接客力。
今日は、接客の話。
人って買い物をするとき、どんなことが理由で購入にいたるのか。デザイン、価格、流行、気分…。いろいろあるけど、意外と大きな要因となるのが店員さんの「接客力」だろう。
先日、妻と神戸に買い物に出かけた。鳥取市から高速使って車で2時間半。朝起きて、子供を学校に送り、思い立ったように出発。妻と出かける時はいつもこのフットワークなのだ。
何軒かの洋服屋を周り、結局妻がパンツを2本、僕がパンツを1本買ったのだけど、一日いろいろな店員さんに応対してもらった結果、二人で口をそろえて「接客って大事だねぇ」と妙に納得した一日となった。
相手の想像を超えられるか。
結論から言えば、接客力のある店員さんは二つの要素を持っている。
1つ目は、こちらの目的や持っていたイメージ以上のものを与えてくれる、つまり「こちらの想像を超えた提案をしてくれる」こと。
僕らが買い物をするとき、「シャツが欲しい「パンツが欲しい」などある程度の目的やそのイメージを持っているとする。
サイズがSかMか、それは試着すればなんとなくわかる。そこで「あとはお客様のお好みですね」としか言えないのか。はたまた「このサイズ感だと例えばパンツはこういうタイプのものや、こんな柄のものが意外と合ったりするんですよ」と店内にあるその他の商品を持ってきてくれたりするのか。
これはすごく大きな差だ。
妻を接客してくれた店員さんは、次から次に持ってきてくれ、結果、陳列されているだけでは目にも止まらなかった(人間は自分の興味のあるものしか視界に入らない)服を買ったのだ。
もちろん気に入らないものを買わされたのであれば本末転倒だが、そうではない。妻のセンスや趣味の枠にはない、新たな感覚すら提案してくれ、それに価値を見出してお金をお支払いしているわけだ。これは、お客の言うことにYES、NOという返答をするのでなく、豊富な知識で新たな喜びを提供している。
いい店員さんはこういう提案できる。もちろん経験や知識の裏付けがあり、服を愛し、お客に何を与えられるかをある意味で楽しんで追求している。これがプロフェッショナルだ。おそらくあの店員さんは妻が何を手に取って品定めしているかの時点で、何パターンも他の商品を持ってこれる準備を頭の中でしていたと思う。いや、絶対そうだ。
相手の想像を超えるものを提供すること。僕は書き手として、カメラマンとしてそういう意識を常に持ちたいと改めて感じた。
嘘はつかない
2つ目は、「似合うかどうかをはっきり伝える」こと。つまり嘘をつかないということ。
よくあるのがどんな服にしても「お似合いですよ」「これはこれでありですね」というお世辞のような接客だ。嘘はだめ。どんな服も似合う人なんてそうそういないと思う。
もちろん店員さんも専門家なのでスタイルや顔立ちなどを見て、似合うものはある程度分かるだろう。それでも着てみないと分からないこともある。だからその時に「あぁ違ったなぁ」と思うことは「これじゃなかったですね」と正直に言ってくれること。これが信頼につながると思った。
おそらくお客は自分の感覚で「これは違う」と思ったら、顔に出ると思う。それを察する観察力も大事。そこで「これはこれで良いと思うんですけどね」と半ば強引に勧めてくるのは、店員さん本人が本当にそう思っていたとしても、お客自身がどう感じるかは別。結局、「服を買わせたいだけなんだな」と感じられたら、関係性は一気に熱が冷める。
良い接客は決して「買ってほしい」というオーラが出ていない。出ているのは「どれだけお客様に満足いただけるか」という想い。だって、なんでもかんでも「良い」と言われるとなんだか嘘くさくないだろうか。斜に構えてそう思うのではなく、何が良くて、何が悪いかの判断やアドバイスもプロの仕事である。
本心でぶつかることこそ、信頼につながる。これも仕事をしていく上で肝に命じておきたいことだった。
接客の話からいろいろなことが見えてきたので、メモしておきます(^^)
では、また。
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