05リザードマンの社会生活_のコピー

05リザードマンの社会生活

 リザードマンをご存じだろうか?
多くの人はリザードマンの事を知らずに生活を送ることになるだろう、
何せ彼らは、我々の想像だにしない世界に住んでいるのだ、
そうとなると、日常生活でリザードマンを見る事は珍しい事であり、
リザードマンの社会生活を見る事はもっと珍しいことになる。
これはリザードマンの社会生活にスポットライトを当てなければなるまい!
リザードマンとはとかげ人間のことである、
とかげであるのに人並み、いや人以上のスペックをもって、
密林で厳しい生活を送っている、脅威の生命体のことである!
我々は彼らに学ばなければならない!
毎日を生きることの過酷さを! では! いざリザードマンの社会生活を!
体験してもらいたい!
 いこう! 想像の世界へ!


1、リザードマンは熱帯の湿地帯に住んでるよ。


さて、リザードマンの住処が分からなければ、我々の想像力を、
もってしても、世界を見通すことが出来ない、これは確実だ、
 だが、熱帯の湿地帯、どろぬまに住んでると想像すると、
とかげにんげん、リザードマンが、どれだけ、面白い暮らしをしているか、
想像出来ることだろう、そら楽しい事だろう、うんうん。

実際、彼ら、リザードマンは、湿地帯で狩りをしながら、
生活をしている、主に肉食であり、草食のリザードマンも居るが、
今回は雑食のリザードマンということにしておこう、
虫も食えば草も食う、そして鳥やイノシシも食べる、
当然、人間の食べるものは食べるし、人間もたべちゃうかも!?
 そんなリザードマンの狩りに密着して見たいところだ、
いざリザードマンライフを!
「まあ、トカゲだぎゃ、やることはきまってるぎゃ!」


2、リザードマンは鳥を食べるよ!

 リザードマンの武器とはなんだろうか?
鋭い牙? 鋭い爪? それとも丈夫な尻尾?
いや、必殺技は! リザードマンキックだ!
強力な足の爪をともなった、
充分な脚力を持ってした蹴りは、
ウマの後ろ蹴りよりも怖い鋭い鋭い一撃になる!
みたまえ! リザードマンの一撃が、
巨大ニワトリに炸裂するその瞬間を!


「やったぎゃー! 大収穫だぎゃー!」

 巨大ニワトリは熱帯地方に住む大きなニワトリで、
めちゃくちゃ美味しいので、とかげにんげんである、
リザードマンは大好物だし、僕ら、人間も大好きだ。
とっても美味しいし、意外と脂はのってなくてヘルシー、
いくらでも食べられるから、逆に太ってしまうかもだ。

「首根っこ噛みきって、血抜きするだぎゃあ」

リザードマンが、巨大ニワトリを鋭い爪と牙で、
見事にさばいていくと、これで、今晩も一日中も、
美味しく巨大ニワトリを御馳走に出来る、
万歳だね! リザードマン!

「村のみんなもよろこぶだぎゃ!」



3、リザードマンは穴倉を住処にしてるよ。


ん? リザードマンは泥沼の中で暮らしてるのかって?
いやいや、さすがに、泥沼の中はナマズを取るために、
たまに近寄る感じで、実際は泥沼の湿地帯の近くにある、
穴倉をすみかにしてるよ!
 今回のリザードマンは人間並み、いやそれ以上に、
巧みな力を持っているから、岩場に穴を掘って、
そこに穴倉作って、皆で集団生活をしてる。
 こういう穴倉はいざという時、役に立つ、
非常に機能的なんだ! 隠れるのも良し、
皆で涼しく暮らすも良しで、万々歳だね!
こういう毎日を送ってる彼らだから、僕たちも、
ちょっと彼らの穴倉をのぞいてみようか?


なあに、怖いことはないよ、

「いくだぎゃ! 我らリザードマンのすみかの中に!」

リザードマンはいきなり人を襲うようなことはしない、
人が敵意を示して武器で襲ってくるほうが多いくらいだ、
何故なら、冒険者という人種にとって、
リザードマンは雑魚的に見えるらしいからね、
でも大抵返り討ちにあって、痛い眼みるから、
僕らはリザードマンを絶対に舐めちゃいけないよ!
キックで軽く、死ねるからね!

「なにを話してるのぎゃ?」



4、リザードマンが崇拝するものとは?

 ところで、僕たちには神様仏様芋虫様が居てくださるけど、
リザードマンには同じように、人と同じように、
みんなでお祝いしたり、お祭りしたり、神棚に飾ったり、
捧げものをしたり、お賽銭を上げたりするものがいるのかな?

「いるぎゃ、穴倉の奥におわすお方だぎゃ!」

ま、まじで? リザードマンにも信仰がある?
信じるものがある? というか、神様が存在するの?
現世に存在するってことなのか? それは神秘的!
いや、本当に怪奇現象、素晴らしいかもだ!
それは凄い事だ! 大発見だ!
いざリザードマンの崇め奉るものを目撃せん!

「騒ぐなだぎゃ、お怒りをうけるぎゃ」

すみません。


おおおおー!!! 大きなみ、ミミズー!!!!

「失礼な! ワーム様に謝るだぎゃ!」

わ、ワーム? ワームと言えば、西洋でいうところのドラゴンで、
その中でも悪竜と名高い、うねうねしたながーいドラゴンのことでは?
竜のことではないだろうか? わたし達は彼らの信仰が、
竜を中心にしていることに驚愕した。

「ワーム様は我々の湿地帯を支えてくださる、
 恵みの雨をもたらしてくださる、大事なおかただぎゃ!」
「そうだぎゃ、我らリザードマン全員に、
 確かなる指針を与えてくださるおかただぎゃ!」
「そうとわかればお前も、ワーム様に、
 お祈りするだぎゃ!」

は、ははー!!
ワーム様! ワーム様万歳!

ん? ワーム様の様子が?



5、ワームから生まれたその存在とは?


「た、大変だぎゃ! ワーム様が産気づいたぎゃ!」

え、神様って産気づくものなの?
というかどこから産むんだろう?
生命の神秘を感じるけど、
リザードマンが生まれるのかな?

「お、おまえ、離れるぎゃ!
 ワーム様が今、産み出そうとしてるのが、
 分からんぎゃか?!」

おおっと! ワーム様がお命を産み出そうとしてる、
してらっしゃる!

と、おええー!!!??? びっくりだ!! こりゃあ!

吐いた! ワーム様、吐いたよ!
というかリザードマン、無表情に見つめててマジ顔だよ!
全員、同じ表情で不気味だよ! 素の顏そんなのなの?

「黙るぎゃ! お前には見えんのかぎゃ! あのお姿が!」

そう、その姿こそ!

「ワームリザードレディ、ワーム様の分身にして、
 ワーム様のご意志を承ったいわば神の眷属、
 リザードマンどもよ! 我にひれ伏すがいい、
 我は、お前らリザードマンに幸運をもたらす!
 吉兆であるぞ!」

「は、はははーだぎゃーーーー!!!!」

リザードマンが、こんなに地べた這いつくばるの、
見たのはじめてな気がするけど、
とにかく、とかげにんげんとは一角を介した、
みみずにんげん? いいえワームにんげん!
その姿は異様だ! しかもレディ!
これはレディファーストの予感!?

「みんな! 大変だぎゃ!
 侵入者だぎゃ!」

あれ? 吉兆というか災厄やってきたこれ?

「侵入者? そいつがぎゃ?」
「あ、あわわわわわ」


6、天から落ちてきた、リザードマンの吉兆。


それはリザードマン洞窟の天井から降ってきた、
というより天井に空いている、明り取り用の天窓から、
落ちてきたといったほうがいいけれど、これは吉兆なの?
それとも?

「に、人間だぎゃ! 人間の女だぎゃ!」

「こ、これは大変だぎゃ!」

おう、どう大変なんだよ、ことと次第によっては怒るよ?

「あいたたた、し、しまった、リザードマンの巣がこんなに近いだなんて、
 表から入ろうと思ったのに、うっかりこんなところからごめんなさい」

誰だ! この人間は! 何者なんだ! リザードマンに食われたいのか!

「言い伝え通りだぎゃ!
 まさに、吉兆!
 ワームリザードレディ様の言うとおり、
 この地により多くの繁栄が訪れたぎゃ!」

どういうことなんだってばよ!?

「その人間、天から現れしとき、
 地を這いし我らの宿願を叶えるため、
 我らの信仰を高みへと向かわせるであろう!」

「そうだぎゃ!
 言い伝えの人間が現れたぎゃ!
 名乗るだぎゃ! 名乗ってほしいだぎゃ!」


「わ、わたしは」

君の名は?


7、その名はミココ、リザードマンの巫女になる。


「わたしの名前はミココ、
 冒険者です」

また、冒険者だってさ、冒険者ってば、
すぐに原生生物を敵だとみなして襲い掛かる乱暴者ばっかり、
やんなっちゃうねもう、

「近くの村でリザードマンに生贄を出すというので、
 黙ってはいられず、私がかわりに行くことになって、
 あとは、ご存じのとおり、こうやって落ちてきた訳ですが、
 お願いです! 生贄という蛮習を今すぐおやめになって下さい!」

 大層な言い分だ、冒険者とやらは命知らずとみえる。
ワーム様を崇める我らにとって人間など畏れるに足らぬ。

「言い伝え通りだぎゃ!
 その人間、リザードマンの風習を改めさせ、
 我らを、ナーガ様への道へと目覚めさせる!
 ワーム様とナーガ様がつながって、
 地を這う運命の我らに天への道を開かせる! だぎゃ!」
 

 おうおう、リザードマンも随分、饒舌なもんだな、ってどういうこと?

「お願いだぎゃ! ミココ! いやミココ様!
 我らの巫女になってほしいだぎゃ!」
「そしてナーガ様を呼び出してくだされだぎゃ!」

これにはミココも困惑、
「わ、わたしが? 巫女!? ですか?」
だがしかし、これはミココにとってもチャンスなのでは?
特に、生贄の蛮習を封印させる良い機会なのでは?

「おねがいだぎゃー! 生贄をやめますから、お頼み申しますだぎゃー!」

「それなら! 私に! 任せて!」

 ミココは祭壇に招待されると、
リザードマンの群れと共に祈り念じろささやけ! つぶやけ!
魔術の言葉が念じられ、それに同調してミココは呟いた。

「ナーガ様! どうかそのお姿をミココに見せてください!」

すると、祭壇はひび割れ、中から巨大なナーガが現れた!

「こ、これがナーガ様!? なの!?」

「あ、あんぎゃー!!!!!!!」

 リザードマン騒然! 顎を外さんとばかりにあんぐりする!
なんとミココはリザードマンの巫女として無事に、
ナーガ様を召喚に成功してしまった!
ひび割れた祭壇から首をのばしたナーガ様が、
ミココに取りつくように周りを周回して、
なおもリザードマンを驚かせる!

「ナーガ様! ナーガ様だぎゃあ!
 全地を這う者達を代表した、
 この世を作り替える蛇神さまナーガ様!
 天にも昇るこの想いだぎゃあ!」
「うっうっ! 我らの悲願がついに! ついにかなったぎゃあ!」

 ナーガは大きな体躯をして、
輝くカラダをしかと皆に見せつけた。
我々は脳裏にナーガをを焼きつけて、心新たに、
これにのぞむことができるのだ。


「でも、私、巫女として大丈夫かしら?」

まあ、ナーガ様呼び出したからな! 充分じゃないかな!


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