奏でる



 遠き日に交わした言葉は
 前を見て進むための
 確かな道標となり
 胸の奥 温かな場所で
 今も鳴り響いていた
 
 強く生きること 教えてくれた
 傷付くことを厭わず 気高く
 その真心を貫き通す君の姿が
 
 残された香り 四季を奏でる
 夢幻(ゆめまぼろし)ではなく
 痛みを伴い 教えてくれるは自分の鼓動
 
 まだ在りのままの姿で生きている
 大切なもの見失わないでいられるのは
 雪月花の如く清らかな 君の言葉があったから
 
 巡る季節に重ねる旋律
 守り続けたい 自分自身の信じた唯一
 この灯火が消えるまで
 どうか鳴り止まないでいて
 
 
 想いは遥か 消えない言葉は
 転んでもまた立ち上がる
 理由と力 手渡してくれた
 脆く優しい 心に触れた
 今も鳴り止まない命
 
 弱いままでいいこと 教えてくれた
 震える両手を 差し伸べてくれた
 その誠実さ貫き通せる 君の心を
 
 残された輪郭 刻を奏でる
 夢幻ではなく
 苦しみ伴い 教えてくれるは君の生き様
 
 全て背負いながら尚生きている
 大切なもの見失わないでいられるのは
 岩清水の如く澄み渡る その花笑みが見られたから
 
 過ぎ去る年月 重ねる旋律
 戦い続ける 信念と大切なもの胸に秘め
 この灯火が尽きるまで
 どうか鳴り止まないでいて
 
 
 残された温度 優しさ奏でる
 夢幻ではなく
 重みを伴い 教えてくれるは生き方の選び方
 
 まだ在りのままの姿で生きている
 呼吸を続けることができているのは
 涙雨の如く美しい 君が癒そうとしない痛みを
 大事な痛みを知ったから
 
 移ろう景色に重ねる旋律
 守り続けよう 譲ることのできない心の奥の奥
 この灯火が消えるまで
 鳴り止まない 強い 音色を



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