見出し画像

金で命が買えると信じた義父

2020年に義母が亡くなった。
その1年後、義父の兄が亡くなった。
義父は自分の兄を大層煙たがり、
馬鹿にして過ごしていたけど、
亡くなる前に1000万円以上の
お金を受け取っていた。

お金をもらったことは自慢げに話して
いたけど、いくら貰ったかは隠していた。
強欲な義父が貰ったお金に興味も
湧かなかった。

義父は早速、車を買い換えた。
その当時で83歳。
お金を受け取った4ヶ月後に体調を崩し始めた。

「俺には金がいっぱいある。
あんたは仕事をしなくて良いから、俺の世話をしろ」
普通に人生を学んできた人間なら、恥ずかしくて
言えないことを当たり前のように言ってきた。

義父は嘘つきなので、人にお金を分けると
言うのは口先だけだとわかっていた。
それでも、私が通院と食事の世話はしていた。

どの病院でも、年齢と体力を考えれば手術は
したくないと断られた。
3つ県をまたいだ病院で、手術と先進医療ができる
ことになり、その通院の付き添いも、泊まり込みで
私が付き添いった。
義父の病院だけで何十回付き添ったことか…。

義父がお金を受け取ってから8ヶ月目。
2ヶ月間の入院で手術と治療を終え、家に戻った。
「俺は大金で癌を治した。」
「命は金で買える」
と近所の人や知人に言いふらしていた。


そこからしばらくは体調も順調だった。
2023年になり、癌が再発。
「あんなに金を掛けたのに1年も持たない」
そう文句を言いながら、また遠くの病院への
通院が始まった。
もちろん私が付き添った。

入院日が決まると、今度は腰の圧迫骨折。
1ヶ月、市内の病院に入院した。
退院し、数日後には他県で先進医療の
治療をしたいと言い出した。
送るだけでも、片道6時間。
車にマットレスを乗せて、夫が運転をして
病院には私が付き添う。
それが何回も繰り返された。

退院して、まるでさり気ない会話のように
義父が600万俺に渡せと言ってきた。
理由は、
「兄から貰ったお金(1100万)が
100万円しか残っていない。
自分は治療したから、まだ2〜3年生きるだろう。
100万円じゃ足りないから、600万円よこせ」

拍手喝采のサイコパスの台詞、
当たり前にお金をもらえると信じて疑わない義父。
自分のことしか考えられない言い分に、呆れ返って
胃がひっくり返りそうだった。

私は全身全霊で、義父の言い分を跳ね除けた。
それでも義父は理解などできない。
後日、決算書を渡し、私は寝込んでしまった。

数日後、俺が悪かったと謝ってきたが
それもいつものことだ。
その数時間後には、自分が言ったことも忘れて
平然と生きている。

義父はずっと、夫と私の誠意に対して裏切り続けている。
「お前らが苦労するのがわかっても、自分の欲が勝つのだ」
と当たり前のように語っていた。

自分が生き延びる欲、食欲、物欲、我欲。
それを満たせるなら家族が苦しもうが関係ない。
そのスタンスでずっと同じことを繰り返している。

それでも私たちは見捨てられず、家族だからと許した。
その優しさが、義父をさらに傲慢にした。

2回目の治療から5ヶ月で癌の転移が発覚。
去年(2023年)11月のことでした。

「ババア(妻)から逃れて、せっかく大金を手にした
のに、たちの悪い病気になっちまった。」
とぼやいていた。

天界からも、なかなか呼ばれず
地の時代そのまま、
エゴを増長させながら生き延びる人間がまだいます。

私は義父のエネルギーに、同調しないように
気をつけて過ごすのが一番大切なことです。

一日も早く
目の前の現実から、思考から
義父が消えてくれるのを待っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?