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FUJI ROCK FESTIVAL '23 Day3 感想+ゆる総括

今更ですが行ってきました。メモ書き程度の備忘録です。
↓ Day2

今日もテント内灼熱地獄のため7時前に強制起床。すぐに雪ささの湯へ向かって休憩スペースでゴロゴロのルーティーン。Homecomingsも観たかったが、直前のつくばロックフェスでも観ていたのと、ホワイトまでの往復という高すぎるハードルの前に断念。俺は弱い。
開演前、アーティストグッズ列が待ち0人だったのでフラッと覗いたらストロークスTが1サイズだけ残っていたので購入。全体的にDay 2と比べると混雑も落ち着いていたような。

Yard Act @RED MARQUEE

最新作も予習して結構期待度の高かったアクト。捲し立てるような饒舌なボーカルとダンサブルなビートはライブで更に魅力が深まるようだった。音源よりもディスコ・パンクな雰囲気が増していたような。とにかく演奏中もMCでもボーカルがステージを動き回って客を煽りまくる。気取らず熱を持ったパフォーマンスで素敵だった。TLでも称賛の声が多く、12月の来日に向けて良い布石を打ったはず。個人的にはオープニングアクトだったので、完全にバンドのテンションには追いつけないところもあった。

OKI DUB AINU BAND @FIELD OF HEAVEN

この手のヘヴンのアクトは間違いないっしょと事前知識ゼロで臨む。キーボーディストがHAKASEに似ているな…とか思って見ていたら普通にHAKASE本人だったくらいの知識レベル。
サイケデリックかつダビーな乱反射の陶酔にアイヌ楽器が取り込まれているアンサンブルに心地良く揺られた。ムックリのアンサンブルだけで1曲突き通したり、アイヌ伝統の数え歌を落とし込んだようなパフォーマンスなどユニークなステージで良かった。終盤の曲で求められたコールアンドレスポンスが複雑で、練習時間を取って10回ほど繰り返してもまだ怪しくて笑った。ムズいっす。
とにかく終始ドラムがべらぼうに上手いことがビシビシと伝わってきた。ビートを繋いでいる時間もダイナミズムもスネアの一発も、どれを取っても冴え渡っている。ドラマーの沼澤尚という方はチャカ・カーンなど錚々たるアーティストのサポートを務めていたようで、国内外でレジェンドと呼べる功績があるよう。存じ上げませんでした。

ROTH BART BARON @FIELD OF HEAVEN

3日目の疲れた身体×繊細な音楽=死亡。単独を観に行ったこともあるくらい好きなアーティストだが、わりと序盤で前方を抜けて後方の椅子でウトウトしてしまった。フジの夕方って疲労と集中力の途切れで上手くチャンネルを合わせるのが最も難しい時間帯だと思う。残念。

100 gecs @WHITE STAGE

ROTH BART BARONがそういった調子だったので、こんな疲労感の中で100 gecsのハイテンションを浴びて楽しめるのだろうか…?と始まる前は不安に思っていたが、結果的には完全に逆で、むしろ一周回って元気になれた。脳を素通りして身体に直接響くような音楽は正義。
ステージには楽器が1つも無く、ラップトップにハンドマイク2つで行うカラオケ大会。VJすらほとんど無かった潔さ。バリバリのオートチューンと打ち込みのビートでオーガニックとは真逆のサウンドだが、MCでは苗場の自然への愛情を語っていたりして「ホンマか?」と疑ってしまうのが面白かった。
カラオケなので当たり前なのかもしれないがサウンドの質も高かった。マーキーとかヘブンだと音響ごちゃっとしてるだとか高音痛いと感じることあるけれど、ホワイトは爆音でもそういったことが少ない気がする。
me me meやHollywood Babyなどの音源でお!と思っていた曲はやっぱり痛快だった。偏見ですが、オタクはハイパーポップが好き。自分にとってこの扉を開けてくれたのはCharli XCXなので彼女には感謝したい。

YUKI @GREEN STAGE

ジュディマリの曲とうれしくって抱きあうよだけ知っているくらいの知識レベルの中、まぁ一応見ておくかと興味本位で足を運んだが、結果的に今日1番衝撃を受けた素晴らしい出会いだった。
My Visionの途中あたりでグリーンに到着。まず齢51歳にしてこの3日間で目撃した誰よりもパワフルな歌唱を披露していることが衝撃だった。何層ものフリルが重なった純白の衣装や、スポーティーなスニーカーで跳ね回りながら歌うパフォーマンスのすべてが若々しくて素敵すぎる。子供のような笑顔も可愛らしい。
今まで全く触れてこなかったソロ楽曲の質の高さにも衝撃を受けた。2曲目のふがいないやもJOYもすぐに代表曲とわかる素晴らしいメロディーで、後方で座っていられずダッシュで前方アリーナに向かった。

Baby, it’s youもめちゃくちゃ良い曲。サビの伸びやかな歌唱やバンドセットならのキメの強度がハマっていてライブ映えも素晴らしかった。最新作にしっかりこういう曲があるのが良い。
唯一事前に知っていたうれしくって抱きあうよはやはり大名曲。今日新しく聴いた曲の中ではふがいないやと並んでヒットしたのが後半のランデヴー。全編で切なげなムードも漂う中で、背中を押すようなチアフルで力強い響きもあり、初見なのにウルッと来てしまった。
YUKIさんの発言や一挙手一投足に可愛い~と湧く観客、代表曲で合唱している大人たちも多く、ハッピーなムードが伝わる良い空間だった。
総じてマジで感動したよYUKIさん…。今年のフジロック終了後にも最も聴き返しているアーティスト。彼女のパフォーマンスに完全にやられ、直前まで決めきれていなかったFKJとカネコアヤノ、WeezerとLizzoの被りに対して、ディーヴァに捧げる1日にしようと腹を決めることができた。
終了後、近くの親御さんが子供に向かって「昔の音楽やってる女の子はみんなYUKIになりたかったんだよ」と話していてめっちゃくちゃ良かった。時代のディーヴァってそういうことよな…。
去年のクラムボンもそうだけど、ふらっと見るグリーンの邦楽アクトは期待を大幅に超えてくれることが多い。

Back Midi @WHITE STAGE

YUKI終わりに後方に接続して軽く見物。野獣的としか言いようのない超エネルギッシュなドラミングがカッコいい。YUKIの余韻で脳の回路が歌モノのチャンネルに切り替わっていたこともあり、のめり込むことはできなかった。

カネコアヤノ @WHITE STAGE

Wind Parade ‘22以来1年振り、タオルケットは穏やかにのリリース後は初めてのライブ参加。歌唱の力強さとバンドのラウドなダイナミクスは年々迫力を増しているが、もはやその曲線はリニアなものではなく、非線形にネクストステージに突入したと言って良い進化の仕方だった。見る度に前回の記憶をかき消す勢いでデカくなる彼女の存在には圧倒されるばかり。本当にこの人はどこまで行くんだろう。見るチャンスが多いから今回は良いかなとかでなく、フェスにいたら必ず見ようと心に決めた。
愛のままを、さよーならあなた、グレープフルーツなど、緩急の大きい曲の仕上がり方がちょっと凄まじかったな。さよーならあなたをライブで観れたのは初かも。スローダウンしたパートの伸びやかな歌声の美しさと、ギアを上げる瞬間のがなるような歌唱のカッコ良さ。
気分の繊細のファルセットも素晴らしかったな。後半のノイジーなギターが炸裂する轟音パートも壮大だった。この曲もラウド&クワイエットの徹底が素晴らしい。総体としてのバンドの迫力がどんどん増している。
アーケードの会場内の盛り上がりはちょっと凄かった。パッパーパパラッパパパッパーパ♪の大合唱。勢いに任せた荒っぽい歌唱がなんともカッコ良い。誰かの言うこと聴きたく ッない!
わたしたちへでは完全にシューゲイザーを消化した轟音を披露。近くの外国人グループが合唱していて、そのコミュニティもカネコアヤノも凄いなと思った。結構外国人も多く見ていたのが意外だった。

Lizzo @GREEN STAGE

とにかくU.S.Aな圧巻のスケール。パワフルな歌声でもってグリーンステージを力一杯包み込んでいた。5人以上のダンサーを投入した派手なステージングだったが、スクリーンにはLizzo以外のメンバーや全体のフォーメーションがわかるようなショットが映ることが少なく、そこは少し残念だった。
バンドメンバーも含めて全員女性。メンバーそれぞれにスポットを当ててソロ回ししていく中で、ギタリストの方はリーゼントなルックスもギタープレイもハードロックド真ん中でカッコ良かった。長尺のソロもアツい。
中盤、客席を映してファンメイドのグッズなどにサインしていくほんわかしたセッションがあったのが面白かった。ファンからの贈り物も愛のあるものばかりで感動を誘われる。Japan!!ではなくニッポン!だったり、オーディエンスと近い目線でパフォーマンスをしてくれていることを感じた。
後半のセーラームーンの変身シーンをモチーフにした衣装も素敵だったな。近年の海外アーティストからのセーラームーンの引用のされ方は凄まじいものがある。AKIRAやNARUTOと同等かそれ以上に見ることが多いのでは。
近くにいた母娘3人くらいの英語圏のグループがとても楽しそうだったのが印象に残っている。この子ら含めて未来を生きる世代にとって、LizzoがLizzoでいることはとても素晴らしいことだなと。

きゃりーぱみゅぱみゅ @SUNDAY SESSION

自分は2017年のSpotifyの年間再生回数1位が原宿いやほいだった男。きゃりーを見据えてLizzoもマーキー側に陣取り、ダッシュで移動した。とは言えライブパフォーマンスを追っかけるような聴き方はしていなかったため、どんなライブをするのか完全に未知数で臨む。
結果、死ぬほど楽しかった。DE.BA.YA.SHI.2021やどどんぱなど、ゴリゴリにクラブ仕様に調整された楽曲で果てしなくブチ上がる。どどんぱの野性的なビートのカッコ良さたるや。3日間の疲労すべてが吹き飛んでランナーズハイに突入し、ジャンプしまくり歌いまくりで楽しんだ。
原宿いやほいはクラブ向けの助走と山場が完璧に設計されていて最高でしたね。サビで力の限り拳を突き上げ、オイオイ絶叫する大人たち。2017年の俺も悔いなく成仏できたと思う。
ほぼMCなしで40分を駆け抜けるセット。PON PON PONやキミに100パーセントを外していたのはクラブ仕様のセトリに調和させるのが難しかったのかな。
純粋な楽しさだけで言えば3日間のすべてのステージでトップだった。オーディエンスの反応もダントツで、にんじゃりばんばんではマーキーの屋根がぶっ飛ぶくらいの大合唱が響いていた。CANDY CANDYとかつけまつけるとかシンプルに良い曲すぎてヤスタカってやっぱすげえわと。国民的ポップスター恐るべし。最高に楽しいクロージングアクトだった。

きゃりーですべてを出し切り、清々しい気持ちで会場を後にする。
3日目のトップ3を選ぶならYUKI、カネコアヤノ、きゃりーになる。我ながら邦楽フェスに来たのか?というラインナップだけど、1日くらいはこういう日があっても良い。

ゆる総括

初めての3日間参加。なんとか走りきったというのが正直なところで、帰宅翌日から喉の痛みが出始め初のコロナ陽性。過酷な環境に身を置き続けた4日間だったのであーやっぱりねではある。シャワー後に髪を乾かしきける環境もなければ睡眠も満足に取れない。免疫なんてあったもんではない。これに凝りて来年からは絶対に宿を取るぞ。

3日間のベストアクト候補を上げるならそれぞれの日でこんな感じ。
Day1:Yo La Tengo, The Strokes
Day2:Louis Cole
Day3:YUKI、カネコアヤノ、きゃりーぱみゅぱみゅ

一つに絞るならやっぱり好きが溢れたYo La Tengo。期待値を最も大きく越えてきたのはYUKIさんで、フェス終わってから1番聴き返しているのもYUKIさん。ほとんど知らなかったアーティストとこんなにも幸福な出会いができて、フェスの醍醐味を感じられて幸せだった。また来年もよろしくお願いします。

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