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社畜が骨折したら、引きこもりになった件。⑬~労災で休職したら、口座残高が空っぽになりました~

前回、”労災や社会保険に関するシビアな距離とお金”の中で、通院交通費と転院についてお話しました。今回はその続きです。
⑤話でも、保険で使えるものは何でも使いましょう、診断書の大切さ、骨折の診断の難しさといった、知らないと損をするお話をしましたが、今回はシビアな・・・・・・ 知っていても事情によっては避けられない、義務と現実のお話です。

まずは、前回の続きから自宅療養の延長が決定するまでを、太字になっているキーワードを押えつつ、ご覧ください。

2024年1月20日前後。
職場から同上の書類一式が自宅に郵送され、受取る。
2024年1月26日。
同医院を受診。骨が癒合していないため2024年3月4日まで自宅安静加療の旨の診断書を受取る。会計時、同医院および処方箋薬局それぞれに職場から受取った書類一式を提出。前回までに支払った診察、薬剤・治療材料代が全額返還される。以降、労災に関わる治療費がすべて無料になる。職場に診断書を提出。社会保険料の納付および、通勤手当の返還を要求される

初診では骨がくっつくまで長くて1ヶ月と説明を受けましたが、私はその反応が通常より遅いようで、レントゲンでもハッキリと境界線が映っていました。つまり、診断結果を簡単な言葉にすると、「新しい骨は生まれているが骨同士がくっついておらず三角巾が欠かせません。つまり、復職どころかリハビリも無理なので、自宅療養を継続してください」というものでした。

私はその宣告を無言で受け入れました。なぜなら、その当時、日中の痛みは軽減されていたものの、夜間は鎮痛剤がなければ眠れないことが多かったからです。ただ、職場にその説明で納得してもらえるのか心配でした。幸いなことに、話し合いの場にいた上司の1人が骨折経験者のため、すんなりと理解を得ることができましたが、見えない痛みを第三者に伝えることはとても難しいので、自分の中である程度まとめてから告げた方がいいと思います。

その状況説明の中で、総務担当の方がタイミングをはかるように、今回の話題”シビアな義務と現実の話”を切り出したのです。

労災は受傷後4日目から適用される。なので、最悪3日は有給消化が必要。

何度もお話していますが「労災と有給」は相反する権利です。有給はその名のとおり、職場で規定された日数以内であれば、給料やその他の査定に問題が生じない休みのことです。なので、急な体調不良で出勤時刻間近の申請であっても、職場は拒否できません。ただ、労働者自ら望むことが前提で、職場側から強制することができないため、受傷当日「労災か有給か」を私自身で選択する必要があったのです。

ですが、今回のように最初から労災を選んだとしても、適用されるのは4日目から。3日間で治る病気やケガは、そのために用意された有給を使うべきという考えから、私のシフトに直すと・・・・・・7日が公休、8日が出勤、8日が公休なので、8日が有給となります。

もし、消化するべき有給が残っていなかったら、労災を申請せずに有給をすべて使い切ってしまったら、私傷病によりという強制的な欠勤扱いになります。有給の使い方、ある程度余裕を持たせていますか? 私はそこそこ不味い状況でした・・・・・・。

ちなみに、欠勤よりも問題なのが無断欠勤と呼ばれるもの。どちらも職場の査定、特にボーナスに直結しますが、無断欠勤はそのマイナス幅がもの凄く不味いです。会社によって異なるものの、1年間に無断欠勤何回で、昇進試験の受験権利剥奪どころか、退職勧告されるところがあるという噂も。万が一、通勤中に交通事故に巻きこまれて、すぐに連絡ができなかったとしても、勤務時間中であれば無断欠勤扱いを取り消せます。必ず、連絡しましょう。

労災を申請し、休業期間に入ると基本給、通勤手当なども基本、ゼロになります。完全な無給です。

労災は原則、労働者自らが申請します。手続き上、職場が代理で申請することがほとんどですが、そのタイミングは職場によって異なります。短期間の傷病であればちゆ後に申請され、その10日後ぐらいに指定口座に給付金が届きます。しかし、1ヶ月を越えると、月極だったり、期間に関係なくちゆ後だったりと千差万別です。私のケースでは職場の方針でちゆ後にまとめて申請という説明を受けました。

ですが、ちょっと待ってください。
1月6日に受傷してからすでに3ヶ月が経過しています。1ヶ月であれば口座残高からフォローできますが3ヶ月となると話が違います。何もしなくても引き落とされる固定費、生きていくうちで欠かせない生活費、欲しくて買ってしまった嗜好品・・・・・・ 一瞬、頭の中が真っ白になりましたが、ひとつだけ救いがありました。

労災の手続きに必要な書類を医院と処方箋薬局に提出していたことです。これにより、初診と2回目の分の診療費が全額返還され、今後は労災に関する治療のすべてが無料になっていたのです。しかし、”無給”はあくまで序の口、本当にシビアな現実は、次の瞬間、私を襲いました。

「休業中の社会保険料は全額自費負担になります。次回の面談で全額現金で納付できますか?」

致命傷になりかねない追撃にあわせて出されたのは1枚の用紙。そこには私の基本給や通勤費など加算される金額とあわせて、住民税や所得税など給与から事前に引き落とされる社会保険料の一覧が書いてありました。今までも給与明細をもらったらすぐに、金額の間違いや記載の不備といったことを確認するようにはしています。でも、改めてみると・・・・・・給与からあらかじめ引き落とされているからとはいえ、社会保険料の高さが一際目立ちます。

生活費や買い物の支払全般で口座引き落としだったので、万単位の現金引き落としとなると、数年ぶりでしょうか? それぐらい衝撃的でした。ただ、断るという選択肢はないので、頷き、受け入れるしかありません。

診察と面談で気力はほぼゼロになっていたため、その日はどこにも寄らずに帰宅しましたが、後日、いろいろと手続きをするため銀行を訪れました。そして、普段使いの口座残高がゼロに近いという恐ろしさと、貯蓄使いの口座残高がそれなりにあったことへの安心を同時に味わったのでした・・・・・・。

どうにか借金をせずに暮らせそうと、一安心しつつ、次回につづく。

ちなみに、労災の申請後に給付される“休業補償給付”は、給付基礎日額に対して80%支払われます。給与基礎日額は極端に低いが手当は分厚い場合、支給額が予想より低くなる可能性があります。扶養家族が多い、住宅ローンや奨学金の返済などキャンセルできない支払が継続的にある方は、民間保険の”就業不能保険”や”傷害保険”への加入の検討を視野に入れるべきかもしれませんね。


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