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輝ける場所を切り開く人

 友人知人でない限り、同じ演奏家のクラシックの演奏会を2度聴きに行くことってなかなかないです。でも今日は行きました。ハープのグザヴィエ・ドゥ・メストレ、そしてカスタネットのルセロ・テナ。

 ずいぶん前に「人が来られなくなってしまったチケットがある」と友人に呼ばれてN響の定期公演に行ったときに、初めてメストレを目にしました。(演目が「ハープ協奏曲」だったんです。)彼は、美しい装飾のついた豪華なハープにも負けず劣らずの、イケメン!!そして金糸で紡がれた刺繍のように繊細に表現し、きらめく音色を奏でるのです。今までに見たオーケストラの公演のなかで一番興奮したかもしれない・・・一回聴いただけで、すっかりファンになってしまいました。

 さて、今日の演目は、すべてスペイン作品。わたしは外国にはどこにも行ったことがないけど、音楽にはその国柄というか、空気が入っているように感じます。今日のスペインの音楽は、情熱的でロマンチックでした。しなやかなハープの響きの中にカスタネットの音が混ざると、音楽はもっといきいきとして、エネルギーがほとばしり、活を入れられているような気分になりました。

 それにしてもびっくりしたのは、プログラムをよく読んでみると、演奏された曲の大半はメストレ自身が編曲したものだったことです。気に入った曲をハープとカスタネットのために作りかえて、それを演奏していたんですね。彼のキラキラ輝く高音がいっぱい聴けるのは、自分でそういう風に編曲したからだったんだ!

 気に入った曲を選び、自分らしい表現の魅力を最大限に引き出せるアレンジをして、聴く人に届けようとしているの、すごくかっこいい!!今日聴いたなかではグラナドスの「詩的なワルツ集」というのが気に入りました。これは原曲はピアノなので、今度楽譜をさがしてみようっと。

 メストレは、持っているテクニックが素晴らしいだけじゃなくて、自分が輝ける場所を、自ら切り開いている人・・・!良い刺激をもらった演奏会でした。

あっ、今日の公演は、来月末あたりにBSで放送されるらしいです!忘れていなかったらお知らせします。


#日記 #音楽 #エッセイ