私なりの1on1より、「考える」から「考え直す」へ
この記事は、Pepabo Managers Advent Calendar 2023の24日目の記事です。23日目の記事は、おおくぼさんによる2023-12-23 ささかやで大きな私の挑戦でした。
昨年のAdvent Calendarをきっかけに二つの大きな挑戦の軌跡を紹介しています。一つ目は語学の学習に挑戦し、習慣として継続してきた一年について書かれています。SNSを通じた再学習の観点が素晴らしいですよね。
二つ目のチームアプローチを取り入れ、スムーズな学習環境構築を提案した話は、非常に意欲的で、その成果もすばらしいなと感じました。ぜひ、お読みください!
さて、私の記事では1on1について語りたいと思います。
2021年に確立した私なりの1on1
SREチームのマネジメントに従事していた時の紹介記事より、1on1に関するアプローチについてふりかえりたいと思います。
当時は、回数を増やすことで気軽にメンバーの話を聴く環境づくりを意識していました。「新たな気づきを得ることを目的としています。」と文中にあるように、気づき促すことが1on1の目的の一つだと思っています。
傾聴とコーチングを基本として、相手の状況に応じてティーチングを適宜取り入れていました。もちろん、相手が自ら学ぶことを重視する、いわゆる「魚の釣り方」を教えるようなアプローチも心がけていました。
また、対話を大切にしながら、Notionを使って相手の発言を文書化し要約することも必ず実践していました。
この意図は、毎週ふりかえりができるように、過去の文章からも気づきをえることができるようにしています。また、要約により、私自身が相手の話を理解しているのかの確認を取る際にも活用しました。
もちろん、相手の姿勢や態度や表情を見ることが対話において重要です。手元で書きながら話を聴く態度は果たして聴けているといえたのでしょうか。これも、事前にルールのような確認と信頼関係構築が必要に思います。
このように、これらの手法の良し悪しは本や文献を参照しつつ確立した私なりの1on1です。果たして、この1on1。理論と実践のバランスがとれていたと言えるのでしょうか。と、自分にも読者の皆様に問いかけてみます。
1on1 with Oneの考案と学び
2022年頃の私は1on1ミーティングを自分が見るチームを超えて横展開していました。つまり、部署関係なく1on1を実践していました。その際に、1on1のやり方を伝える工夫に「1on1 with One」を考案しました。
1on1 with One
簡単にいうと、3人参加で1on1をします。2on1とは異なります。
これは、1on1ミーティングに参加する自分と相手に加え、別の人物「One」がフィードバック役として参加します。この「One」の役割は、対話の内容や相互作用を客観的に観察する立場です。
通常の1on1を実践しつつも、「One」にあたる人が二人のやりとりより気づきを得ることができる点がメリットです。1on1のコーチ役のやり方を伝えることができますし、コーチ役へ質問やフィードバックすることができます。
「One」役になってもらった人は、一言も発言せずに観察に終始してもらうようにしています。オンラインなら最後までミュートです。この成立の前提に、メンバーとの事前の信頼関係構築がもちろん重要です。
実際に実践したときには、私は1on1側に立つことで、「One」側からフィードバックを受けることができました。また、やり方を見てもらうことで会話のテンポや聴く姿勢を伝えることもできたと思います。
これも一種の気づきの手法に思います。
散歩 1on1でリラックスした関係づくりの大切さ
この「One」役になっていただいた方から受けた間接的なフィードバックに「散歩 1on1」を教えてもらいました。名前のとおりですが、外に出て散歩をしながら相手のお話を聴くやり方です。
これはいいことを聞いたと、早速実践しました。やってみたところ、従来のオフィス内での対話とは異なる環境の中で自然体で会話ができることに気づきました。
あと、散歩することでリラックス効果が高まりますし、運動にもなるので一石三鳥ぐらいの効果があると感動しました。そして、自然と笑顔になる魅力的なアプローチの1on1でした。
自分なりの1on1だけではなく、他者の1on1から気づきを得た例です。
まとめ
過去の1on1の方法のふりかえりと、他者のアプローチからの学びより、新しい洞察を得て常に自分のスタイルをアップデートしてきました。異なる視点を取り入れることは、1on1の効果を高めるためにも重要です。
ちなみに私も、去年のAdvent Calendarに参加しており、2022年にマネージメントを意識して読んだイチオシの本10選を紹介しています。この中に1on1についての本もいくつか読んでいますが、2023年もまだまだ勉強中です。
リラックスした環境づくりにはコーチングとティーチングに加えて、カウンセリング視点も重要だなと思うようになりました。社会心理学や組織心理学の本を読んできましたが、教育学も必要そうです。
広義のカウンセリングには、自己成長を促す側面があります。改めて、質問側の問いが重要なことに気付かされます。そのためには、私自身が本気で生きていて真剣だと伝わる対話の鏡となる必要があると感じています。
マネージメントの職から離れた今でも、1on1のアプローチは不定期に続けています。誰かを支援したいと思う際には、これらの考えをバージョンアップしながら今も活用しています。
1on1はさまざまなアプローチがあると思います。今回紹介したのも、あくまでも私なりの1on1です。いろんな書物や他者の影響で育ててきました。これからも、「考え直す」視点で人やタスクのリレーションに関わりたいです。
そして、書くこと。書き直すこと。これも自分の考えをアップデートする方法の一つです。書くことは考えること。書き続けるとは考え直すこと。常に書き続けたいと思います。
参考書籍
今年読んだ本の中から、特に影響を受けたものを紹介します。1on1のアプローチをアップデートするのに役立った書籍が中心です。興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。いわゆるオススメ本です。
THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す。
あの、GIVE & TAKEの著者アダム グラント。ORIGINALSもオススメ。今回のまとめに寄与した本です。今、この本の考えをベースに活動していると気付かされました。
考えるから考え直すへ。謙虚を持った再考へ。人から感情と事を分けることにつながる。分けるからわかる。価値観を大事にして信念に固執せず。これらを私の1on1では実践していきたいです。
はじめてのカウンセリング入門(上)―カウンセリングとは何か
広義のコーチングについて紹介されています。本気で生きること。これがコーチングに求められる覚悟に感じました。アドバイスじゃなくて自己成長を促す話が書かれています。
自己決定のプロセスに責任を持つのが1on1でもコーチの役割に思います。THINK AGAINでも説明責任について語られており、相手の意思決定に対してプロセスとして関わる責任については忘れないようにしたいです。
はじめてのカウンセリング入門(下)―ほんものの傾聴を学ぶ
何かを欲するからきちんと悩む。気づきをテーマにカウンセリングの歴史と手法を語っています。認知行動療法以外にもやり方があることを知ることができます。主に自己成長論なので、傾聴から学びを得ることができます。
初めは、余計なことを言わずに解決しようとせずに評価しないことが大事。
次に「……」となる語りの「間」を聴く側が待てることがポイントに思いました。だからこそ、相手の態度を観察することが重要に思います。
他にもいくらでも紹介したいですが、今回は3冊まで。今年読んだ本まとめのときにまた紹介したいと思います。常に他者と書籍と世界から学びとアップデートの日々です。
※ 画像は、ChatGPTのDALLEより。
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