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引きこもりというネコを脱ぎ捨てたら、いろいろと制御が効かなくなった件。②


<痛い話>診察と12回目のリハビリの話。

六義園を訪れた翌日。
日記には「簿記を頑張ったけど、疲れが残っていたのか、やる気がダウン気味。もう少し軽いフットワークが欲しい」と書いたとおり、開き直って心は軽いはずなのに、もやもやして、どこか落ち着きません。

理学療法士の先生からも「症状は一進一退。それにあわせて気持ちも一喜一憂することを覚えておいてね」と諭されたことを思い出しました。
ただ、そのもやは、重しではなく第六感だったようで・・・・・・。

翌日、5日の診察で先生から「ちゆが近づいてきているから、今の身体とずっと付き合っていく方法を探しておいたほうがいいよ」とアドバイスされてしまいました。

労災保険における傷病が「治ったとき(治癒)」とは、身体の諸器官・組織が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうものではなく、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められている医療を行っても、医療効果、すなわち、その傷病の症状の回復・改善が期待できなくなった状態をいうとされています。
そして、この状態を労災保険では、「治癒」=「症状固定」といいます。

一人親方の労災事故、傷病の治癒(治ったとき)について解説します! | 一人親方建設業共済会 (oyakata.jp)

私の場合、「骨同士は正常に癒合(くっついた)したものの、受傷前の可動域までは回復せず、疼痛も残ってしまうため、生活の質を今の身体にあわせる準備をしたほうがいい」というわけです。

それこそ、自転車に乗らないとか、前開きの洋服しか着ないとか、手すりにつかまるのは右手に限定し、無理なら乗らないなど・・・・・・。
骨折が治るまでの我慢と思っていたことが、現実味を帯びた瞬間でした。

がんばっても、がんばっても、どうしようもないことはあります。
昨日、ようやく気持ちを切り替えることができたのに、タイミングの悪さに言葉が詰まります。
それでも、治療を止めるとか、諦めるつもりは更々ないので、頷くしかありませんでした。

ただ、理不尽さに不満がうごめいていたのは確かなのでしょう。
リハビリの後、立ち寄る予定だった展覧会のことを、すっかり忘れたまま帰宅してしまったのです。しかも、思い出したのは、夜、日記を書くために開いた手帳を見返してからで・・・・・・ その上、展覧会最終日だったのでショックも二倍になって、私を襲ったのでした。

私を救ってくれたもの。

そんな状況を救ったのは、またもや、苔テラリウム。
前回は無意識のまま苔の消毒や整理を行っていましたが、今回は意識的に逃避しました。土台の構造、背景の作り方、土の盛り方、石の組み方・・・・・・。


苔テラリウム 設計図

あっという間に1日が終わっていたのです。

悩むなとはいいません。悩み続けるなともいいません。
ただ、悩むのはもちろん、続けるには力が必要です。
その力が、どれだけあるかは、その人にしか分かりません。それどころか、その人自身、気がついていないのかもしれません。
そうして、苦しんで、ためこんで、耐えきれなくて、倒れてしまう。

私は、この3ヶ月、それを繰り返してしまいました。
だからこそ、切り替えが大切だと気づき、一度で足りなければ何度でも、落ちていると感じたらすぐにでも行おうと決めていたのです。

結果。
時間をおくことなく、気持ちを立て直すことができ、勢いのままに、翌日の朝一、図書館を目指したのでした。

住んでいるはずなのに、一歩、裏に入ると見知らぬ土地。

という場所が、家のすぐそばにありますか?
私は、あります。
その1つが図書館です。

その理由を説明するには、私の家庭環境を改めてお話しなければなりません。どこかでお伝えしたと思いますが、父母、単身赴任中の夫、私の4人家族です。現在の住まいは父と母が二人暮らししていた一軒家で、主人と私は同じ市内に住んでいました。(主人は長期単身赴任中ですが・・・・・・)

そこで気ままなひとり暮らしを満喫していたのですが、父が患った大病からの回復が予定より遅く、その介護を母に任せるのは不安があるという理由から、仮住まいとして引っ越すことになりました。

ですが、急な話で、引っ越し前は手続きに追われて、自宅周辺の状況を把握する時間などなく、引っ越し完了後も手続きで使ってしまった有給を取り戻すために、仕事、仕事、仕事・・・・・・。
更に、通勤経路がガラッと変わり、人生初の電動自転車による急坂攻略まで始まってしまったため、周囲を見渡す余裕がなかったのです。

そして、通勤に慣れてきたと思ったら、年末年始輸送のスタート。冬休み、クリスマス、帰省、お正月、成人式など、楽しいイベントが目白押しの半月は、鉄道業は稼ぎ時であると同時に繁忙期。
「有給って食べ物ですか?」レベルの忙しさです。

事実、新年の幕開けは、自宅ではなく会社の仮眠室にいたぐらいの煩雑さで、帰省のピークが終わった瞬間、どれだけホッとしたか、同じ業界の方であれば納得していただけると思います。

ですが、その翌々日、骨折。
長期休みはできたものの、安静が絶対条件の休職なので、外に出るという思考すら浮かばないありさまでした。

というわけで、会社までのルートと、最寄り駅周辺の買い物スポット、本屋ぐらいしか私の地図に刻まれていなかったのです。

なので、同じ市内に住んでいる兄が私たちの家を訪れたとき「これ、返してくるけど、一緒に行く?」と、本を片手に誘ってこなければ、たとえ、すんなり完治していたとしても行かなかったでしょう。

以前住んでいた場所は、駅の近くに図書館があったので、十分すぎるほどお世話になっていたのですが、行動範囲から少し外れただけで忘れてしまうものなのですね。

ちなみに、皆さんは、知りたいことがあったら、何で調べますか?
スマホの検索でしょうか?
私も、国語辞典に載っているの用語の意味や、ある言葉の定義といった、どのサイトでも調べても同じ答えがでてくるものはウェブで検索します。今はAIが答えてくれるようになったので、とても楽になりました。

ですが、深く知りたい、もっと知識を広げたいとなると、紙の本を頼るようにしています。
つまり、普段立ち寄る本屋とも、気軽に検索できるネットとも違う、それが私にとっての図書館なのです。

まだ本について語りたりないので、次回につづきます。

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