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【悪夢】ナイトレイド

怪談朗読を聞きながら寝ていた時に見た悪夢の話。

夢の中の私は嫌な雰囲気が漂う街に居た。
悪霊か化け物が徘徊していると思われるような感じだろうか。
少し歩いて様子を伺うことにした。

視界に小さなビルが入ってきた。
入口には厳重に鍵がかけられていたが、どうもこの中で何か事件があったようだ。

扉の奥からどんよりした嫌な空気が流れ出ていた。
何か・・・あったな。
さて、私はどうした方がいい?

このまま知らないふりをして別の場所へ移動するか。
それとも何とかしてビルの中に潜入して様子を探るか。

・・・目を閉じて自分の心に浮かんだものを信じてみるか。

何となく入った方がいいような気がする。
誰かが私を呼んでいるような、助けを求めているような心の声が聞こえた気がした。
私は自分の直感に従うことに決めて、扉に手をかける。

やはり、鍵がかけられており開かない。

いけないのは分かっていたが、持っていた日本刀でガラスをたたき割った。

ガシャーン!

あっさりと扉のガラスは割れてくれた。
不思議なことにガラス片は私を避けていった。

慎重に中に入ると、照明が消えていたことで中は薄暗かったものの、誰かの姿を確認する。

誰かが床に寝そべっているようだ。
いや、違う。
倒れているんだ。

近寄ってみると、倒れていたのは若い女性だった。
女性の頭に手を置いてみると・・・その女性が気絶する前の記憶を読み取ることが出来た。

私の頭に流れ込んできたイメージは化け物の姿だった。
化け物がビルの中で暴れ回って中に居た人達を襲ったようだ。
女性も襲われて気を失ってしまったのだろう。

しばらくすると女性が目を覚ました。
私の顔を見るなり涙をポロポロこぼしながら助けを求めてきた。

「化け物が出たんです!助けてください!」


私は少し困惑した。
何が起こったのかまだ把握していない。
肝心の化け物の姿も見えない。

女性に何があったのか尋ねてみる。
どうやら、仕事中に大きな物音が聞こえて化け物が現れたらしい。
バッタバッタと仕事中の人々を倒していって女性も殴られてしまったが、幸いにも攻撃を受けた場所が背中だったことで命に別状はなかった。
あまりの痛さに気を失って倒れていた間のことは分からないという・・・。

無事な人が他に居ないか聞いてみるが、女性は首を横に振るばかりだ。
私は女性を連れてビルの中を探索することにした。

ゆっくり歩いて行くが、何も見つからない。

妙だな、化け物に襲われて気絶している人や倒されてしまった人の姿がないのはおかしい。

これは一体どういうことなんだ?

しばらくすると女性に異変が起きる。
急に苦しみ出してまた倒れてしまった。

私は嫌な予感がした。
まさか、化け物の居場所はこの女性の中なのか?

女性のスーツがビリビリと裂かれると同時に体が全身毛むくじゃらに変わっていったではないか!

化け物は女性に憑りついて一体化していたようだ!

ゆっくりと体を起こした化け物は私をじろじろと眺めている。
私は後ずさりして警戒する。
日本刀を握りしめて身構えるが、相手の動きが分からないことでこちらから仕掛けることも出来ない。

化け物は徐々に距離を縮めてくる。
私も距離を取る。
相手が動いてきた時を狙って反撃するか。

化け物は近づいてくるものの、攻撃してくる気配がない。
私はこちらから動くしかないと覚悟を決める。

バッと日本刀を振り上げて斬りかかる!
化け物の肩にヒットするが、化け物は反撃してこなかった。

抵抗ひとつしてこない化け物相手に戦う気力を失ってしまった私は日本刀を収めてビルから去って行った。

なぜ、あの化け物は襲ってこなかったんだ?
私が武器を持っていたからか?
それとも別の意図があったからだろうか?

しばらく薄暗い街を歩いていると、大きな爆発音が響いてきた!

音の方角を確認すると先程のビルではないか。
急いでビルに戻る。

中に入ると先程とは違うタイプの別の化け物が居た。
逆にさっきの化け物の姿はどこにもなかった。

目の前にいる新たな化け物は襲い掛かる気満々のようだ。
こちらに猛突撃をしてきた。
私は再び日本刀を構える。

化け物の鋭い爪を刀で防ぎ、私も化け物の体に刀で斬りつける。
どんなに化け物を斬っても全然ダメージが入っていないようだ。
かなりの防御力を持っているのか、回復力が異様に高いのか。

斬っても斬ってもうんともすんとも言わずに襲い来る化け物に私の体力は段々失われて行った・・・。
このままでは力尽きてやられてしまう。

その瞬間のことだった。

急に化け物が悲鳴をあげて倒れてしまった。
化け物を背後から切り捨てた人が居た。

長身の男剣士だった。
彼の身長より大きな大剣を軽く振り回している。
この男剣士はどこかで見たことがある。

以前見た夢に出てきたあの護衛剣士だろうか。

男剣士は私の顔を見るなりどこかへ走って行ってしまった。
一瞬の出来事で助けてくれたお礼を言えなかった。

彼が居なければ私は倒されていた。
それにしても、彼は一体何者なのか。
どこからやってきてどこへ行くのだろう。

・・・本当に謎の多い人物だ。

気がついたら場面は変わっていた。
私は船に乗っていた。
船上パーティのようなものに参加していた。

テーブルに運ばれてくる料理を堪能しつつ、化け物のことや私を助けてくれた男剣士のことを考えていた。
私も、彼のように強くなりたい・・・。

いつの間にか目が覚めていた。
夢の中で再会できるとは思っていなかった。
何を考えているのか分からない謎多き男剣士。

次はどの夢でどんな形で出会えるのか、少し楽しみが増えたかもしれない。


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