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ナベサダとイマジンと花は咲く

渡辺貞夫さんのコンサートに行ってきました。小さい頃母に連れられて行ったジャズフェスティバル、家にあったレコード。昔からナベサダの音楽を聴いてきました。大学で山に登り始め、仕事をして、子供が生まれて、映画やコンサートの世界から随分離れてしまったけれど、三人めの娘が4歳になった頃からコンサート、映画、色々復活してきました。

下二人は随分小さいうちからナベサダのコンサートに連れて行きました。特に次男は「・・・ナベサダ、かっこいいな・・・」としみじみ言います。ナベサダは昔から活躍しているので数々のヒット曲があるにも関わらず、コンサートで昔のヒット曲を演奏することはほぼありません。「昔、大ヒットしたナンバーです」と言って演奏するその曲は彼の曲では無く、そして私たちと彼の「昔」の基準が多少ずれているため「全然聞いたことないや・・」みたいな曲で構成されています。子供たちは聞いたこともないバラードの演奏が始まるとたちまち寝ますが、コンサートの最後、曲の紹介もせずに立て続けに演奏をし始めて終演になだれ込むのですが、花火大会の最後みたいでわくわくがとまらなくなる!みたいな時は聴いているようです。

ナベサダも大分ご高齢で毎年「これが最後かな?」と思いながら行くのですがそんなのが6年ぐらい続いています。本当にすごい人です。私が何かへこたれそうになったときは、ナベサダとロードオブザリングという映画に出てくる、なんの言われも無いのに呪われた指輪を山に捨てに行く羽目になった「サムとフロド」と思い出して「ナベサダもサムとフロドも頑張ってるから私もがんばろ!」と思って頑張ります。

最近、コンサートでよく聴くのは「東北大震災の時に作った」という台詞。
音楽で何かできないか、と常に思っている方なのでしょう。それ以来、アンコールで「花は咲く」を演奏されています。初めてライブで花は咲くを聴いたときは涙が出ました。音楽ってこんなことができるんだなあ。と思いました。
そして今回はよほど強い思いがあったのでしょう。「イマジン」を演奏しました。

ナベサダ。数多のライブをこなして、人間としても大先輩。お客さんが最後盛り上がってきて沢山の拍手、声援を送っているのを「はいはい、わかった、ありがと」的に手で制して、思いをイマジンにのせてくれました。



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