夜の散歩が好きだ。
夜の散歩が好きだ。
外に出て、家の前の車道に、車も人もいないとうれしい。
ふらっとあたりを歩きたくなる。
さっき通り過ぎた家の生け垣をこえてきた名前のしらない花のにおい。
マンホールの下を流れる誰かのお風呂の排水の音。
街灯とたたかっているオリオン座。
それらとぼくしかいない。
独り占めの夜を過ごしている気分になる。
この世界を征服したような満足感、自分だけしか体験していない特別感がある。
心がほ〜っと穏やかになる。
アパートの一部屋にあかりがついている。
ふと、それにきづいても邪魔された気分にはならない。
不思議だ。
なんだかすこしホッとする。
一人じゃなかったと安心する。
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