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管楽器へのポリッシュ使用の注意点

普段はポリッシングシート/ポリッシングクロスなどで充分!

普段から丁寧かつしっかり手入れしているのであれば、ポリッシングシート/ポリッシングクロスを使うほうが無難かつ充分だと思っています。
(私はポリッシュ持ってますが流石に怖くて本体外部には使えません)。私の今回購入したインペリアルにはニッカン時代のポリッシングクロスが付いていました(笑)試してみましたが結構今でも使えますね😅

ポリッシュ(言い方を変えるならピカールとかと同じかなり目の細かい液体コンパウンド)ですが、慣れてないと使いすぎて逆に管を痛めてしまうので、いきなり使うのはおすすめしません。またフィニッシュ(表面加工)の材質にあわせて選ぶ必要がありますし、ポリッシュがあってもほとんど使いません(大量に使うなんてまずない、つかってもほんの十数滴程度、それでも多い方)。

その点を注意してポリッシュが必要であれば購入する、という感じでいいと思います。つまり必ずしも必要ではないということです。すぐに買う必要はありません。それを理解しておくといいと思います。その上で下記の文章を知識程度に読んでおくといいと思います。

ポリッシュの種類

実はポリッシュは、その使う相手の材質によって目の細かさが違っています。このあたりはサンドペーパーと同じで、本来番手(や材質?)がありますが、番手(や材質?)では流石に分かりづらいと思うので、〇〇用、となっていると思います。

ラッカー仕上げの場合

ラッカー(クリア/ゴールド)仕上げの場合、他のポリッシュを使うとかえって痛みやすくなります。ラッカーは柔らかいので削れやすいのです。なので、ラッカー用のポリッシュを使います。

ノーラッカー(アンラッカー)の場合

ノーラッカーの場合は、メタルポリッシュ以外に、ピカールでもいい場合がありますが、一度ヤマハ純正のものと比較してみてください(私はノーラッカーのサックスは持ってないので・・・)。ノーラッカーのサックスは最近はそんなに存在しないはずです。ゴールドラッカーやシルバー、ニッケルや金メッキのものがほとんどのはずですからね。
昔の名機だけどノーラッカー(やシルバー)でボロボロ、なものだと、最初にクレンザーつかって、って場合もあるそうですが、よっぽどのことでないとやらない技で、かつある意味修理屋の"秘技”なので、我々がやるべき話ではないです(テレビのある番組ではやってましたけどね)。

基本的にメインの材質である黄銅(真鍮)は、地金だと磨いた直後はメッチャクチャきれいですが、時間が経過すると酸化被膜を形成して少しくすんだ色になります。また時間が経過すると環境によっては黒ずんできます。
仏壇のおりんや、真鍮製の仏飯器、仏花用の花立て(スタンド)などをイメージしてもらえればいいと思います。
家にそういうのがある方は、時々(内心練習のつもりで)磨けば、いろんな方から褒められますし、勉強にもなるしで良いことづくめだと思います(笑)
(あ、ピカールとかで磨いたら最後はちゃんと中性洗剤とかでしっかり洗ってくださいね、これ忘れるとえらいことになるんでw、あと肌の弱い方や、手が汚れるのが嫌、ってひとはニトリル手袋をはめてやってください。)
それで磨くと黄銅がいかに削れやすいか、変色しやすいかを理解できると思います。
そのためにラッカー仕上げや、メッキがあると思ってもらっていいです。
(もちろんそれは音の質にも影響はしてくるんですが)

シルバーの場合

シルバーの場合は、シルバーポリッシュやシルバーポリッシングシートでいいと思います。シルバーポリッシュの代用として、グラスター(ピカールと同じメーカーが出している銀/ガラス用のポリッシュ)を使う手もありますが、とにかく量が多いので(1本あったら多分10年以上余裕でもつ)注意ですね。シルバーも削れやすいのでポリッシュ使う場合は細心の注意を払う必要があります。
磨いたらシルバープロテクターなどの保護材を布などに染み込ませ拭き上げることをお忘れなく。

くどいようですが、ポリッシュを使うってことは普通に使っていればそうそう無いはずなので、すぐに買う必要性は全くありません。必要になってから考えるとか、あえて修理屋に出すぐらいでいいと思います(場合によっては修理に出したほうがいい場合もありますからね)。

金メッキの場合

超高級機は金メッキ使ってる場合が有ります。
実は金というのは金属の中でもかなり柔らかいので、実はポリッシュ禁止です。ポリッシングクロスで常日頃から力を入れず丁寧に拭いて手入れする必要があります。
それでもくすみとかが目立ってきてしまった場合のみ、シルバーポリッシュなどの柔らかい金属対応のポリッシュでそのくすんだところだけくすみを取る程度に軽くしておくのが本来ですが、業者に頼む方が無難です(やりすぎてしまう可能性があるので)

ポリッシュを使う場合の注意点

通常本体に直接かけるのではなく、布に染み込ませて使いますが、一度それで使った布は他のポリッシュは使えませんので気をつけましょう(布の中に残ってしまってるので)。
あと、ポリッシュはくどいようですがあくまで「研磨剤」です。
研磨剤ということは、超薄く削るってことだってことも理解しておく必要があります。ポリッシングクロスのほうがその点は非常にマイルドなのでおすすめしやすいのはそのためなのです。

道具やケミカルは、使い方やその「本質」を理解して正しく使うことが大事です。そうすることで楽器は長もちします。

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