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僕が宮古島に来た理由は ~パーントゥだよ~

だ~いたい100個ぐらいあって~

2023/10/20(金)

嵐のように荒れた心が整ってきたので(前の記事参照)、考えたかった考え事をする。夫が関空から宮古空港に着陸するまであと30分。

10月15日〜26日までの11日間、沖縄県は宮古島に滞在中です。

これまで沖永良部島、青森、岡山、奄美大島で勝手にワーケーション(会社の公式ではない)として、仕事しつつ色んなところに行って来ました。
兄の家にお世話になった沖永良部島(3週間)を除き、この11日間は最長です。滞在費も痛いぜ〜!

何で痛いのにこんなに長くいるかと言うと、どうしても見たいものがあって。宮古島で行われる伝統行事で世界無形文化遺産「パーントゥ」です。

こちらです。3体います。

身体中に泥を塗りたぐり、その泥を手で、体で、人に塗りたぐりまくる神様です。

2018年に秋田県のナマハゲとともに文化遺産に登録されて、多分そのタイミングで露出が増えたのかな。ネット記事で見たのが最初。
この姿と、泣き叫ぶ子供、全力で走って逃げる子供、子供を差し出す大人。それらの写真に衝撃を受けるとともに、「日本にこんな祭りがあるなんて!」と、何だか途方もないような、気の遠くなるような、果てしなさを感じました。

それからちょっと経って、テレビを付けたらたまたまNHKの番組『SWITCH』でRHYMESTERの宇多丸と民俗学者の畑中章宏の対談をしていて。
岩手県の遠野で『遠野物語』を紐解きながら「妖怪」の由来と正体について話していて、それが衝撃的に面白く、自分が昔から惹かれている「祭」と「妖怪」は繋がりが深く、それが全部「民俗学」に含まれることを知った。

放映後すぐに畑中さんの著書を2冊買った。

さらにそこからちょっと経って、『SWITCH』でアーティスト・大竹伸朗と写真家・石川直樹の対談があった。
大竹伸朗目当てで録画したから石川直樹のことは名前も知らなかったけど、写真家で、エッセイストで、登山家で、世界中を飛び回り、文化人類学や民俗学にも造詣が深い。日本の来訪神の儀礼(祭)の写真集を出している。

そこで「来訪神=まれびと」についても話していて、何だか気になって仕方がない宮古島のパーントゥもこの「まれびと」に含まれていることを知った。こういう神様の総称ってあるんだ。

放映後すぐに石川直樹の写真集『まれびと』とエッセイ『地上に星座をつくる』を買った。すぐ買うよ。

このエッセイがまた素晴らしくって、面白いを超えて「この人すごい生きてるな〜!」と感じた。細胞が生き生きしてる感じが文章から伝わってくる。
影響を受けやすいので、エッセイに載ってた知床へ行き、さらに同じペンションに宿泊し、そのペンションでたまたま寺尾紗穂のピアノの弾き語りライブがあり、それが人生最高のライブになった。まだ半年しか経ってないけど、思い出せばいつでもあの場所に戻れる。

話が逸れました。そして夫の乗った飛行機が宮古空港に着いたので、続きはまた後で。

2023/10/25(水)

これ↑書いてた日から5日経って、夫が遅れて来て先に帰って行きました。
その間、めちゃくちゃ観光しまくった!車で渡れる島全部行った!人生初のシュノーケリングもした!

さて、宮古島に来た本当の理由の続きを書くぞ。あっという間に今日がパーントゥ1日目です。

2回の「SWITCH」を経て、自分の興味が「民俗学」にあることをはっきり自覚。

それとは別の流れで、沖永良部島で3週間ワーケーションした時にお隣の与論島まで足を伸ばした。
そこの資料館で、与論島ではなく悪石島のボゼの写真資料があって「な、何じゃこれは!!」とまた衝撃を受ける。

鹿児島に古くから伝わる祭だぜ?

パーントゥの時と同じ果てしなさを感じた。これが鹿児島県なの?ポリネシアとかじゃないの?
改めて、パーントゥとボゼ(NEW!)は死ぬまでに一回は見ておきたいと思った。ぱっと見理解が及ばないことを紐解きたいという欲求があるみたい。

そして、2023年1月、大阪城。
毎年、年が変わると親友と大阪城を散歩してからカフェに入って「去年できたこと」と「今年やりたいこと」を書き出すのが恒例になっている。小学生みたいでいいね。
そこに色々と書き連ねてて、自動書記のように無意識に「日本の祭りを見に行く」と書いていた。自分で「えっそうなの?行くの?」ってなった。

「私、どの祭りに行くのかな~」とぼんやり過ごしてたら春になった。

また別の友達に「私もボゼ行きたいんやけど!」と言われて、「えっ、そんなにみんなにボゼの話してたっけ!?」と思うと共に「えっ、行こう」と即答。
しかし悪石島は週2しかフェリーが出ておらず、友達の仕事が忙しかったのと、彼女の子供が小さかったので、今年は断念。坊やが大きくなったら行こうな。ボゼは逃げやしないよ。

そして夏、こんな自由な働き方をさせてくれる会社が経営のピンチに!
自分のことしか考えていない私は、気付にでかいワーケーションかましたいという欲求に!
そもそも年齢的にも、こんなに自分の気持ちを最優先して動けるのって今だけかもしれんしな~

「そうだ、パーントゥに会いに行こう。」

パーントゥは開催日程が非公開のため、遭遇の可能性を高めるためには大体の日程に当たりを付けて長期滞在するしかない。マジで今しかできないことかも。

そんなこんなで、この「パーントゥに会おう!宮古島11日間の旅」が組まれました。来訪神には会える時に会っておく!会えなくても運命と思って受け入れよう!
と覚悟を決めてとりあえず宮古島入りしましたが、開催日は運命の歯車がアレコレして奇跡的にゲットしました。滞在予定日を一日延ばして、それが今日。

この夢、あとちょっとで叶うよ。

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