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1minute七十二候 蛙始鳴(かわずはじめてなく)

立夏<初候>
5月5日から5月9日頃

春の終わりが近づき、新緑の息吹が感じられるこの時期、立夏を迎えて野原や田んぼでは小さな蛙たちが賑やかに鳴き始めます。蛙は、冬眠から覚め、産卵のために生まれた水辺へと帰る習性があり、そこから「帰る」という言葉を象徴するかのように、古来より縁起の良い生き物とされてきました。

蛙は、その名が「帰る(かえる)」と発音されることから、無事に何かが元の場所へ戻ることを願う縁起物として扱われます。お金が戻ることを願って、店先や家の玄関に蛙の置物を飾る風習は、多くの日本家庭で見られる光景です。また、無事に帰ることを願って蛙をモチーフにしたお守りも人気がありますよね。

ちょうどこの時期は端午の節句。この日には菖蒲や鯉のぼりを飾ったり、節家族で柏餅を楽しむこともありますね。柏の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちない特性があることから、子孫繁栄を願って柏餅を食べるという風習が生まれました。これもまた、行事食に込められた深い意味と伝統の一つです。

さらにこの時期には、食べ物にまつわる記念日が多くあるのをご存知でしょうか?5月6日「ふりかけの日」、語呂合わせから5月7日「粉もんの日」や 5月8日「ゴーヤーの日」、歴史から5月9日「アイスクリームの日」などなど、様々な食べ物を楽しむ機会が設けられています。

新生活の疲れや気温の変化からちょっと体がだるくなりがちな季節。美味しいものを取り入れて心身を養い、梅雨や夏を迎える準備をしましょう。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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