見出し画像

0.03トラッド・アロマセラピーの拡散と限界

このノートには1990年代後半のイギリスで学んだプロフェッショナルアロマセラピストのトレーニング内容を主観や考察、雑談も交えながら分かりやすく解説しつつ残しておきます。このノートには1990年代後半のイギリスで学んだプロフェッショナルアロマセラピストのトレーニングについて主観や考察、雑談も交えながら残します。

トラッド・アロマセラピーは少数派?

2000年、初めて日本にイギリスの協会の認定校が開校されてから少数はではありますが、トラッド・アロマセラピーを日本で学んだアロマセラピスト達がそれぞれ活動をスタートします。

少数派というのはトラッド・アロマセラピーの認定校修了者の数は日本のアロマセラピーの協会のアロマセラピストと比べると圧倒的に少ないということです。またトラッド・アロマセラピーの認定校修了者の活動のスピードは日本のアロマ業界の発展にはとうてい追いつかなかったということです。あくまで私の主観です。

トラッド・アロマセラピーコースは敷居が高い?

イギリスの協会認定校のコースはカリキュラム内容がすばらしくても受講には時間的・金銭的な余裕が必要でした。コースは一年以上に及びます。講師の来日期間に合わせて授業に参加する必要があるため受講生の中には仕事を辞めてコースに参加する方もいらっしゃいました。終了試験にはイギリスから試験官が来日します。講師の来日費・基材その他実技の授業用の設備費などのため受講料がある程度はかかってしまいます。

ですので、漠然とアロマセラピーを勉強したいという人が飛び込むには敷居が高いと感じられたかもしれません。

結果的にトラッド・アロマセラピーを修了したアロマセラピストは少数派となりました。

日本のアロマセラピーの拡散力

一方日本では新たなビジネスチャンスとして精油などの基材を取り扱う事業者が増え始め、日本独自のアロマセラピーの団体がいくつか設立されます。

当初は、そのトレーニングはプロフェッショナルと呼ぶには物足りないものでした。イギリスの協会認定校とは逆にアロマセラピーをより多くの人が学べるよう、時間・授業料も手軽な資格コースが先行して設定されました。

アロマセラピーが日本の社会に浸透し、利用層が広がったのは日本の協会の拡散力であったことは間違いありません。日本の団体もカリキュラムにトラッド・アロマセラピーのコース内容を部分的に取り入れるようになりますが、教材だけの自己学習や実践経験のない日本人講師による授業は表面的なものになりがちです。更に、日本では精油そのものが雑貨扱いで、特に規定されるものでないため、リスク管理や分析は後回しにされ、部分的なアロマセラピーが浸透して行った、というのが私の印象です。

手軽に癒しを求める消費者のために団体の数、スクールやコースの種類は増加します。精油や香りを使った商品も開発されます。日本のアロマセラピーは資格コースと商品を扱う大きな産業として発展していきます。当時私はその流れを残念な気持ちで見つめながら黙々と自分の活動を続けていました。しかし、それも一つのニーズであったと今は思います。

日本人講師によるコースの開始

2010年までにはイギリスの協会の認定コースにも日本人の講師が登場します。それまではイギリスからメイン講師を招いていましたが、トラッドアロマセラピーを理解し、プロのアロマセラピストとしての実践を積んだ日本人講師が育ちはじめたのです。

イギリスの協会認定校は日本各地に創設されます。最初にも書きましたが、日本でのアロマセラピーの裾野が大きく広がり、一般化されるほどに全体の中のトラッド・アロマセラピーの情報は変化し希薄になりました。

これからのアロマセラピー1

今のようなスタイルでのアロマセラピーの歴史は50年程度でしょうか?しかし、この50年の間にアロマセラピーを取り巻く情報はすごいスピードで上書き、増加しています。精油の原料であるハーブの生産環境、精油の流通、精油の分析精度や嗅覚についての情報の変化、学ぶ内容も最新情報を取り入れ上書きされるべきです。

現在2020年アロマセラピーは大切な時期を迎えていると思います。アロマセラピーという言葉と華やかな表層部のみが拡散し、トラッド・アロマセラピーの情報はあまり上書きされることなく、その原点も希薄になっています。

私にできることはいったん希薄になる前のトラッド・アロマセラピーの原点をこのノートで整理した後に、上書きする情報を発信することだと思っています。それは私自身のためでもあります。

画像1

まとめ

☆ トラッド・アロマセラピーは日本では少数派であり、敷居が高いという印象がある。
☆ 日本の協会のアロマセラピーの拡散力
☆ これからのアロマセラピー1

オリジナル・アロマセラピーからトラッド・アロマセラピーそして日本に持ち込まれたトラッド・アロマセラピーの流れを3回にわたり、自分なりにまとめました。今ではアロマセラピーは形を変えながら、産業として、文化として、日本人にとって欠かせないものに成長し、そろそろ折り返し点かなと思います。次回はこれからのアロマセラピーについてもう少し書かせていただきます。
・前回のノートを読んでいただきありがとうございました。0.01~0.03と次回のノートはまだトラッド・アロマセラピーのトレーニング内容に入っていません。イギリスから日本に入ってきたトラッド・アロマセラピーの流れを私の視点から記しています。誤解を招かないように、お伝えしておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?