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映画 ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス

最大の脅威、それはドクター・ストレンジ。

傲慢、嫉妬、そして後悔…。

大いなる犠牲。

“なにか”を守るためには“なにか”を犠牲にしなければいけないのか?

自分を信じろ。

“愛してる、すべての宇宙で君を愛してる”はロマンチックすぎ!(笑)

数々のホラー映画、“スパイダーマン(サム・ライミ版3部作)”などで知られるサム・ライミ監督が描くドクター・ストレンジ第2作目、通称“MoM(マルチバース・オブ・マッドネス)”

“MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)”第28作目の作品。

脚本を担当したのは急上昇中の女性脚本家“ジェイド・バートレット”とドラマ“ロキ”の“マイケル・ウォルドロン”、“Multiverse of Madness”など壮大な世界観を彩る音楽を“ダニー・エルフマン”が作曲。

前作“ドクター・ストレンジ”を担当した“スコット・デリクソン監督”が続投するはずだったが、“創造上の相違”との理由でサム・ライミ監督が引き継ぐことに。

デリクソン監督と“ケヴィン・ファイギ”率いるマーベル・スタジオサイドとの間で描きたいもの、作品に対する考え方などなにかすれ違ったのかも知れない。

デリクソン監督は“監督としては”降板したが、クレジットに製作総指揮としてその名が刻まれている。

本国アメリカより日本での公開の方が数日早く、2022年5月4日公開、アメリカでの公開は2022年5月6日。

イギリス・イングランドでのロックダウンによる撮影ストップなどコロナの影響を大きく受けた作品で、当初の公開予定日から延期に次ぐ延期で大幅に遅れての公開となった。

“ユニバースとは?”

“マルチバースとは?”

“非常に謎なまま”だったマルチバースがこの作品では少し詳細に描かれる(2023年現在ではかなり多くのことが判明してるが!)

“スパイダーマン”、“マイティ・ソー”、“アベンジャーズ”など多くのマーベル作品に登場する人気キャラクター“ドクター・ストレンジ(スティーヴン・ストレンジ)”を演じるのは正真正銘の貴公子で世界を代表するセクシー俳優“ベネディクト・カンバーバッチ”大先生!

大先生は本作で複数のストレンジを演じているが(別次元の自分)、“スティーヴン・スピルバーグ監督”が“フェラーリのようだ”と絶賛したその演技力で同一人物でありながらまったく異なるキャラクターを見事に演じきっている。

大先生は映画“クーリエ:最高機密の運び屋”の頃から特に大好きで。

スピルバーグ監督がいう“フェラーリのようだ=様々な要求に応えてくれる”、役者魂というか、それをクーリエでとても強く感じたんですよね。

“パワー・オブ・ザ・ドッグ”でも同じく…。

“無限の可能性が存在する、禁断の世界(マルチバース)が開かれる”

サム・ライミ監督が自由奔放に?描いたドクター・ストレンジは監督が得意なダークでホラーな要素をふんだんに取り入れた“革新的な古典的ヒーロー像”でとにかく泣けて、とにかくキュンとさせられる!

“禁断の世界(マルチバース)が、開かれる”

“スティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)”、彼は元天才外科医。

交通事故で医師としての道を閉ざされた彼は魔術師たちの聖地“カマー・タージ”に一縷の希望を求める。

その地で彼は魔術、新たな自分と出会い、修行を積み“至高の魔術師”として生まれ変わる。

“アベンジャーズ”の一人として世界を救った彼はいまや誰もが知る存在。

そんな彼が近頃見る“ある夢”、それは魔物に追われるポニーテール姿の自分と一人の少女。

“すべては運命の導くままに…”

かつて愛し合っていた“クリスティーン・パーマー(レイチェル・マクアダムス)”、彼女は自分のファンと結婚することを決める。

二人の結婚式に出席した彼は夢の中の少女“アメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)”を怪物から救い、マルチバースの世界に飛び込むことに。

“ワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)”、彼女もまた、アベンジャーズのメンバーで魔術の使い手。

彼女はもう…かつてのワンダではない。

“ダークホールド”、禁断の闇の魔術書。

ルーン文字、ドリームウォーク…ダークホールドを手にしたワンダは闇に堕ち、“スカーレット・ウィッチ(魔女)”としてストレンジたちの前に立ちはだかる。

チャベスをニューヨークで襲った一つ目の怪物“ガルガントス(シュマゴラス)”もワンダが差し向けた刺客。

チャベスは現在の世界から別の世界へ、マルチバース間を移動する特殊能力をもつ。

いまはまだ、自分でその力をコントロールすることが出来ないが…。

彼女は“ディフェンダー・ストレンジ(守る者)”と共に“ギャップ・ジャンクション(宇宙同士の接合点、宇宙同士が繋がる場所)”でダークホールドに対抗できる光の魔術書“ヴィシャンティの書”を探していた。

ストレンジが“この世界”で見た夢、それはギャップ・ジャンクションでヴィシャンティの書を探す二人の姿だった。

守護者はマルチバースを守るため、チャベスを犠牲にしようとする。

だが、みずからの過ちを悟った彼はチャベスを“この世界”に逃し命を落とす。

偶然か必然か…“この世界”に逃れてきたチャベスはクリスティーンたちを祝福すべく結婚式に訪れていた“この世界”のストレンジと出会ったのだ。

夢を歩く…魔女と化したワンダは双子の息子、彼らとの幸せな日々を奪った“この絶望でしかない世界”から別世界を目指す。

ワンダが別世界へ旅立つにはチャベスがもつ能力が必要。

チャベスを狙うワンダを迎え撃つべく、現“ソーサラー・スプリーム(至高の魔術師)”の“ウォン(ベネディクト・ウォン)”の呼びかけでカマー・タージにはロンドンなど世界各地から指折りのマスターたちが集められる。

“スカーレット・ウィッチによるカマー・タージ襲撃、陥落…”

ストレンジはじめ魔術師たちは総力を結集、シールドを展開し応戦するが、ダークホールドの力を得たスカーレット・ウィッチの強大な力の前に敗れる。

ワンダがチャベスの力を奪おうとしたその瞬間、マルチバースの扉が開かれ、ストレンジとチャベスは別世界へ。

みずからを守るため、恐怖が引き金となりチャベスの能力が発動したのだ。

このスカーレット・ウィッチによるカマー・タージ襲撃のシーンは個人的にお気に入りのキャラクター“リントラ(緑色の水牛のような姿のキャラ、優しくて穏やかな性格)”もいて好き!

開かれた“ポータル(別宇宙への扉)”、“73の宇宙(ユニバース)”

マルチバースの渦に呑まれた二人は二次元など様々なユニバースを飛び越え、“アース616(元の世界、MCU)”から“アース838”の世界(ユニバース、宇宙)へ。

“赤は進め”

そこは花に彩られた別世界にある不思議なニューヨーク。

この世界にドクター・ストレンジはもういない。

アベンジャーズも存在せず、代わりに“イルミナティ”と呼ばれる世界を守る特別チームがいる。

“スプリーム・ストレンジ”、彼は至高の魔術師として、“サノス”を倒したスーパーヒーローとして、この世界で誰もが知る英雄として祭り上げられている。

二人を出迎えたのは元の世界で袂を分かった“モルド(キウェテル・イジョフォー)”、魔術師を狩る者。

スプリーム・ストレンジの跡を継いだ彼は“この世界”ではマスターであり、至高の魔術師。

“この世界”の彼は性格も穏やかで誠実…なフリをしていただけ!

“バロン・モルド”は二人を罠に嵌め、イルミナティへと連行する。

ウルトロン(ウルトラマンチックなロボット)たちが守るイルミナティ本部。

そこにいたのはイルミナティで研究者として働くクリスティーンとイルミナティのスーパーヒーローたち。

“最大の脅威、それはドクター・ストレンジ”

ストレンジはこの世界のドクター・ストレンジ、スプリーム・ストレンジの真実を聞かされる。

彼はサノスとの戦いの過程で死んだのではなく、サノスを倒したあと、仲間の手によって粛清という形でこの世を去っていた。

スプリーム・ストレンジはサノスを倒す方法を探るためダークホールドの力を使い、“インカージョン(ユニバース同士の衝突、別宇宙を消滅させてしまった)”を引き起こしてしまう。

最終的にスプリーム・ストレンジがサノスを倒したのはヴィシャンティの書の力だが、ダークホールドを使用して別宇宙を消し去った事実をモルドがイルミナティの他のメンバーに知らせ、サノス討伐後に罰を受けたのだ。

“人々には唯一無二の希望、絶対的なヒーローが必要”

イルミナティはスプリーム・ストレンジを英雄として祭り上げ、真実を隠蔽した。

この真相の裏にはモルドの暗躍がある。

みずからの野望、欲望を現実のものとするため、モルドはスプリーム・ストレンジが“間違い”を犯すよう囁き、“間違い”を犯したあと告げ口した。

元の世界ではウォンとワンダの闘いが続いている。

“これは私の役目(運命)だ”

仲間の“サラ(シェイラ・アティム)”の死と引き換えにダークホールドは消滅、ワンダはドリームウォークで他の世界を覗けなくなる。

だが…“ダークホールドの原典”はまだこの世に存在している。

隠されし魔境“ワンダゴア山”、邪神により闇の力が生み出されし場所。

そこに行けばまた、禁断の力を思いのままに…。

ワンダは仲間の命をウォンに突きつけ、隠されし地へとたどり着く。

ワンダはドリームウォークの力を使い、別世界の自分を操りイルミナティ本部を襲撃、アベンジャーズとは別のスーパーヒーローチームVSスカーレット・ウィッチの激闘がはじまる。

先鋒はマーベル・コミック原作のドラマ“インヒューマンズ”に出てくるスーパーヒーロー“ブラックボルト(アンソン・マウント)”

インヒューマンズの王である彼はこの世界で、葛藤しながらも戦友であるスプリーム・ストレンジに手を下した。

ブラックボルトの武器はその声。

声を発するだけであらゆるものを破壊してしまうため、普段は手話で会話する。

結果は…ブラックボルトの惨敗。

スカーレット・ウィッチに肝心の口を消されてしまい、自慢の声を発することが出来ず自滅のような形で勝負がつく。

二番手はマーベル作品“ファンタスティックフォー”に出てくるスーパーヒーロー“リード・リチャーズ(ジョン・クラシンスキー)”

知的かつ肉体派なイケメンで“エミリー・ブラント”の愛する人。

どの方向から見ても世界有数の幸せ者と思われるジョン・クラシンスキーだが、世の男たちの嫉妬心を晴らすかのごとく、ひどいやられ方(扱い?笑)をする(涙)

“Mr.ファンタスティック”はゴム人間的な超能力を操るスーパーヒーローだが、本作ではスカーレット・ウィッチに100対0の惨敗ぶり!

ブラックボルトが負けたのもクラシンスキーのせいなのだ(笑)

昔、ファンタスティックフォー〜と歌いながら堂本剛さんが日テレ?で踊る姿がよくテレビから流れてた記憶があって、あれはファンタスティックフォーの映画とのコラボ、番宣的なもので、日本でのアンバサダーを務めてたんだと真面目に思ってたんですけど。

ファンタスティックフォーじゃなくてあれはファンタスティポだったんですね(笑)

男たちは頼りにならず、イルミナティの美女二人がスカーレット・ウィッチに挑むことに。

“キャプテン・カーター(ヘイリー・アトウェル)”、“キャプテン・アメリカ”こと“スティーブ・ロジャース”の恋人“ペギー・カーター”が血清を打ちスーパーヒーローに。

アニメ“ホワット・イフ…?”に登場する彼女がイルミナティのメンバーとして登場。

“キャプテン・マーベル(ラシャーナ・リンチ)”、絶賛公開中の映画“マーベルズ”や前作“キャプテン・マーベル”など本家のキャプテン・マーベルは“ブリー・ラーソン”が“キャロル・ダンヴァース”として演じているが、パラレルワールドであるこの世界では彼女の親友“マリア・ランボー(同ラシャーナ・リンチ)”がキャプテン・マーベルになり世界を守っている。

マリア・ランボーはドラマ“ワンダヴィジョン”でワンダとの関係が描かれ、マーベルズで大活躍する“モニカ・ランボー(テヨナ・パリス)”の母親。

こういったマルチバースを基軸としたシナリオの交差が最近のマーベル作品の醍醐味、想像力をかき立てられる!

カーターはそのシールドを手に、マリアはそのスーパーパワーを遺憾なく発揮、難敵スカーレット・ウィッチ相手に激闘を繰り広げる!

男たちを遥かに圧倒する戦いぶりを見せた二人だが、闇の力には敵わない。

最後に残ったのはイルミナティのリーダーで知恵袋とでもいうべき“プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)”こと“チャールズ・エグゼビア”

大御所演じる彼は“異質な者”と恐れられ迫害を受ける“ミュータント(恵まれし子ら)”の保護者で“X-MEN”創設者、そして彼自身もまた、ミュータント。

個人的に“攻殻機動隊”の“荒巻大輔”を連想してしまうプロフェッサーX。

この世界でイルミナティの長老として登場する彼は他のイルミナティメンバーとは違い、ストレンジを信じる心を持ち合わせていて、ストレンジにヴィシャンティの書を手に入れるよう告げる。

ストレンジたちを逃がすため、スカーレット・ウィッチと相対した彼はテレパシーの力を使い、本来の優しい母であるワンダに戻そうと異世界から届く闇の声と闘うが、あと一歩のところで敗れてしまう。

イルミナティ…アベンジャーズが存在しない世界で、彼らはこの世界のドクター・ストレンジと共にサノスを倒すことには成功したが、最強のメンバー5人の力を合わせてもスカーレット・ウィッチには敵わなかった。

あらためて見ると“どうする家康”の“服部半蔵(山田孝之さん)”風の忍者のような姿をしているモルド。

モルドなど、どの世界でもストレンジの敵ではない。

ストレンジ、チャベス、チャベスに説得された“この世界”のクリスティーン、三人はイルミナティの地下へと走る!

ワンダの追跡から逃れ、地下に隠された扉からギャップ・ジャンクションにたどり着いたストレンジたち。

ダークホールドに対抗できる対極の魔術書、ヴィシャンティの書を手にした瞬間、闇の魔の手がそれを燃やしてしまう。 

ワンダは捕えたチャベスの力を使い、ストレンジとクリスティーンを別のユニバースへ。

このギャップ・ジャンクション。

ストレンジが見ていた夢に出てきた場所なのだろうか?(ディフェンダー・ストレンジとチャベスがヴィシャンティの書を探していた場所)

ギャップ・ジャンクションとは宇宙同士の接合点、宇宙同士が繋がる場所。

ストレンジたちはイルミナティの地下の扉を開けてギャップ・ジャンクションにたどり着いた。

…ということは。

すべてのユニバースにギャップ・ジャンクションへと繋がる入口が存在し、それを探しだせばマルチバース間を移動できる?(スクウェアのサ・ガ2 秘宝伝説みたいに←分かりづらい笑)

ストレンジたちがたどり着いたのは滅びの世界。

“シニスター・ストレンジ(邪悪、闇のストレンジ)”、荒廃した世界に佇むサンクタムで待っていたのは三人目の自分。

第三の目をもち、闇に堕ちた姿…ストレンジが決して口にしない過去、誰にも話さなかった忘れられない記憶を知る彼は紛うことなき別世界の自分自身。

ドリームウォークの力で他の世界を覗き、別世界の自分を抹殺してきた彼はいう。

スティーヴン以外のストレンジは皆、ダークホールドの力を野望、欲望、欲求…みずからの目的のために使っていたと。

シニスター・ストレンジはダークホールドの力をなんのために使ったのか?

彼はクリスティーンを愛するあまり、彼女をみずからのものとするために使った、その代償がこの荒廃した世界。

“クリスティーンをこの手に…”

ダークホールドに魅了されヴィランと化した別世界の自分と対決、勝利したストレンジはダークホールドの力を使い元の世界を覗く。

ここから物語は一気に最終局面へ。

チャベスの力を手にしようとするワンダの前に現れたのは“最後のストレンジ(デッド・ストレンジ)”

その姿は阿修羅か、千手観音か…そういった古の神とゾンビが融合したような魔界の王(個人的にグレート・ニタ、ムタが頭に浮かんでしまった!)

ストレンジはドリームウォークの力を使い、ビルの屋上に埋葬した異世界の自分(ディフェンダー・ストレンジ)を死者の国から蘇らせ、ワンダの前に立ちはだかる。

魔境に巣食う悪霊たちはデッド・ストレンジに襲いかかるが、闇の王は魔界の下僕たちをみずからの足元に跪かせる。

本当の意味で闇を、悪の力を手にしたストレンジの圧倒的な力の前にワンダもついに屈する。

“大いなる犠牲。
大切なものを守るためには大切なものを犠牲にしなければいけないのか?
自分を信じろ…”

世界を、すべての世界(マルチバース)を守るため、ウォンはチャベスの力をストレンジに奪えという。

それは非情な決断…だが、チャベスも犠牲となる覚悟を決める。

“自分でメスを握らないと気がすまない人間”

どの世界でも上手くやれなかった自分、過去の愚かだった自分…いまは違う。

“二度と失わない、失わせない”

ストレンジはチャベスに自分の力を自分自身で操るよう語りかける。

“自分を救えるのは自分自身だ”

恐怖に立ち向かい、みずからの意思で異世界の扉を開くチャベス。

その扉の向こう側で怯える子供たちの姿、声を聞いたワンダは一人の優しき母親に戻る。

マルチバースに存在するすべてのダークホールドを焼き払う、ワンダは邪神の神殿と共に姿を消す…。

マルチバースの旅の終わり、それは物語の終わり。

今回の戦いでストレンジに寄り添い、力を与えてくれたクリスティーンは元の世界へ。

二人はまた、別々の道を歩みはじめる。

チャベスはカマー・タージで修行を、ストレンジはサンクタムへ。

クリスティーンからの大切な贈り物、新たな時を刻みはじめた時計を手に、ストレンジはニューヨークの街に出るが…。

“禁断のダークホールド、その力は強大だが、使ったものに代償を払わせる”

ストレンジの額に開く“第三の目”、彼は“謎の女性・クレア(シャーリーズ・セロン)”と共に、みずからが起こしたインカージョンを修復するため、“ダーク・ディメンション(暗黒次元)”へと飛び込む!

“ドクター・ストレンジは帰ってくる”

もし本当に“パラレルワールド”が存在するなら、別の世界の自分はどんな自分か?

善人か、悪人か、幸せか、不幸か?

そんなことを考えさせられる本作。

“ドクター・ストレンジVSドクター・ストレンジ、本物のストレンジは誰だ”

MoMにはいろんな世界のドクター・ストレンジが登場する。

善人な自分、悪人な自分、善悪併せもったもっとも人間らしい自分…すべて同じ自分なのだが、生まれた世界で異なる行動を取り、同じ過ちを犯す。

それは生き方次第ですべてを変えることが出来るという人の無限の可能性を意味し、どうやっても変えられないその個人特有の人間性という人が人であるがゆえの負も意味する。

また、どうやっても変えられない運命というものも…。

MoMの物語の根底にあるのは“大切なものを取り戻す”ということ。

ワンダは“ウエストビュー”で失った二人の息子を、ストレンジは最愛の人(クリスティーン)を自分のせいで失ったことを後悔、別世界の自分(スプリーム・ストレンジ)は暴走し、世界を破滅させてしまう。

人は本当に大切なものを守るため、手に入れるためなら時に、手段を選ばないもの。

愛するものたちを、愛するものを、魔法で、異世界で、取り戻す。

MCU(物語のメインの世界)の世界のワンダの双子の息子は魔法が生み出した存在。

そのせいで失うことになるのだが、別世界では自分と息子たちが幸せに暮らしている(同じく魔法で生み出されたのかは不明)

“なぜ、自分だけ…”

別世界の自分と息子たちの幸せを知ることによってワンダは闇に堕ち暴走してしまう。

これがワンダにダークホールドが求めた“代償”なのかも知れないが、人としての性、母親としての性がワンダをスカーレット・ウィッチへとならしめた。

この世界に完璧な人間など本当にいるのだろうか?

誰のなかにも善悪はある、それが人間だと思う。

自分のなかにある良い部分、悪い部分をコントロール出来る人、常に溢れ続ける善悪の感情をコントロール出来る人、間違いを認めて正すことが出来る人、それが聖人君子と呼ばれる人なのではないか?

個人的にはそう思う。

“大切なものを守るためになにを守り、なにを犠牲にするか?”

ディフェンダー・ストレンジはマルチバースを守るため、チャベスを犠牲にしようとした。

彼は取捨選択し、チャベスの命を捨てようとした。

ストレンジは“自分のなかに確かにある悪しきもの”と向き合い、清濁併せ呑む形でワンダを圧倒、チャベスを犠牲にすることもしなかった。

冒頭にも書いたが、サム・ライミ監督はヒーローのあるべき姿を見事に描いた。

現実世界では取捨選択は避けられないことが多い。

スーパーヒーローのようにすべてを守り、大切に出来ればどれだけ素敵な人生が送れるだろうかと思う。

だが、それは難しい。

可能な限り、自分にとって大切なものを守り、選択し、なにかを犠牲にする。

それが多くの人の人生だ。

でも誰かが犠牲にせざるを得なかったもの、捨てざるを得なかったものを守り、大切にする他の誰かが必ずいる。

この世界も決して絶望ではないのだ。

様々なマーベル作品から集められたヒーローたちで結成された“アース838”のヒーローチーム・イルミナティ。

キャラクターもそうだが、演じている俳優も超豪華な顔ぶれ!

前日譚なのか、新しいメンバーによる後日譚なのか。

イルミナティをメイン?にした作品や敵?にした作品が作られるという話があるが…実現すれば面白そう!(クラシンスキーの悪意ある?扱いが一番笑ってしまうが笑)

マーベル作品は先に書いた“シナリオの交差の絶妙さ”もそうだが、“カメオ出演(隠れキャラ)”探しも面白い。

一度観た作品にもあなたがまだ気づいてない“あんな人”、“こんな人”が隠れてるかも…!

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