの質問も同様です。
英語の場合好きと答えたい場合はYes、好きじゃないと答えたいときはNoです。Don't you~とDo you~は同じなのです。
なので、Not the kids?の質問も、Yesは殺すの意味になります。だから、うなずくアジラフェルをみてクロウリーは子供まで殺すなんてとショックを受けます。
そして、
Well, that's more the kind of thing you'd expect my lot to do.
君が僕ら悪魔に期待する種類のものよりも上手(うわて)だな。
と言います。
やんわりと悪魔のやることよりひどいな。と言っています。
字幕では「悪魔のやることだ」となっていましたが、正確には、吹替でも言われていたように悪魔でもしないぞ。ということをクロウリーは言っています。悪魔のやることだ。は、この流れで悪魔のクロウリーが言うにはちょっと変ですよね。
クロウリーの「君は子供を殺せない。」というセリフも省かれていたので紹介しました。
クロウリーはこの時既にアジラフェルが自分と似たような、モラルや人間に近い感覚を持っていることを確信しているようですね。
自分と同じように君も子供を殺せないだろ。と。
人間に炎の剣渡しちゃってますからね。イブの妊娠のことも気にかけてたことからのセリフですかね。
あ、アジラフェルが炎の剣を人間に渡しちゃった話を聞いたクロウリーのあの表情は、初めて自分と似た存在を見つけたことによる嬉しさも含まれていたのかもしれませんね。
それにしてもBC3004で既に人間の子供の死に抵抗があるクロウリー、悪魔なのに人間に近い感覚を持ってるのいいですよね。

再会が嬉しそうなアジラフェル

ローマでアジラフェルがクロウリーを見つけたときに言ったセリフがこちら
Well, fancy running into you here.
おや、ここで偶然にも君に会えるだなんて驚きだ。
running intoは良い意味で偶然会う、ばったり出くわす。という意味です。
会いたい人に会えた時などに使う言葉で、会いたくなかった人にはあまり使いません。先生とか親とかに、会いたくない状況で会ってしまったみたいなニュアンスではなく、逆に、好きな人に偶然会えたとか、親友とばったり会えて嬉しいみたいなニュアンスがあります。
また、英語のファンシーは、日本人がファンシーと聞いてイメージするものとはちょっと違います。
今回のファンシーは、驚いたときに使うファンシーですが、
他にも豪華、ゴージャスな、派手な、という意味だったり、
want toやlikeなどの、~が好き、~が欲しい、~がしたいなどの代わりに使われたりもします。
例えば、
I fancy him.
彼が好き、気になっている。
I fancy hot chocolate.
ココアが飲みたい。ココアの気分だ。
Do you fancy a drink this evening?
今晩一杯どう?
みたいな感じです。便利なのでぜひ覚えておきましょう。
字幕では「こんなところで会えるとは奇遇だな」となっていましたが、
もうちょっと嬉しさを表しているセリフです。
あー、アジラフェル、クロウリーに会えて嬉しいんだなーってなるセリフなのです。そしてアジラフェルから乾杯したり、オイスター料理に誘おうとするあたり、クロウリーに久しぶりに会えて本当に嬉しいんだなーって思います。嬉しそうなアジラフェル、かわいいですよね!

対照的になんだかイライラしているように見えるクロウリーは、おそらくこの時誘惑していた相手が悪かったからではないかと思います。おそらく。
誰を誘惑していたか、またアジラフェルがこの時誰に関わっていたかは、脚本に書かれていました。販売されている本の内容を無断で公開するのはまずいと思うので、詳しいことは言えません。知りたい方はぜひ脚本を買ってみてください。

今回はこれで終わろうと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
ぶる~ぬでした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?