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1minute七十二候 玄鳥至(つばめきたる)

晴明<初候>
4月4日から4月8日頃

春の訪れとともに、温かい南の島から遠く日本へと旅をするツバメ。日本におけるツバメの存在は、古くから農作業の始まりを示す自然のシグナルであり、ツバメが作る巣は幸運の象徴とされ、ツバメ自身も農作物を守る益鳥として尊重されてきました。

かつて、ツバメがどこから来るのかは謎に包まれており、海の向こうの幻の国、常世国から来ると考えられていたそうです。しかし、今日ではツバメの長い旅路がよく理解されています。それでも、ツバメに対する私たちの感謝と尊敬の念は変わりません。ツバメは春の使者として、その美しい姿で私たちを魅了し続けているんですね。

ツバメは可愛らしい姿ながら、実は飛びながら水を飲み、空中で虫を捕まえるという類稀な生態で私たちを驚かせてくれます。
街を歩いていてツバメの巣を見つけるとつい嬉しい気持ちになりますが、親鳥が危険だと認識すると、巣を捨てどこかに行ってしまうこともあるんだとか。巣を見つけてもあまり近づき過ぎず、適度な距離で見守ってあげることが大切なのですね。

さて、この時期はツバメの姿だけでなく他にも楽しみがあります。例えば、4月6日は「城の日」。「日本100名城」はすべての都道府県から選ばれているので、この時期お花見やピクニックがてら地元のお城を訪れてみるのも良いかもしれません。また、4月8日には灌仏会(かんぶつえ)でお釈迦様の誕生を祝う日。日本の文化と自然の美しさを同時に体験する良い機会でもあります。

ぜひ春の日差しの元に出かけて、季節の移ろいの中で暮らす喜びを感じてみてください。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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