ゼルダの伝説 ブレスオブワイルドが面白くない人のために

ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド。

2017年4月末時点でWii U・Switchあわせて400万本ほど売れている。

amazonでは900レビューのうち、おおよそ1割に相当する100ほどのレビューが星3つ以下となっていることから、単純計算で、40万人ほどのプレイヤーがこのゲームにイラついていると考えられる。

俺もその一人だ。

その40万人はもう救えないが、次の40万人がこのゲームを楽しく消化できるように、ガイドを書く。

楽しく遊んでいる人は読まなくてよろしい。

攻略サイトなしの自力で神獣1体を倒したあたりで、「あれ?このゲームあんまり楽しくないかも?」と感じているような人を対象にしたい。

このゲームはとても売れてるが、正攻法で取り組むと、けして万人向けじゃない難易度になってるので、あんまり頑張らなくてもいい。

何をするにも面倒くさい

ダッシュをすれば息切れし、崖をのぼれば雨が降り、敵に殴られれば即死して、こっちの武器は殴ればすぐ壊れる。

とにかく弱いうちは何もできないので、自キャラを強化しなければならないが、強化に必要な祠は10km四方に散らばっており探すのがめんどくせえし祠レーダーは役に立たねえ。

せめて移動を早くしようと馬を入手するも、これっぽっちも言うことをきかないうえに、ファストトラベルしたらその場に置いてけぼりになる。

だるい。とにかくだるい。何をするにもいちいちめんどくさい。

とにかく移動がクソめんどくさいので祠の位置くらいはもうwikiってカンニングしてもいい。それくらいはズルしても全然かまわない。

このゲームはパズルゲームである。

このゲームは、広大なマップに千以上のパズルが詰め込まれているパズルゲームである。

「自由度がある」という評も多いが、提示されたパズルの解に自由度はない。特定の操作を、特定の手順で行うことを要求される。そして祠チャレンジの中にガーディアンとの戦闘があるように、戦闘もパズルの一つである。

したがって、「ボスバトルもパズルの一つである」

大事なことなのでもう一回書くが「ボスバトルもパズルの一つである」

この事に気づかないと、その理不尽さに激怒することになる。

ラスボスの最後の一撃まで、特に必然性のない特定の操作ができるまでやり直しをさせられるのだ。

このゲームのボスバトルは全て同じ構成で、

1 .アクションパートで体力を半分減らす

2.演出後にボスが無敵化

3.特定の操作で無敵を解除して、あとは殴って殺す

となっている。

なまじっか最初にアクションパートがあるので分かりにくいが、これは祠ミッションの延長線上にあるパズルだ。雑魚戦の延長線上ではない。

水は、前半の神獣突入パズルにヒントがあるので問題ない

風は、適当にやってれば倒せる

コーガ様、雷、火は、これを読んでるような人間が楽しく倒せるような解法じゃないので、とっととwikiれ。wikiっていい。

楽しめない俺らが悪いんじゃねぇ。楽しくねぇゲームが悪い。

◆ストーリーが寄り道を示唆していない

ゲーム開始後のチュートリアルが終わると、ゼルダ姫がピンチなので助けてね、という目的が明らかになる。

で、それを真に受けて、リンクになりきって最短でゼルダ姫を助けるべくメインミッションを進めると、攻略サイトなしでは確実に最後で詰むようになっている。

姫がピンチというストーリーにくわえ、序盤のライフ3の状態では、特に指示のない場所に行けたとしても、凍えたり火山弾食らったり、とにかく何をしても死ぬので、「これは寄り道をせずにメインミッションをこなせということだな」と、俺のようなプレイヤーは理解する。

そこで安全圏の祠を優先的にこなし、神獣をつぶし、ラスボス戦に向かうと、上述した無敵解除フェーズの際に、今まで見たことも聞いたこともない操作を要求される。

実はこのゲームはストーリーで示唆されているようなゼルダ姫を助けるゲームではなく、とにかくしらみ潰しに、片っ端からサイドミッションをつぶしていくことが目的のゲームなのである。

その過程で、様々な隠し操作を覚えていくというつくりになっているが、その誘導にひっかからない人間がいる。俺だ。

ジャストガード、タメ攻撃、盾サーフィン、落雷誘導etc...あらゆる小技をみないままラスボスまでたどり着いてしまう。

普通のアクションゲームならこうした「攻略に必須な諸操作」は、面ごとに習得できるように設計されているが、BOTWは「オープンワールドの全域にチュートリアルの項目が散らばっている」状態なので、攻略サイトがないとある種のプレイヤーは隠し操作に絶対に気づかない。

ので、wikiれ。wikiっていい。チュートリアルを誘導できてねぇゲームが悪い。

あと、迷いの森は考えて分かる仕組みじゃないので、30分迷ったら充分だ。飽きたら即攻略サイトを見ていい。

じゃあどう楽しむか

とにかくメインミッションではフェアな情報が与えられておらず、自力で攻略するには理不尽極まりない。まともに相手しても時間の無駄である。

どうせ大したストーリーでもないし、これを読むような人間はブレスオブワイルドの世界になんの愛着もないだろうから、本編なんかはとっととwikiってカンニングして終わらせるのがいい。

ただ、祠チャレンジはパズルとしてフェアなものが大半なので、ここはカンニングせずに取り組んだ方がいい。

基本は、オープンワールドRPGではなく膨大な祠チャレンジを解くパズルゲーム集として遊びつつ、充分にリンクが強化された時点で、各地に点在するライネルなどの強敵を討伐するアクションゲームとして遊ぶのがいい。ここに関してはゲームとして文句なしに楽しい。アクションはアクションとして武器ごとに自由度のある攻め方があり、パズルはパズルとして、フェアに与えられた情報を適切に処理する楽しみがある。

パズルパートとアクションパートはそれぞれ独立して非常に完成度が高いが、ボスバトルでその二つが組み合わさると途端にパズルとしてもアクションとしてもアンフェアな出来となっている。また、その理不尽さに輪をかけるように、本編のストーリーがプレイヤのモチベーションを維持する役割において機能不全に陥っている。

ここを攻略サイトですっ飛ばすことによって、おそらくブレスオブワイルドがツラい40万人のうち10万人くらいはラクになるのではと思う。amazonを見ると「これはゼルダじゃない」という不評レビューもあるようだが、ストーリーをとっととすっ飛ばしてガン無視すれば、ゼルダじゃないパズルアクションとして消化できるのではないかと思う。

めんどくさいところは、がんがん攻略サイトでショートカットしよう。多分それでもちゃんとこのゲームは面白いはずだ。

:追記

このゲームの神獣の意義を考えてみたら、なおのことメインミッションはすっ飛ばしていいという結論に落ち着いた。このゲームはチュートリアルの構成に失敗してるので、外部情報を参照しても何にもおかしくない。外部情報を参照してやっとフェアだ。(https://note.mu/blz/n/n977b4a8f2ec2)