「ショック」を考える

ショックとは全身の組織灌流が低下し、組織への酸素供給が障害されている状態のこと。

血圧低下に先行して、頻脈、脈圧低下、尿量低下が起こることが多い。

ショックの介入は心拍出量、SaO2、Hbの3点
心原性ショックではない場合はまず20ゲージ以上の静脈ラインを2本確保、細胞外液(生理食塩水、ラクテック)をフラッシュする。
状態を見て酸素投与、輸血を考慮する。

平均血圧65mmHgが一般的な末梢循環の改善目標
平均血圧:拡張期血圧+脈圧×1/3
もちろん頻脈、脈圧低下、尿量、末梢冷感などの改善も参考にする。

Shock Index=脈拍数/収縮期血圧
正常 0.5、軽傷 1.0、中等症 1.5、重症 2.0と大雑把に分類できる。

ショックの鑑別は頸静脈、呼吸音、末梢冷感で行う。

循環血漿量減少性ショックは頸静脈怒張なし、肺うっ血なし、末梢冷感あり。
心原性ショックは頸静脈怒張あり、肺うっ血あり、末梢冷感あり。
閉塞性ショックは頸静脈怒張あり、肺うっ血±、末梢冷感あり。
血液分布異常性ショックは頸静脈怒張±、肺うっ血±、末梢冷感なし。

原因のわからないショックは敗血症性ショックと副腎不全も考慮する。

ショックの初期対応はABCの確保から。
ライン確保(心原性ショックの鑑別ができていない時点でも開始)
身体所見(頸静脈怒張、ラ音、末梢冷感)
血液検査:血算、生化学、凝固、血液型クロスマッチ、動脈血液ガス、(血液培養)の提出
心電図、心臓、腹部超音波、胸部X線
尿道カテーテル挿入(尿量0.5ml /kg /hrを目標に)

輸液が無効の場合は昇圧薬開始(第一選択はノルアドレナリン)
γ計算
1γ=1μg/kg/min
 =1×10⁻³mg/kg/min
 =1×10⁻³×60mg/kg/hr
 =0.06mg/kg/hr

つまり
1mg/mLの溶液なら
体重×0.06mL/hr=1γ
20倍希釈(0.05mg/mLの溶液)ならば
体重×0.06mL/hr=0.05γ
3倍量(3mg/mL)ならば
体重×0.06mL/hr=3γ

生食47mlにノルアドレナリン3mlを足して50mlにし、5ml/hで持続点滴開始が当院では一般的である。
また0.05γから開始するのが一般的と言われている。


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