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マルチクラブオーナーシップ(MCO)

横浜FCとポルトガル・UDオリヴェイレンセのマルチクラブオーナーシップ(MCO)は、日本の資本が欧州の市場に直通ルートを持ち、自らのオーナーシップで市場にアプローチできる点が大きな特徴です。

世界最高峰の欧州リーグで日本人選手やスタッフが経験を積み上げることで、日本サッカーの強化に繋がる”という想いのもと推進しています。

MCOのかたち

MCOにはオーナーの意向が大きく反映されるのが通常で、基幹クラブと育成クラブなどそれぞれのクラブの規模や状況により適切な役割を持たせて、どこでビジネスインパクトや課題解決ポイントを持たせるか、という観点で設計されていると思います。
もちろん、各クラブは自クラブの勝利や目指すビジョンのために日々活動するのは大前提です。

世界中の耳目が集まり、投資価値も資金力もある欧州市場におけるMCOは、いくつものクラブをネットワークし、”選手を買い、活躍させて高く売る”「移籍金ビジネス」のイメージを持つ人も多いと思います。

ですが、日本の横浜FCを基幹クラブとするMCOはそれらと同じやり方だけではなく、中堅国のMCOとしての立ち場をとる必要があると考えています。

ポイントは『育てる』にフォーカスすること。

日本と欧州の2つの拠点で若手の育成をし、育てた人材が日本で活躍し自クラブを勝利に導く未来と、欧州でステップアップし日本代表としてワールドカップで優勝する未来と、どちらも描けると思っています。

ONODERA GROUPが経営権を取得したUDオリヴェイレンセは現在ポルトガル2部リーグに所属していますが、そこでトップチームで試合に出場することはもちろん、Liga Revelação U-23(リーガ・ヘヴェラサォン)というポルトガルU-23リーグに参入することで、23歳以下の若手選手に欧州での出場機会を与えることが可能になります。
さらに、同じリーグにポルトガルの強豪ベンフィカ、スポルティングCP、ポルティモネンセ、ブラガなど1部リーグ所属のクラブとも同じ舞台でガチンコ対決ができるため、そこで活躍すれば欧州スカウトの目にとまりステップアップできる可能性も期待できます。
※U-23のラインセンス取得に向けて動いているところで現在は承認前です。

Jリーグでは、出場機会の得られない18歳~21歳の選手が多くいます。
これは決して彼らの力不足というだけでなく、Jクラブ経営の仕組み上の問題や、日本のサッカー文化も少なからず影響していると思います。
こうした出場機会の少ない若手の有望株に対して欧州での出場機会を確保し、育成プラットフォームとして横浜FCだけでなく、将来的にはその他Jリーグクラブにも門戸を広げ、この仕組みが日本サッカーの育成課題の解決にも貢献できると信じています。

MCOの現在地

2022年11月に、横浜FCの親会社のONODERA GROUPがポルトガル・UDオリヴェイレンセの経営権取得を発表し、現在は三浦知良選手が期限付き、昨年の夏に18歳の永田滉太朗選手が横浜FCとプロ契約し、期限付き移籍でオリヴェイレンセでプレーしています。

このマルチクラブオーナーシップ(MCO)の座組みについて情報を整理し、世に出し始めたのが2023年の夏前。そもそものMCOについて整理し、移籍金や連帯貢献金などこの仕組み自体の説明や、これによって何が起きるのか、これから目指す展望など説明の記事や動画、クラブからの発信をしてきました。

しかしまだまだ世の中の関心ごとには程遠いし、身内ですら遠い理想の話だと思っている状態というのを実際に感じています。

みんなが本当にリアリティを感じ、ジブンゴト化する瞬間はリアルな動きがより見えてくる時。

つまり「うちの子」が海外で試合に出場し、ステップアップし、日本代表としてプレーする姿を見れた時だと思います。

長い目で考える必要があるし、そうしたい気もします。ですが、この投資の価値を証明するために時間は思ってる以上に限られているし、この最終ゴールの前の段階でどれだけ必要性を明らかにできるか、そのためにものんびりやってる暇はないのでどれだけ動けるかを自分に課して日々アクションしています。

MCOの成果がビジネスとしてヒットしてくるのは5年後、10年後だとは言いつつも、選手がステップアップして結果を出すことを待っているのではなくあらゆる策でPRし続け関心をひき、共創できるパートナーを模索し、マネタイズの仕組みを生み出す、小さな実績でも次から次へとスピード感を持って変化させ、実現していく必要があります。

そして新しい挑戦にはつきものですが、疑問視され、無謀なことに挑戦しているように見られる時もあるけど、それでもこのMCOで構築した仕組みとビジネスの流れが、子どもたちの海外挑戦という夢を叶え、クラブを強くし、日本サッカーの課題を解決し、日本サッカーの強化に繋がると折れずに本気で言い続けること。
否定されるのはまだ良くて、無関心・無風状態っていうのが一番厳しいですが(笑)

この地道な動きに少しずつ人の関心が集まって、仲間ができ、この仕事が少しでも日本サッカーの未来に繋がると思ってやるしかありません。

そして横浜FCがJ1で優勝争いをしACLに出るようになったり、日本代表がワールドカップで優勝したときに、この仕組みで少しでも貢献していられたらすごいことだと思います。

なので、個人的には相変わらずめちゃくちゃモチベーションは高いのですが、まだまだ認知度、関心度、共感してもらうために多くの課題があります。
この内容を読んでくれた方にはちょっと時間をいただいて、マルチクラブオーナーシップ(MCO)について、何をしようとしているのかを少しでも知り、興味を持ってもらえると嬉しいです。

MCOに関する記事(一部)

以下、MCOに関する大枠をまとめて掲載いただいている記事やこちらで説明しているものをピックアップしています。

横浜FC・UDオリヴェイレンセSADが挑戦する日本初のマルチクラブオーナーシップ戦略┃横浜FCホームページ

横浜FCとポルトガル・オリヴェイレンセが取り組むマルチクラブーナーシップ┃横浜FC公式Youtube

Jリーグ横浜FC、ポルトガル下部クラブから開く収益の道┃日本経済新聞

「うちの子」世界へ羽ばたけ!横浜FC マルチクラブ体制で育成に新風┃スポニチ

ONODERA GROUPはマルチクラブーナーシップで何をやろうとしているのか?(前編・後編)

オリヴェイレンセU-23チームができると何が起きるの?┃READY FOR

MCOにポルトガルの地を選んだ理由┃READY FOR

オリベイレンセが新トレーニングセンターを建設、横浜FCの21歳以下選手の育成拠点でも活用へ┃スポーツ報知

一から立ち上げる中で、自分で手を動かしてなんとかできること、どうにも手を加えられないこと、そのバランスの難しさはどうしてもあります。

欧州ではクラブの売上の柱は放映権料とスポーツベッティング、そして移籍金です。
日本とはそもそもの売上をつくる柱が全然違うので打ち手が異なります。
まずお金をかけて1部に上げてから放映権料で回収するくらいの投資ができたら良いですがそうもいきません。

欧州リーグでタイトル獲得を目指すビッグクラブのMCOとは異なる、日本ならではのMCO戦略を確立する必要があると思います。

プロジェクトは始まったばかり。
ただ、MCOは端的に説明するのが難しく、短い説明だけだと誤解を生む可能性もあります。そして、良い構想だと理解されてもまだまだ実績が無いのでリアリティを伴う関心ごとになるには時間がかかると感じています。

より多くの関心を集め、共感してもらえる関係人口を広げ、応援してくれる人を増やすため、地道だけど一つずつ着実に積み上げ、そして発信し続けていきます。

そして今の世の中の関心度と自分の力不足がもろに結果に現れてしまっていますが、このMCOで実現したい夢に向けたクラウドファンディングもやっています。

ぜひご支援お願いします。

よろしくお願いします🙇‍♂️