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チェロの練習における「時間的制約」と「心理的制約」について

僕は、チェロの練習には、ふたつの制約があると思っていて、その制約条件をいかに克服するかが、上達を左右すると考えている。

ひとつめは、時間的な制約
一日の中でどれだけの時間を練習にあてられるか。
その積み重ねとして、生涯のどれくらいの時間をチェロにあてられるか

もうひとつは、心理的な制約
これは心の問題。
何らかの理由で、心が落ち込んでいれば、練習どころか、楽器に触れることさえできない。

今回は、僕自身がこのふたつの制約への対策について、試行錯誤しながら取り組んでいる実態をまとめてみた。

ひとつめの時間的制約について。

社会人になると仕事や家事に時間を取られて、練習時間を確保することが難しくなる。
そこで、僕は仕事の休憩時間を活用することにしている。
仕事中なので当然、楽器は弾けない。
でも、楽器を弾かなくても練習する方法があるそうだ。
それは、イメージトレーニングだ。
楽器を弾いているイメージを浮かべることで、練習に近い効果が得られるらしい。
脳が楽器を弾いているときと同じ反応をするのだとか。
だから、僕は楽譜を見ながら頭で練習している。
時にはプロ奏者の演奏動画も見て聞いてイメージを膨らませている。
職場の人の視線が若干気になるけど。

それから、夜の練習
日によっては、朝から夜まで仕事の日もある。
そんな日は、夜の短い時間しか、練習にあてる時間がない。
そこで、夜の短時間練習に取り組んでいる。
音が気になるのでサイレントチェロを使って、今取り組んでいる曲の難所から、1~2か所、数小節のみを取り出して練習している。
本当はボウイングやスケール練習など、十分ウォーミングアップをしてからの方がいいけど、時間がないので短時間で切り上げて、すぐに曲の練習に入っている。
難しいところをゆっくり何回も練習。
特にフィンガリングとボウイングに集中。
音色や音量はサイレントなのであまり気にしない。
そして、だいたい30分程度で終了して、そのまま寝る。
寝る前の記憶は定着しやすいらしいから、寝る前に練習するようにしている。

ただ、夜の練習は疲れていて、なかなか楽器を触ろうと思えない。
楽器を出すのもめんどくさい。
だから、サイレントチェロを寝室横の部屋にスタンドに立てて、いつでも楽器を弾ける状態を作った。
ときどき寝起きで実力テストもしている。
これが結構効果的。

次に心理的制約

僕は、大学時代、授業以外はできるだけ練習に時間をあてていた。
だから時間的制約は少なかった。
ところが、卒業して就職すると、仕事におわれ、楽器を触る時間が取れなくなった。
加えて、仕事のストレスから時間ができても、楽器を触ろうという気持ちも起きなくなってしまった。

そして、以前の記事でも書いたけど、僕には仕事を半年間休職していた時期があった。
その期間、時間的制約はまったくなかったにもかかわらず、一度も楽器には触れなかった。

どんなに時間があっても、弾きたくないときはある。
それが1日、2日のこともあれば、1週間、1カ月、さらには何カ月、何年と続くこともあると思う。
僕の場合、1日、2日のことであれば、好きな奏者の演奏や、好きな音楽(チェロ以外も含めて)を聴いたりしていると、だんだんとモチベーションがあがってくることが多い。
でも、1週間、2週間、場合によっては僕みたいに何カ月、何年も続くこともあるだろう。

そんなときにどうすればよいのか。
僕は、弾こうと思う気持ちが起こるまで、何もしないのがよいと思う
練習できないことに焦りを感じるけど、
弾きたいと思うときが来るまで待つ。
最低限の楽器のメンテナンスだけして、あとは何もしない。

弾きたくないときに無理に練習しても、よい演奏なんてできないし、
そういうときは心も体も疲れているから、練習することでさらに疲れてしまう。

体を休め、好きなことをして過ごす。
まったく違う趣味に取り組むこともある。

練習を長期間しないとそれまで積み上げたものが崩れるような不安におそわれるが、楽器をはじめて間もない人は別として、ある程度経験を積んだ人なら、かなりのブランクがあっても体は覚えていて、すぐに感覚は取り戻せる。
だから、自分の体を第一にして、自然と弾きたいと思うまで待つことが大切だと思う。

さて、今日は午前中練習できたので、夜は朝仕込んだローストビーフと赤ワインで楽しんで、楽器は弾かずに寝るとしよう。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
また遊びに来てくださいね。

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