生クリームの無いパフェのよう
[なんでもないや]という曲が好きです。
映画『君の名は』の挿入歌としてリリースされたこの曲。
夕焼けが夜に近づいて、星が見え始める時間に無性に聞きたくなります。
曲を聴いた後に振り返ると伴奏にも印象に残る音が多く使われているのですが、曲を聴いている間は伴奏の音が広大な景色となって、歌声だけがその景色の中に響いているように聞こえてきます。
だからなのか、どこか温かくて、なぜか孤独。
この曲との出会いは、『君の名は』を映画館で観た時。
浅はかだと言われるかもしれませんが、この曲を聴いて、めっちゃ韻踏んでるじゃん!!と思いました。
なんなら映画を見終わって一番に友人と話した話題は、この曲の韻についてでした。「最後の曲、めちゃくちゃ踏んでたよね??」
今思うと、あの壮大な映画を観た感想としてはずれてた気もします。
(そのあとしっかりと、映像がきれいとか音楽がきれいとか、新宿じゃんとか、瀧くんが手のひらに書いたあの内容はどうだとかの話もしているのであまり睨まないでください。)
そこから時が経って、ふともう一度この曲を聴きたくなりました。
改めて聞いてみると、映画館で次くる韻は何かと考えていた自分に、もっと曲の中身を味わいなさい!といいたくなるような歌詞でした。
一番好きなのは、クライマックス前の部分。
君がこの世界にいなくても、自分は生きていて、時は流れていく。
でも8月が楽しみな最大の理由である夏休みが無い。
ただの暑い毎日。
自分が生きられなくなるわけではないけど、君と一緒の方が遥かに幸せ。
この感情を8文字で比喩できるなんて。
夏休みが無いなんて、きっと数年すれば慣れてきます。
でも夏が来るたびに夏休みって楽しかったなとふとよぎるはずです。
こないとは分かっていても、今年は何かのラッキーがあるんじゃないかなんて考えちゃったり。
この歌詞を知ってから、八月が来るたびに、私は誰かの夏休みになれているのかなと想像するようになりました。
私にとっての夏休みの無い八月って何になるのだろうと考えてタイトルをつけてみました。
響かないですね。
ベースをパフェにする事で、結構生クリームが無くてもワクワクじゃんね、と思ってしまう比喩になりました。
でも、
私は君がいなくても毎日楽しく生きてるよ。
友達と遊んで自分の趣味も楽しんで、色々味わえるパフェみたいな毎日を。
でも一番好きな生クリームはトッピングされてない。
フルーツも、チョコケーキも、コーンフレークも生クリームと一緒に食べるともっと美味しくなるのがパフェの好きなところなのにな。
こんなメッセージとして捉えてもらうこともできそうです。
想像のゆとりを与えてくれる比喩が好きです。
そんな話でした。
私は非常に生クリームが好きなので、この世の全員が生クリーム好きと錯覚してしまう瞬間があります。
一瞬だけでいいので生クリームが大好きになった気持ちでこの文章は読んでください。
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