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五戒その一:地域内でなく、地域へのアクセスを開発せよ#3-12

ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社は、人々のあたらしい暮らしを支える産業と社会システムを創造する事業創造ファームです。本マガジンでは、「つながりと物語をはぐくむ地域のつくりかた」に焦点を当て、知見をお届けいたします。

地域開発におけるロジスティクスの重要性について

地域開発において、重要なのはコンテンツよりもロジスティクスである。要するに「地域に訪問する際の時間的/ 金銭的なコストが適正で確実にアクセスできること」が重要なのだ。これは、交通の要所であったことを原点として世界の主要都市が発展してきたことを見ても明らかである。中国では黄河と大運河の結節点に位置する開封が栄え、日本においては江戸時代に五街道を中心に日本は発展した。

1 つ気をつけることがあるすれば、どのような人に来てもらうためにどの交通手段を強化するのか?という点である。強化する交通手段によって、訪れる顧客層がある程度定義されていくからである。高速バスや格安航空のアクセスを良くすれば、来るのは体力があり、お金がない若者世代である。 一方、ヘリポートやマリーナを整備することで、世界の富裕層が多く訪れるだろう。導入コストや期間も違うため、先にバスを整備し、後からヘリポートを整備するなど、段階的に導入していくことも検討の余地はある。しかし、いずれにせよ「関係人口をどのような割合とするために誰が来やすくするのか?」ということは、 最初に検討するべきことだろう。 地域内を開発するだけでなく、地域へのアクセスを開発することにも目を向けてみよう。とりわけ、海外からの訪問者を受け入れることができる空港は特に重要である。地方空港のターゲットを絞った国際化は必要不可欠であり、空港から近隣主要都市へのバスもまた、重要である。 例えば、茨城空港においては、県からの補助金により、茨城空港から東京間を 500 円で移動できるようになった。これによって、コロナ前までに年間利用者が順調に増え続け、2019 年には開港以来過去最高の 82 万人に達した。このように、地方空港であっても近隣の主要都市のアクセスを改善することで、利用者が増え、地域内の観光産業の活性化にも繋げられた。

(次回へ続く)


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